このサイトはエネルギー政策の話でも環境活動の話でもありません。好きな食べ物が変わっていくことへの危機感から始まっています。
これは仮定の話ではありません。クリスマスケーキ用の苺が、当たり前に手に入らなくなりつつある現実です。主要な苺産地では晩夏の高温が長引き、実をつける準備にあたる花芽分化が遅れる年が増えています。花芽分化が遅れれば収穫のピークも後ろにずれ、12月の需要期に届かなくなる——毎年同じ時期に同じ品質の苺が手に入るという前提が、崩れ始めています。
コシヒカリの白未熟粒。サンマの不漁。オリーブオイルの価格高騰。カカオの産地縮小。これらは別々の気候問題ではありません——同じ一つの問題の、異なる食卓への現れ方です。
問題は個別の不運ではなく、食料を生産するための地球の物理的な条件が変わっていることです。そして、その変化は今後も一方向に進むという点で、これまでの異常気象とは質が異なります。食糧の安定供給が「当たり前」ではなくなろうとしています。
改善策を調べると、世界ではすでに動いていました。デンマークは畜産廃棄物をエネルギーと肥料に変えています。ブラジルは植物由来のプラスチックを商業生産しています。ノルウェーは水力だけで電力の90%を賄っています。
Libre Food Systemは、気候変動のメカニズムを整理し、改善策と合わせて日本語で発信する情報サイトとして開設しました。
現在の経済システムは人間の価値(GDP・利益・株価)を最優先の位置に置いています。気候システムはその「外部性」——コストとして処理される存在です。この構造が、食料システムに埋め込まれたバグの根源だと考えています。
地球資源主義はこの構造を逆転させます。ファームウェアは気候システムです。その上に生態系(カーネル)、さらにその上に人間の経済活動(OS・アプリケーション)が乗ります。ファームウェアを毀損する経済活動は「バグ」です——修正が必要です。
「パッチノート」「バグレポート」「PATCH-01〜06」というソフトウェア開発の比喩をLFSが使うのはこのためです。食料・エネルギー・物質という地球のシステムに、人間の経済活動がバグを埋め込みました。そのバグに対してパッチを当てる——これがLFSの設計思想です。
気候システムには熱の捨て口がある。大気から宇宙へ向かう長波放射、深層海洋への熱輸送、生物ポンプによる炭素の深海固定——これらが連動して、地球は余剰エネルギーを逃がしてきた。
その捨て口が、同時に閉じつつある。
コミットされた温暖化、コミットされた海面上昇——すでに経路に入った変化は、強制力を止めても即座には止まらない。それでもカーボンネガティブの実装は、唯一残された放熱経路を広げ、さらなる悪化を遅らせる最大限の介入だ。
LFSは、この介入点に向けた情報基盤として存在する。食とエネルギー生産における炭素サイクルの最適化は、物理的に残された選択肢への、地域レベルからの応答である。
LFSは専門家でも研究者でもない一人の市民が、「豊かな食文化を次世代に残したい」という動機から作った食×エネルギー×物質循環に関するオープンな情報サイトです。
まずはサイトをご覧いただき、関心を持っていただけたら——それがLFSの最初の一歩です。
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「経済活動を炭素サイクル側に寄せたい」という思いを、滋賀県を対象に具体的なシステムとして提案しています。稲藁・廃材バイオマスを起点に、エタノール製造・バイオ炭農地固定・三段階リサイクルを統合した低炭素循環型農業圏の構想です。提案段階の資料を公開しています。
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