ABOUT LFS
美味しいものを
次世代に残すために。

それだけがこのサイトを
作った理由です。
村方純 / Libre Food System · 2026
なぜ作ったか
動機は、食への愛着でした

このサイトはエネルギー政策の話でも環境活動の話でもありません。好きな食べ物が変わっていくことへの危機感から始まっています。

📣 製菓現場からの証言 / 2026年
「小麦のグルテンと澱粉物性が変化してきたので対応に苦戦中です。同じ配合で作っても以前と違う仕上がりになる。毎年同じ品質の小麦粉が来るという前提で製品設計できなくなってきた。」

これは仮定の話ではありません。2023年以降の製菓・製パン現場の現実です。カナダ・プレーリー州の小麦産地で高温障害が進み、グルテンのタンパク質組成が変化しています。その変化が日本の製粉工場を経て、製菓現場に届いています。

コシヒカリの白未熟粒。サンマの不漁。オリーブオイルの価格高騰。カカオの産地縮小。これらは別々の気候問題ではありません——同じ一つの問題の、異なる食卓への現れ方です。

解決策を調べると、世界ではすでに動いていました。デンマークは畜産廃棄物をエネルギーと肥料に変えています。ブラジルは植物由来のプラスチックを商業生産しています。ノルウェーは水力だけで電力の90%を賄っています。問題は解決策がないことではなく、広まっていないことです。

Libre Food Systemは、その「広まっていない解決策」を整理し、日本語で発信するプラットフォームとして始まりました。

哲学
地球資源主義——
カーネルを中心に置く

現在の経済システムは人間の価値(GDP・利益・株価)をカーネル(中心)に置いています。地球環境はその「外部性」——コストとして処理される存在です。この構造が、食料システムに埋め込まれたバグの根源だと考えています。

人間の経済活動・消費・廃棄
エネルギー・食料・物質の循環
地球
カーネル
地球資源主義:カーネル(地球環境)を価値の中心に置く

地球資源主義はこの構造を逆転させます。カーネルは地球環境です。人間の経済活動はその上で動くアプリケーション層に過ぎません。カーネルを毀損する経済活動は「バグ」です——修正が必要です。

SYSTEM HIERARCHY / 階層構造
HARDWARE
地球物理的な基盤。大気・海洋・岩石・生態系。
KERNEL ★
地球環境炭素・水・エネルギーの循環。LFSが価値の中心に置く層。
OS
国・制度・法律カーネルの上で動くシステム。エネルギー政策・農業法制等。
APPLICATION
事業者・企業OS上で動くアプリケーション。農業・製造・エネルギー事業等。
USER
人・消費者システムを使う存在。食べる・暮らす・選ぶ。
現在のバグ 現在の経済システムはAPPLICATION(事業者の利益・GDP)をカーネルに置いています。地球環境はその「外部性」として扱われてきました。カーネルを毀損するバグが積み重なった結果が、クリスマスに苺が消え、小麦のレシピが通用しなくなる現実です。食料を作るために施す肥料の製造原料が化石天然ガスである——農業を続けるたびにカーネルへ地質起源炭素が注入されるというバグも、その一つです。

「パッチノート」「バグレポート」「PATCH-01〜06」というソフトウェア開発の比喩をLFSが使うのはこのためです。食料・エネルギー・物質という地球のシステムに、人間の経済活動がバグを埋め込みました。そのバグに対してパッチを当てる——これがLFSの設計思想です。

LFSとは何か・何でないか
知識プラットフォームであり、
運動体でも事業体でもありません
LFSであること
オープンな知識プラットフォーム
世界の先行事例と解決策を整理・発信します
LFS仕様(CC BY-SA 4.0)を公開・管理します
地域での条件検証・対話を呼びかけます
農業・エネルギー・製造業の関係者との対話の場になります
多言語での情報発信を目指します
LFSでないこと
特定の事業・運動・政治
特定の企業・商品を推薦・販売する事業体ではありません
特定の政党・政治運動への支持を求めません
会費・会員制度は持ちません
LFS仕様の「所有者」ではなく「管理者」です
完成した答えではなく、問いを共有します
著者
村方 純
Jun Murakata
滋賀県出身・在住 パティシエ 機械工学(熱エネルギー・LCA) 地球資源主義

環境への関心の原点は、滋賀の小学生なら誰もが経験する環境学習船「うみのこ」と、中学時代の環境教育にあります。琵琶湖という身近なカーネルが、環境問題を自分ごととして考える出発点になりました。

高専・大学では機械工学を専攻し、伝熱・熱エネルギーシステム・LCA(ライフサイクルアセスメント)を学びました。学ぶほどに強くなっていったのが、「経済活動を炭素サイクル側に寄せたい」という思いです。

その思いを実現する手段として選んだのがパティシエという職業でした。食への危機感を伝えやすい媒体であること、農業大国フランスへの渡仏がしやすいこと、6次産業化・地方創生への接続があること、そして炭素サイクルの末端である食卓に立てること——複数の理由が重なった選択でした。

洋菓子店の経営が安定したら気候変動の情報発信を始めようと考えていた矢先、2025年の異常な暑さに強い違和感を覚えました。気候変動の実態を調べると、看過できない状況になっていました。このままでは食文化の維持が難しくなる——その危機感が、行動を早める決断につながりました。

デンマークのバイオメタン循環モデルを起点に、フランスの分散型社会思想なども参照しながら調べていくうちに、食を中心とした循環のサイクルが描けるようになりました。現在の技術でカーボンニュートラルなモデルは実現可能だと確信し、このサイトを作る決断に至りました。

「LFSは専門家でも研究者でもない一人の市民が、『美味しいものを次世代に残したい』という動機から作った知識プラットフォームです。不完全でも、問いを共有することから始めます。」
このサイトについて
洋菓子店経営と並行して運営中

急遽立ち上げたため、洋菓子店とLFSを一人で並行して運営しています。

対話をしたくても時間が取れない状況ではありますが、まずはサイトをご覧いただき、関心を持っていただけたら——それがLFSの最初の一歩です。

LFSは専門家でも研究者でもない一人の市民が、「美味しいものを次世代に残したい」という動機から作った知識プラットフォームです。不完全でも、問いを共有することから始めます。

お問い合わせはこちらからお願いいたします。内容によっては返信に時間がかかる場合がありますが、必ず目を通します。

具体的な試み
琵琶湖システム2.0——稲藁・廃材から始まる循環提案

「経済活動を炭素サイクル側に寄せたい」という思いを、滋賀県で具体的なシステムとして提案しています。稲藁・廃材バイオマスを起点に、エタノール製造・バイオ炭農地固定・三段階リサイクルを統合したカーボンネガティブ農業圏の構想です。提案段階の資料を公開しています。

提案書を読む →
付録
気候変動を理解するための学問マップ

このサイトの背景には、物理・化学・植物生理学・統計学など10以上の学問領域が横断的に関わっています。「どこから学べばいいかわからない」という方のために、学問領域ごとに「なぜ必要か」を整理したページを用意しています。

学問マップを見る →
まず、知ることから始まります

パッチノートを読む。世界の事例を知る。

食の危機を知る → 解決策を読む →