OPEN PROPOSAL / 2026年6月 · CC BY-SA 4.0 · 実装者・連携者募集中
Libre Food SystemShiga Model

循環型食糧生産システム
琵琶湖システム2.0

Libre Food Systemという開かれた設計思想における、滋賀県での参照実装(Reference Architecture)です。誰も欲しがらない稲藁と葦と廃材を起点に、排出回避を最優先としながら滋賀県から循環型農業圏を築く。廃熱・バイオエタノール・CaCO₃循環キャリアを一つのシステムに統合した、CC BY-SA 4.0のオープン仕様です。

Linuxがオープンソースの開発者たちの手で育てられていったように、この提案もまた、様々な専門性を持つ人々の関与によって実装に近づいていくことを願っています。

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バイオマス発電 / 廃熱カスケード セルロースエタノール CaCO₃循環キャリア バイオプラスチック CC BY-SA 4.0
提案者:村方純(滋賀県在住・洋菓子店経営 / 機械工学・熱エネルギーシステム・LCA) · 提案段階につき内容は変更される可能性があります
なぜ今か
野焼きが農家自身の農業を脅かしている

稲藁1トンを野焼きすると約1.5トンのCO₂が大気に放出される。そのCO₂が気温を上昇させ、翌年の田んぼで米の白未熟粒や品質低下を引き起こす。農家が自らの首を絞めるサイクルが続いている。

2024年の世界平均気温は産業革命以前比で1.60℃上昇し、パリ協定の1.5℃目標を単年で初めて超えました。2026年夏はエルニーニョ発生確率70%。気温の数字には現れない大気エネルギー(比エンタルピー)は1995年比で約11%増加しており、農業が受けるストレスは数字以上に深刻です。

稲藁を燃やさずに資源化すれば、炭素はバイオ炭・バイオエタノール・CaCO₃という形で大気に戻りません。野焼きをやめることは環境への貢献であると同時に、高温障害の悪化を抑え、農業と食文化を次世代に残すための行動です。

CO₂固定ポテンシャル(滋賀県・保守試算)
水田がすでに持っている力
約1.1万
t-CO₂/年
永続除去(バイオ炭)
約1.4〜2万
t-CO₂e/年
排出回避(野焼き中止 CH₄・N₂O)
DAC以下
目標コスト
直接空気回収($300〜600/t)比

新たに木を植える必要はありません。すでにある水田と農業廃棄物だけで、永続除去 約1.1万t-CO₂/年(バイオ炭)+排出回避 約1.4〜2万t-CO₂e/年(野焼き中止の非CO₂)が実現できます。除去分の森林換算は約3,000ha相当。DACに同量の除去を委ねた場合の国費支出は年間約54〜108億円。本システムはその以下のコストで、製品・雇用・農村維持・食文化継承を同時に生み出します。

排出回避を最優先としつつ、永続除去(バイオ炭)と合わせて約2.5〜3.1万t-CO₂e/年の気候効果を創出します。除去と回避は手段・会計区分が異なる補完関係にあり、別々に積み上げることで審査に耐えるGHG会計が成立します。単独で輸送部門の排出を相殺する規模ではなく、次世代電源(MSR・地熱)が本格化するまでの移行期間において、社会全体のカーボンニュートラルに向けた時間を稼ぐ役割と位置づけています(v3.0)。
SYSTEM OVERVIEW
琵琶湖システム2.0 全体像

もみ殻・稲藁・廃材を起点に、バイオ炭の農地固定・セルロースエタノール製造・CaCO₃循環キャリア・畜産バイオガス・将来のグリーンアンモニアまでを1枚に統合した、物質・エネルギーフローの全体概念図です。

琵琶湖システム2.0 全体概念図v3.0 — もみ殻・稲藁・廃材からバイオ炭農地固定、セルロースエタノール、CaCO₃循環キャリア、畜産バイオガス、グリーンアンモニアまでを統合した物質・エネルギーフロー図
琵琶湖システム2.0 全体概念図 v3.0 / CC BY-SA 4.0 / librefoodsystem.org · 新しいタブで拡大表示 →
Libre Food System — Shiga Model(琵琶湖システム2.0)
三段階で立ち上げる統合循環
PHASE 1 / 即着手
バイオ炭製造
農地炭素永続固定
もみ殻・稲藁をバイオ炭化し農地に永続固定。IPCCガイドライン準拠のJクレジット対象。JAカントリーエレベーターへのヤンマー装置設置が現実的な入口。農家収益化を先に実現し信頼関係を構築する。
実証済み技術
PHASE 2 / 実証並行
セルロースエタノール
NEDO実証フィールド
農研機構RT-CaCCO法で稲藁・廃材からエタノールを製造。地域バイオマス発電事業者の廃熱・土地を活用。設備費はNEDO負担で自己リスクを最小化しながら先行ノウハウを取得。SSF発酵CO₂はCaCO₃として捕捉し、ライム再生ループの循環キャリアとして活用。
実証段階
PHASE 3 / 商用化
グリーン基礎化学品
四段階リサイクル
バイオエタノールを三社LLP Revolefin™でエチレン・プロピレンに転換。廃バイオプラはマテリアル→油化型ケミカル→ガス化型ケミカル→サーマルの順で処理。バイオ由来炭素を材料循環に最大限維持する。
2034年目標

近江商人の「三方よし」を現代に拡張した五方よし——売り手・買い手・世間・地球・未来——を体現する構想です。世界農業遺産「琵琶湖システム」を炭素循環型食糧生産の国際モデルに進化させる、滋賀発の挑戦です。Libre Food Systemという共通アーキテクチャに対し、滋賀県というフィールドで初めて具体化した参照実装(Shiga Model)が、この琵琶湖システム2.0にあたります。

バイオマスカスケード発電プラント
廃熱を捨てない。CO₂も捨てない。

既存バイオマス発電プラントに後付けの小型背圧タービン(let-downタービン)を1台追加し、主蒸気を発電しながら工程圧まで降圧。その排気をエタノール製造工程の熱源(約2,800kW)として追加燃料ゼロで100%自給する設計(改造版2B)。年間約1,830kLのエタノールを製造し、発酵で必然的に発生する純CO₂をCa(OH)₂と反応させてCaCO₃として捕捉し、ライム再生ループの循環キャリアとして活用する。

バイオマスカスケード発電プラント概念図v3.0改造版2B — 既存復水器+let-downタービンによる廃熱カスケード利用とCO₂炭酸化ループ
バイオマスカスケード発電プラント 概念図 v3.0【改造版 2B:既存復水器 + let-down】/ CC BY-SA 4.0 / librefoodsystem.org
廃熱カスケード
蒸気を2圧力帯+温水ループで割り当て
約2,800kW
工程必要熱(投入熱量の約16%)を追加燃料ゼロで自給

P1(160〜180℃)→水蒸気爆砕 / P2(110〜120℃)→蒸留・固液分離 / P2凝縮水温水ループ→SSF糖化・発酵。ボイラー排ガスでリグニン乾燥。

CaCO₃循環キャリア
発酵CO₂をCa(OH)₂と反応させ鉱物固定
約898t
CO₂/年 — 追加エネルギー不要(常温・常圧)

SSF発酵排ガスはほぼ純CO₂(95〜99%)。RT-CaCCO前処理で消費したCa(OH)₂全量を炭酸化し農地還元。新規に石灰石を焼成せず、既存の消石灰使用分を循環させる設計。

エタノール生産
廃熱活用で追加燃料ゼロ
約1,830kL
年間生産量(3,550kWプラント参照)

三社LLP Revolefin™(旭化成・三井化学・三菱ケミカル)へのバイオエタノール供給。大阪府高石市OPC泉北工業所まで約60km。2034年商用生産開始目標。

オープンライセンス
CC BY-SA 4.0 — 誰でも実装できます
特許なし
出典明記・同一ライセンスで自由に実装・改変可

仕様書・概念図・提案書の全文をCC BY-SA 4.0で公開。FIT終了後の収益多様化を目指す発電事業者・プラントメーカーは自由に利用できます。

OPEN DOCUMENTS
全仕様をオープン公開しています

提案書・仕様書・概念図はすべてCC BY-SA 4.0ライセンスで公開しています。
出典を明記すれば自由に使用・改変・再配布できます。改変した場合は同一ライセンスで公開してください。

※2026年7月 v3.0公開 RT-CaCCOプロセスの修正と共にCaPPAプロセスを組み込みました。

PROPOSAL / 提案書
琵琶湖システム2.0
詳細提案書 v3.0

廃熱設計(抽気復水/後付けlet-downタービン)・CO₂会計(除去と排出回避の分離)・三社LLP等の外部事実を一次ソースで確認のうえ反映した改訂版。付録A〜P・DACコスト比較・BECCS相当炭酸化工程の質量収支を含む。

↓ PDF ダウンロード ↓ Markdown版(AI・再利用向け)
DIAGRAM / 全体概念図
琵琶湖システム2.0
全体概念図 v3.0

CO₂固定サマリーを永続除去(バイオ炭・CaCO₃)と排出回避(野焼き中止 CH₄・N₂O)の分離方式に更新。もみ殻→バイオ炭・稲藁→発電→SSF→エタノール・炭酸化ループ・畜産循環・食品廃棄物バイオガス・フェーズ3グリーンアンモニアを一図に統合。

↓ SVG ダウンロード
SPEC / 仕様書
バイオマスカスケード
発電プラント仕様書 v2.0

プラントメーカー・実装事業者向け。タービン構成を新設版(2A・抽気復水)と改造版(2B・既存復水機+let-downタービン)の2トラックに整理。蒸気を2圧力帯(P1・P2)+温水ループに再編し、廃熱表現を「工程必要熱を追加燃料ゼロで100%自給」に修正した改訂版。

↓ PDF ダウンロード ↓ Markdown版(AI・再利用向け)
DIAGRAM / 概念図
バイオマスカスケード
発電プラント概念図 v3.0

廃熱カスケード利用・SSF発酵CO₂炭酸化ループを視覚化したSVG。2トラック構成(2A・2B)それぞれの蒸気ラインにCV・温度・圧力を明記。CaCO₃農地還元・余剰CO₂の転用先も含む。

改造版 2B — 既存プラント後付け(主役)
↓ SVG ダウンロード
新設版 2A — 抽気復水タービン(参考)
↓ SVG ダウンロード
CC BY-SA 4.0 / 村方純 / librefoodsystem.org · 提案段階資料のため内容は変更される可能性があります(v3.0・2026年7月)。利用の際は数値の妥当性を確認してください。
CALL FOR IMPLEMENTORS & PARTNERS
実装者・連携者を募集しています

この仕様書はCC BY-SA 4.0のオープン設計です。誰でも実装できます。以下の領域でご関心のある方からのご連絡をお待ちしています。

BIOMASS POWER
バイオマス発電事業者
廃熱・土地・廃材チップを提供するだけでNEDO実証フィールドとして名乗りを上げられます。設備費・酵素費用はNEDO負担。FIT終了後の収益軸を先行取得する絶好の機会。
PLANT MAKER
バイオマスプラントメーカー
数値の妥当性のチェックおよび仕様書v2.0をベースに各工程設備(水蒸気爆砕装置・SSF攪拌槽・蒸留塔・炭酸化タンク)の適用設計・蒸気ヘッダー・CV制御系の施工設計を行いたい方。
JA / FARMERS
農協・農業関係者
カントリーエレベーターへのバイオ炭製造装置設置・稲藁・もみ殻の有償買取スキーム・Jクレジット収益還元の仕組みづくりを一緒に設計したい方。
RESEARCH
研究者・技術者
農研機構RT-CaCCO法との技術連携・各工程の処理時間試験・酵素リサイクル最適化・炭酸化工程の実証試験に関心をお持ちの方をお待ちしています。
POLICY
自治体・政策連携者
DAC相当CO₂固定支援制度の政策提言・滋賀県バイオマス産業都市構想との接続・Jクレジット方法論の整備申請について政策側からのご連絡を歓迎します。
CHEMICAL / RECYCLING
化学メーカー・リサイクル事業者
バイオエタノール→グリーン基礎化学品(Revolefin™接続)・廃バイオプラの油化型ケミカルリサイクル連携・CaCO₃農地還元スキームへの参画の検討資料に。
→ info@librefoodsystem.org
実装・連携・共同研究・政策検討など、どのような形の関わりでも歓迎します