# バイオマスカスケード発電プラント 仕様書 v3.0（CaPPAプロセス版）

**アーキテクチャ：Libre Food System（LFS）準拠モジュール仕様**
**ライセンス：CC BY-SA 4.0 / 村方純（librefoodsystem.org）**
**公開日：2026年7月（v3.0・CaPPAプロセス版）**

> この仕様書はオープンライセンスで公開します。誰でも自由に使用・改変・再配布できます。誰も独占できません。

> **v3.0 改訂要点（v2.0からの変更）**
> - 草本系前処理を **CaPPAプロセス**（石灰前処理＋高密度ペレット化）に更新。稲藁を収集拠点でペレット化し中央プラントへ搬送する **分散前処理・中央集約** アーキテクチャを採用（4-2）。
> - 工程フローを再構成（3-3）：CaPPAペレットを炭酸化タンクで再スラリー化し発酵CO₂でpH調整 → SSF → プレス圧搾 → 溶液は蒸留／残渣は乾燥して農地（フェーズ1〜2）。
> - カルシウム閉ループ：バイオ炭熱分解ガスの **二次燃焼で消石灰を自家再生** し、ライムのLCA問題を構造的に解消（4-7）。CaCO₃は炭素除去に計上せず **製品／循環キャリア** として扱う。
> - フェーズ3で搾りかす炉による **シリカ（ケイ酸）の地域内循環の可能性**（回収を探る・要実証）を追加。ライム補足（4-7）を新設。
> - 熱・タービン設計（2A抽気復水／2B改造）はv2.0から不変。
>
> **v2.0 改訂要点（v1.0からの変更）**
> 熱源の取り出し方を熱力学的に精査し、タービン構成を **新設版（2A・抽気復水）** と **改造版（2B・既存復水機＋後付けlet-downタービン／本仕様の主役）** の2トラックに整理した。
> 「廃熱57%を全量プロセスに使う」という表現は、エタノール工程の実熱需要が約2,800 kW（燃料の約16%）にとどまるため取り下げ、**「工程必要熱を追加燃料ゼロで100%自給する」** という意味に修正した。
> 蒸気は2圧力帯（P1・P2）に集約し、低温帯（旧P3/P4）は **温水ループ＋冷却** に変更した。

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## 1. システム概要

### 1-1. 構想の背景

全国に稼働するバイオマス発電所の多くは、発電後の熱を最終的に復水器（コンデンサー）から冷却塔・大気へ捨てている。FIT期間終了が近づくにつれ、発電収益だけでは事業継続が困難になる施設も出てくる。

この仕様書は、**バイオマス発電プラントの蒸気を使い、追加燃料なしでバイオエタノール製造ラインを駆動する**システムの設計概念を示す。中心となるのは、**既存プラントへの後付け改造（2B）を主筋とするプラン** である。新設プラント向けの最適構成（2A）は、他地域への横展開・大規模化に向けた **参考情報** として併記する。

### 1-2. 設計思想

- エタノール工程の熱を、発電プラントの蒸気で **追加燃料ゼロ・専用ボイラー不要** でまかなう
- 既存プラントへの後付け改造を基本とし、**既存の発電主機・ボイラーには手を加えない**
- 収益を上げながら炭素を固定する（DACとの根本的な差異）
- オープンな仕様として公開し、横展開を妨げない

### 1-3. システム名称

**バイオマスカスケード発電プラント（Biomass Cascade Power Plant）**

### 1-4. 参照プラント規模

以下の試算は、パレット廃材を燃料とする **3,550kW** バイオマス火力発電プラントを参照モデルとして作成した。主蒸気条件は **6 MPa / 450℃ を想定値** とする（実機条件は施設ごとに異なるため、実装段階で確認が必要）。他規模・他条件プラントへの適用は比例換算・再計算で対応可能。なお、**滋賀県内には既設の木質バイオマス発電プラントが稼働しており、本仕様はその規模感（3,550 kW級）を参照モデル**とした（固有名詞は伏せる）。**まず既存プラントへの後付け改造（2B）から着手できる**点が本提案の現実性の核であり、新設（2A）は他地域への横展開・大規模化の選択肢として参考に位置づける。

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## 2. 熱カスケード設計（2トラック）

### 2-0. 共通：エタノール工程の熱需要と圧力帯

エタノール工程が必要とする熱は、温度帯別に積み上げると **合計 約2,800 kW（連続平均・参照値）** であり、これは発電プラント投入熱量（17,750 kW）の約16%にあたる。残りの大量の低品位熱は工程が吸収できないため、復水器で発電に回す（捨てる）。**「廃熱を全量プロセスに使う」のではなく、「工程が必要とする分だけを廃熱で100%まかなう」** のが本システムの正確な設計思想である。

蒸気は2圧力帯（P1・P2）に集約し、低温の糖化・発酵帯は蒸気を直接吹き込まず、**P2凝縮水を熱源とした温水ループ＋冷却水で温度制御** する（発酵は発熱反応のため実質的に冷却が主役）。

| 識別 | 熱源 | 温度／圧力 | 供給先設備 | 概算熱量 |
|------|------|-----------|----------|---------|
| P1（高圧蒸気） | タービン抽気／let-down排気 | 160〜180℃ / 0.62〜1.00 MPa | 水蒸気爆砕装置 | 約800 kW |
| P2（中圧蒸気） | タービン抽気／let-down排気 | 110〜120℃ / 0.15〜0.20 MPa | 蒸留塔リボイラー・固液分離補助 | 約2,000 kW |
| 温水ループ（糖化） | P2凝縮水の顕熱 | 50〜55℃ | ジャケット付き攪拌槽（SSF糖化フェーズ） | （P2より融通） |
| 温水ループ（発酵） | P2凝縮水＋冷却水・チラー | 30〜40℃ | ジャケット付き攪拌槽（SSF発酵フェーズ・冷却主体） | （冷却側） |
| ボイラー排ガス（独立系統） | 燃焼排ガス保有熱 | 120〜150℃ | ロータリードライヤー（リグニン乾燥） | 約2,660 kW |

> **v1.0からの修正点**：蒸留塔リボイラーは塔底（ほぼ水・約100℃）を沸騰させるため、加熱媒体は100℃を上回る必要がある。v1.0のP2「80〜100℃」では伝熱温度差が取れないため、**P2を0.15〜0.20 MPa / 110〜120℃に引き上げた**（減圧蒸留を併用する場合はこの限りでない・要設計）。

圧力値は飽和蒸気表（スチームテーブル）より算出。各圧力帯の蒸気は **調節弁（コントロールバルブ・CV）** で工程ごとに圧力・温度を制御する。

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### 2A. 新設版 — 抽気復水タービン

ゼロからプラントを建設する場合の最適構成。**抽気復水タービン**を採用し、P1（1.0 MPa）・P2（0.2 MPa）を必要量だけ抽気して工程へ供給し、残りの蒸気はすべて復水器（約0.008 MPa / 41℃）まで膨張させて **発電を最大化** する。

- 主蒸気：6 MPa / 450℃（バイオマスの過熱器腐食限界内で効率を最大化する実用点）
- 発電端出力：**約3,920 kW**
- 抽気プロセス熱：約2,800 kW（P1 約800＋P2 約2,000）
- エタノール工程の「真の支障」（抽気しない純復水運転 約4,440 kW との差）：**約520 kW**

> 新設版は熱統合のハードルが低く「廃熱カスケード」としての新規性は相対的に薄いが、最大発電と工程熱自給を両立できる。低コスト版として 4 MPa / 400℃ も可（発電は約300 kW低下）。

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### 2B. 改造版（本仕様の主役） — 既存復水機＋後付けlet-downタービン

FITで稼働してきた既存の **復水タービン** 機を **無改造のまま**、エタノール工程の熱源を確保する構成。既存の復水器は約40℃の熱しか捨てておらず、蒸留（120℃）にも水蒸気爆砕（180℃）にも使えない。そこで工程蒸気は抽気で取り出す必要があるが、**既存タービンへの抽気ポート増設は主機の大改造になるため採らない。**

代わりに、**後付けの小型背圧タービン発電機（let-downタービン）** を主蒸気系に1台追加する。主蒸気のスリップストリームを工程圧（P1 1.0 MPa／P2 0.2 MPa）まで **発電しながら降圧** し、その排気をそのままエタノール工程の熱源とする。単純な減圧弁（PRV）で絞ると圧力エネルギーを捨てるが、let-downタービンならその分を電気として回収できる。

**発電収支（3,550kWプラント・主蒸気6 MPa/450℃想定・参照値）**

| 項目 | 発電量 |
|------|-------:|
| 改造前（既存復水機） | 3,550 kW |
| 改造後：既存復水機（スリップ分が抜ける） | 約2,376 kW |
| ＋後付けlet-downタービン発電（約650 kWを回収） | ＋約652 kW |
| **改造後 プラント合計発電** | **約3,030 kW（改造前比 ▲約520 kW）** |
| （参考）let-downを置かず単純PRVで降圧した場合 | 約2,380 kW |

- let-downタービン：1.0 MPa抽気付き背圧タービン（0.2 MPa排気）。主蒸気スリップ約4,700 kg/hを処理。
- エタノール工程熱：約2,800 kW（let-down排気・**追加燃料ゼロ・100%自給**）
- 既存の発電主機・ボイラー・復水器には一切手を加えない（6-1条と整合）。

> **「発電を維持」ではなく「約520 kW分を熱に振り替える」が実態。** ただし熱／失電の比は約5.4：1であり、専用ボイラーを建てずにエタノール工程熱を丸ごと得られる点で十分に割が合う。失電520 kWの経済的評価は電力単価に依存するため、**導入時機は5-4・6-2を参照**（FIT終了後に成立する）。

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### 2-3. 熱収支（投入熱量基準・参照値）

3,550kWプラント・主蒸気6 MPa/450℃・ボイラー効率85%・タービン段効率0.78を前提とした概念値。**端数は給水・抽気凝縮水の戻り条件で変動する。**

**新設版 2A（抽気復水）**

| 項目 | 熱量 (kW) | 割合 |
|------|----------:|-----:|
| 投入熱量（3,550kW ÷ 発電効率20%） | 17,750 | 100% |
| 発電端出力 | 約3,920 | 22% |
| 抽気プロセス熱（P1 800＋P2 2,000） | 約2,800 | 16% |
| 復水器放熱 → 冷却塔 | 約8,000 | 45% |
| ボイラー排ガス・損失（一部リグニン乾燥に回収） | 約2,660 | 15% |

**改造版 2B（既存復水機＋let-downタービン）**

| 項目 | 熱量 (kW) | 割合 |
|------|----------:|-----:|
| 投入熱量 | 17,750 | 100% |
| 発電端出力（既存機2,376＋let-down652） | 約3,030 | 17% |
| let-downタービン排気 → エタノール工程熱 | 約2,800 | 16% |
| 既存復水器放熱 → 冷却塔 | 約8,300 | 47% |
| ボイラー排ガス・損失（一部リグニン乾燥に回収） | 約2,660 | 15% |

P1〜P2への熱量配分・let-downタービンの抽気量は、プラント仕様・各工程の熱需要に依存するため、実装段階でプラントメーカーにて確認が必要。

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## 3. 工程設計

### 3-1. 設計の基本思想

本システムの目的は **エタノール工程の熱を発電プラントの蒸気で自給する** ことにある。各工程に最適な専用設備を選定し、抽気（2A）またはlet-down排気（2B）の各圧力・温度帯を無駄なく割り当てる。「一つの汎用設備で全工程を賄う」のではなく、「各設備に最適な熱を届ける」ことが設計の核心。

発想の源泉は厨房機器（ロボクーボ等）のジャケット蒸気加熱・冷却構造と発酵食品工場の工程設計。

### 3-2. 工程別設備構成

| 工程 | 設備 | 熱源 |
|------|------|------|
| 前処理・水蒸気爆砕 | 水蒸気爆砕装置（専用圧力容器＋急速開放弁） | P1（高圧・160〜180℃） |
| 固液分離（木質系・爆砕後） | フィルタープレス等（独立設備） | P2補助（中圧・110〜120℃） |
| 酵素糖化・アルコール発酵（SSF） | ジャケット付き攪拌槽 | P2凝縮水の温水ループ（50〜55℃）→（30〜40℃）＋冷却水・チラー制御 |
| 圧搾（SSF後・全ライン） | プレス（スクリュープレス等） | 残渣乾燥は発電廃熱 |
| エタノール蒸留 | 蒸留塔 | P2（中圧・110〜120℃） |
| リグニン乾燥 | ロータリードライヤー（独立系統） | ボイラー排ガス（120〜150℃） |
| CaPPA再スラリー化・pH調整・CO₂炭酸化（草本系） | 炭酸化タンク（スラリー式・CO₂吹込み） | 常温・常圧（追加熱源不要） |

### 3-3. 工程フロー

```
■ 木質系ルート（本線・約70%）
原料投入（木質系：パレット廃材・間伐材等）
　↓ 異物除去・粉砕
【水蒸気爆砕装置】P1高圧蒸気 160〜180℃（0.62〜1.00 MPa）
　高温高圧加熱 → 急速圧力開放 → セルロース解繊・リグニン軟化
　↓
【固液分離（フィルタープレス等）】P2補助 110〜120℃
　├─ リグニン → ロータリードライヤー（ボイラー排ガス・含水率15%以下）→ ボイラー燃料
　└─ セルロース液 ─────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
■ 草本系ルート（サブライン・約30%）　　│
CaPPAペレット（産地でRT-CaCCO前処理＋高密度化済みを搬入）
　↓
【炭酸化タンク】常温・常圧（追加熱源不要）
　① 水で再スラリー化　② SSF発酵排ガス（CO₂ 95〜99%）を吹き込みpH調整
　　Ca(OH)₂ ＋ CO₂ → CaCO₃ ＋ H₂O（アルカリを中和しSSF適pHへ。CaCO₃はスラリー中に生成）
　↓ pH調整済みスラリー ───────────┤
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓（両ルート合流）
【ジャケット付き攪拌槽】SSF（同時糖化発酵）
　温水ループ 50〜55℃（P2凝縮水）で糖化開始 → 30〜40℃で発酵（発熱のため冷却主体）／72〜96時間
　└─ 発酵排ガス（CO₂ 95〜99%・ほぼ純CO₂）→ 炭酸化タンクへ戻す（pH調整に利用＝自己完結ループ）
　↓
【プレス（圧搾）】固液分離
　├─ 溶液（エタノール混じり）→【蒸留塔】P2 110〜120℃ → バイオエタノール（製品）
　└─ 残渣（搾りかす：リグニン＋CaCO₃＋稲わらシリカ＋発酵残渣）
　　　↓ 発電廃熱で乾燥
　　　【フェーズ1〜2】田畑へ還元（土壌pH改良・炭素・ケイ酸・カリウム補給）
　　　　　　　　　　　CaCO₃ 約613 t/年相当を残渣として含む（草本系30%基準）
　　　【フェーズ3】搾りかす専用炉へ（低温ガス化でリグニンを可燃ガス化→乾燥熱源、
　　　　　　　　　　水分離で可溶性シリカ〔ケイ酸〕を回収し地域内循環できるかを探る、CaCO₃は焼成でCaO自家再生
　　　　　　　　　　＝ライム循環／消石灰の購入不要化・4-7参照）

（余剰の発酵CO₂ 約1,110 t-CO₂/年は炭酸化に使い切れない分。ドライアイス・施設園芸CO₂施用へ／炭素固定効果なし）
```

### 3-4. 擬似連続化の設計

水蒸気爆砕はバッチ処理のため、複数台の爆砕装置を時間差で稼働させることでリグニン・セルロース液の連続供給を実現する。酵素糖化・発酵槽は装置サイズと台数で処理量を調整する。リグニンバッファーホッパーを介してボイラーへの供給を連続化する。

最低装置台数・装置サイズは各工程の処理時間試験後に確定する。

### 3-5. 技術的新規性

食品工場のジャケット加熱・蒸留操作・固液分離はいずれも公知技術である。本システムの新規性は以下の組み合わせにある：

1. 既存バイオマス発電プラントを **無改造** のまま、後付けの背圧let-downタービンで主蒸気を工程圧へ降圧発電し、その排気を蒸気ヘッダー・調節弁経由で各工程設備へ供給する設計（2B）
2. エタノール工程の必要熱（約2,800 kW）を **追加燃料ゼロ・専用ボイラー不要で100%自給** する構成（2A・2B共通）
3. ボイラー排ガス（リグニン乾燥）とタービン蒸気（前処理・糖化・発酵・蒸留）の役割分担による熱の使い分け
4. 草本系サブライン：搬入したCaPPAペレットを炭酸化タンクで水に再スラリー化し、SSF発酵排ガス（ほぼ純CO₂ 95〜99%）を吹き込んでpH調整（消石灰を中和しつつCaCO₃を生成）してからSSFへ投入する自己完結ループ（追加熱源不要）。CaCO₃は搾りかす残渣として田畑へ還元し（フェーズ1〜2）、フェーズ3では搾りかす専用炉でシリカ（ケイ酸）の回収・地域内循環の可能性を探りつつCaOの自家再生に回す（CaCO₃は炭素除去に計上せず、製品ないし循環キャリアとして扱う・4-7参照）

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## 4. 各工程の仕様

※以下の数値は現時点での設計概念値。プラントメーカーにより精査が必要。確定・仮置きの別を明示する。

### 4-1. 原料

| 項目 | 内容 | 確定状況 |
|------|------|---------|
| 主原料（本線・通年） | 木質系バイオマス（パレット廃材・間伐材等）。エタノールラインの**約70%** | 確定 |
| 副原料（常設サブライン） | 草本系バイオマス（稲わら・葦・麦わら）。エタノールラインの**約30%**（地域により変動）。RT-CaCCO＋CaPPA高密度ペレット備蓄で通年運転 | 実装 |
| セルロース含有率 | 木質系 40〜45% ／ 草本系（稲わら等）約35〜40%＋キシラン（CaCCOで併産糖化） | 参照値 |
| リグニン含有率 | 20〜28%（木質系） | 参照値 |
| 注意点 | 木質系は釘・金属異物の混入→異物除去設備が必須。草本系は季節収穫のためCaPPAで高密度ペレット化・備蓄し通年供給 | 確定 |

> **本線／サブラインの位置づけ**：本システムは木質系バイオマス火力発電プラントへの実装を前提とするため、**木質系を本線（通年）**とする。季節変動のある草本系（秋収穫の稲わら等）は**常設サブライン**とし、CaPPAプロセス（石灰前処理＋高density化ペレット備蓄）で通年運転する。**30%は設計上の基準値であり、実際の比率は地域の草本系賦存量・回収体制により変動する**。CaCO₃・炭酸化CO₂のアウトプットは、この草本系サブラインの規模に比例する（4-6・5-3）。

### 4-2. P1：前処理・水蒸気爆砕

| 項目 | 値 | 確定状況 |
|------|----|---------  |
| 設備 | 水蒸気爆砕装置（専用圧力容器＋急速開放弁） | 確定 |
| 熱源 | P1（高圧蒸気・抽気／let-down排気） | 確定 |
| 蒸気温度 | 160〜180℃ | 確定 |
| 蒸気圧力 | 0.62〜1.00 MPa（飽和蒸気圧） | 確定 |
| 処理時間 | 未定 | 要試験 |
| 目的 | セルロース解繊・ヘミセルロース分解・リグニン軟化 | 確定 |

**【常設サブライン（実装）：草本系バイオマス（稲わら・葦・麦わら）向け前処理 — RT-CaCCO法（農研機構）】**

木質系（水蒸気爆砕）を本線としつつ、これと並行する**常設サブライン（エタノールラインの約30%・地域により変動）**として、農研機構が開発したRT-CaCCO法（消石灰によるアルカリ前処理＋CO₂中和）で稲わら・麦わら・葦・エリアンサス等の草本系バイオマスを処理する。RT-CaCCO前処理は**常温**で行えるため高温高圧設備が不要で、本システムの炭酸化ループ（4-6）とも親和性が高い。主要条件は以下の通り。

| 項目 | 条件・値 | 確定状況／出典 |
|------|---------|---------------|
| 開発元 | 農研機構（食品研究部門）。CaCCO＝Calcium Capturing by Carbonation。RT版は常温の石灰前処理を導入した改良型（池ら, 2010） | 確定 |
| 対象原料 | 草本系（稲わら・麦わら・葦・エリアンサス・バガス等）。葦は高リグニンで前処理条件の強化が要りシリカ回収は限定的。道路刈り草は異物・組成ばらつき・重金属/塩/農薬汚染のため補助原料（要選別・要成分分析、汚染時は残渣の農地還元不可） | 確定（葦・刈り草は要実証） |
| 前処理剤 | 消石灰 Ca(OH)₂（水酸化カルシウム） | 確定 |
| 前処理温度 | 常温（室温）— RT-CaCCOの要点。硫酸・苛性ソーダや高温高圧前処理が不要 | 確定 |
| 消石灰添加量 | 乾物の約7.5〜10%（本仕様は7.5%）。草本系30%＝約6,044 t/年に対し**約453 t/年** | 参照値（要実証確認） |
| 中和 | CO₂吹込みで中和（Ca(OH)₂＋CO₂→CaCO₃）。空気・ボイラー排ガス・発酵CO₂を利用可 | 確定 |
| 固液分離 | **行わない**（易分解性糖＝澱粉・ショ糖も回収するため）→ 4-3の固液分離工程は草本系では省略 | 確定 |
| 工程形態 | 前処理→糖化→発酵をワンバッチで実施 | 確定 |
| 糖化酵素 | セルラーゼ（Trichoderma reesei 等）。CO₂加圧下での糖化が有効 | 確定 |
| 発酵 | グルコース＋キシロースの並行複発酵（Kluyveromyces marxianus＋Pichia stipitis 等） | 確定 |
| エタノール収率 | 理論収率（グルコース＋キシロース基準）の約75.3% | 農研機構2009成果 |
| 実用目安 | 乾燥稲わら 約4 kg → エタノール 約1 L（≒250 L/t-dry）／水田1 ha（稲わら約4 t）→ 約1,000 L | 農研機構 |
| 残渣の扱い | 蒸留残渣を燃焼→灰分として回収→熱処理で酸化カルシウム（CaO）として再生可能 | 確定 |

> **草本系ルートが木質系と異なる点（設計上の含意）**
> 1. **固液分離（4-3）を省略**：CaCCOは固液分離を行わないワンバッチ法。リグニンは前段で分離せず、蒸留残渣として後段で燃焼・回収する（木質系は前段でリグニンを分離してボイラーへ）。
> 2. **前処理が常温＝蒸気熱はほぼ不要**：RT-CaCCO前処理は室温のため、木質系のP1（160〜180℃・水蒸気爆砕）に相当する高温蒸気が不要。草本系ルートの工程熱需要は木質系より小さくなる（蒸気は主に糖化の保温と蒸留に使用）。
> 3. **Ca循環**：CaCO₃残渣はCaOへ再生可能で、4-6の炭酸化ループ（発酵CO₂でCa(OH)₂を炭酸化）と整合する。炭素固定（CaCO₃農地還元）を主目的とする場合は、再生せず農地へ還元する選択もある。
>
> **（2025年の最新動向）** 農研機構・足立石灰工業は、稲わらを石灰処理後に高密度化する **CaPPAプロセス** を発表（2025年）。見かけ密度を0.1→0.23 g/cm³に高めつつ糖化性も向上（グルコース遊離2.6倍・キシロース遊離9.1倍）、輸送・貯蔵性に優れた「直接糖化可能ペレット」として地域分散型供給に適する。草本系原料の調達・備蓄手段として併用を検討する価値がある。
>
> **分散前処理・中央集約のアーキテクチャ**：CaPPAは前処理と高密度ペレット化が一体のため、稲わらを収集拠点（カントリーエレベーター等）で「前処理済み・直接糖化可能ペレット」に加工してから搬送できる。見かけ密度が約2.3倍（0.1→0.23 g/cm³）になり穀物同様にバルク搬送設備で扱えるうえ、**前処理を経ても搬送性は落ちない（前処理＝高密度化そのもの）**。消石灰（乾物の約7.5%）はペレットに練り込まれて運ばれ、中央プラントで発酵CO₂と反応してCaCO₃になる原料となる（死荷重ではない）。**SSF・蒸留・脱水は規模の経済と安全・許認可の観点から中央プラント（発電所）に集約**し、収集拠点側には**バイオ炭製造・原料乾燥・CaPPAペレット化を分散配置**する。バイオ炭熱分解の廃熱は、収穫期の穀物乾燥燃料（灯油・LPG）の置換やCaPPAペレット乾燥に活用できる（低温熱需要のため温度的に十分）。
>
> **出典**：農研機構「稲わら原料特性に対応したバイオエタノール製造のための前処理技術 CaCCO法」（2009年成果情報）／池正和ら「RT-CaCCO process」（2010）／農研機構・足立石灰工業「CaPPAプロセス」プレスリリース（2025年）

### 4-3. P2：固液分離

| 項目 | 値 | 確定状況 |
|------|----|---------  |
| 設備 | フィルタープレス等（独立設備） | 確定 |
| 熱源 | P2（中圧蒸気）補助 | 確定 |
| 蒸気温度 | 110〜120℃ | 確定 |
| 蒸気圧力 | 0.15〜0.20 MPa（飽和蒸気圧） | 確定 |
| 目的 | リグニン排出・セルロース液の分離 | 確定 |

固液分離は機械的操作が主体。蒸気は粘度低減・温度維持のための補助熱源として利用する。なお本工程（爆砕後の固液分離）は**木質系ルート**のものである。草本系（CaPPA）ルートは上流で固液分離せず、炭酸化タンクでpH調整したスラリーをそのままSSFに通し、**SSF後のプレス（圧搾）で溶液（→蒸留）と残渣（→乾燥・田畑／フェーズ3は搾りかす炉）に分離**する（3-3参照）。

### 4-4. P3+P4：SSF（同時糖化発酵）

| 項目 | 値 | 確定状況 |
|------|----|---------  |
| 設備 | ジャケット付き攪拌槽 | 確定 |
| 方式 | SSF（Simultaneous Saccharification and Fermentation：同時糖化発酵） | 確定 |
| 糖化温度 | 50〜55℃（P2凝縮水の温水ループ） | 確定 |
| 発酵温度 | 30〜40℃（温水ループ＋冷却水・チラー制御） | 確定 |
| 温度推移 | 糖化（50〜55℃）開始 → 冷却水で段階的に降温 → 発酵（30〜40℃）へ移行 | 確定 |
| 冷却 | 発酵は発熱反応のため冷却が主役。夏期は冷却塔水で接近温度が不足する場合があり、チラー併用を要検討 | 要設計 |
| 攪拌 | 必要（酵素・酵母・基質の接触効率向上・均一化） | 確定 |
| 使用酵素 | セルラーゼ系（Novozymes等の市販品が利用可能） | 商業品として入手可能 |
| 使用酵母 | サッカロマイセス・セレビシエ等（市販品が利用可能） | 商業品として入手可能 |
| 処理時間 | 72〜96時間（参照値） | 要試験 |
| 目的 | セルロース→グルコース→エタノールへの一槽変換 | 確定 |

SSF方式により糖化と発酵を同一槽で行う。糖化で生成したグルコースを酵母がその場で発酵するためグルコース蓄積による酵素阻害が起きにくく、工程を分けるより処理時間を短縮できる。ジャケット温水加熱・冷却水制御・攪拌の三機能が本工程のために必要な設備要件であり、本システムがジャケット付き攪拌槽を採用する核心理由となる。

> **v1.0からの修正点**：糖化・発酵帯（30〜55℃）は蒸気を直接吹き込まず、**P2凝縮水を一次側とした温水ループ＋冷却水**で温度制御する。低圧蒸気を直接ジャケットに入れると、降圧時に過熱蒸気となり狙った温度が出せないため。

酵素コストが現時点での商用化最大のボトルネック。5-4節の収益試算で用いる酵素コスト20〜40円/Lは公開取引価格に基づく値ではなく代表的レンジとして置いた仮定値であり、酵素メーカーとの個別見積（添加量・酵素リサイクル技術の有無で大きく変動）による実態確認が実証フェーズ最優先の検証項目となる。なおNEDO「セルロース系エタノール革新的生産システム開発事業」（2009〜2013年度）のベンチプラント実証では、ネピアグラス（高収量草本系作物）を原料に酵素コスト10円/Lの目処を得た実績がある。本仕様書の仮定（20〜40円/L）はこれより保守的だが、原料（ネピアグラス対稲藁・木質廃材）・規模（ベンチ対商用）・年代（10年超前の技術）が異なるため、直接の裏付けにはならない。

### 4-5. エタノール蒸留

| 項目 | 値 | 確定状況 |
|------|----|---------  |
| 設備 | 蒸留塔 | 確定 |
| 熱源 | P2（中圧蒸気）110〜120℃ | 確定 |
| エタノール沸点 | 78℃ | 確定 |
| 追加燃料 | 不要（タービン蒸気活用） | 確定 |
| 留意点 | 塔底（ほぼ水・約100℃）の沸騰に伝熱温度差が必要なため熱源は110℃以上。バイオプラ原料に無水化する場合はモレキュラーシーブ等の脱水工程を別途要する | 要設計 |

### 4-6. CO₂炭酸化・CaCO₃回収（草本系サブライン）

| 項目 | 値 | 確定状況 |
|------|----|---------  |
| 設備 | 炭酸化タンク（Ca(OH)₂スラリー式） | 確定 |
| 反応式 | Ca(OH)₂ + CO₂ → CaCO₃ + H₂O | 確定（既知反応） |
| 反応条件 | 常温・常圧（追加熱源・加圧設備不要） | 確定 |
| CO₂供給源 | SSF発酵排ガス（95〜99%純CO₂） | 確定 |
| 発酵CO₂発生量（全ライン） | 約1,380 t-CO₂/年（エタノール1,444t × 0.957・木質＋草本） | 参照値 |
| Ca(OH)₂消費量（草本系30%） | 約453 t/年（草本系6,044 t/年の7.5%・RT-CaCCO由来） | 参照値 |
| 炭酸化で捕捉するCO₂ | 約270 t-CO₂/年（Ca(OH)₂全量を炭酸化・生物起源） | 参照値 |
| 余剰CO₂ | 約1,110 t-CO₂/年 | ドライアイス・施設園芸CO₂施用の転用候補。炭素固定効果なし（光合成後に大気へ）。固定量に算入しない |
| CaCO₃生成量 | 約613 t/年 | 農地還元（土壌pH改良材・採掘石灰石の代替）＝確定的な製品 |
| CaCO₃中のCO₂（鉱物化・粗） | 約270 t-CO₂/年 | **炭素除去には計上しない**（製品／循環キャリア・4-7）。参照値 |

SSF発酵工程の排ガスはほぼ純CO₂（95〜99%）であり、DACのように大気中420 ppmから濃縮する必要がない。**炭酸化タンクは草本系サブラインの入口を兼ねる**：搬入したCaPPAペレットを水で再スラリー化し、この発酵CO₂を吹き込んで消石灰（Ca(OH)₂）を中和（Ca(OH)₂＋CO₂→CaCO₃）することで、アルカリ性スラリーをSSF適pHへ調整してから投入する。生成したCaCO₃はスラリー中に含まれたままSSFを通り、圧搾後の残渣（搾りかす）として回収される。このCaCO₃は炭素除去には計上せず、製品（採掘石灰石の代替）ないし再生ループの循環キャリアとして扱う（4-7・下記注意）。

> **整合上の注意（ルート）**：炭酸化ループはRT-CaCCO（草本系）で消費したCa(OH)₂を前提とする。木質系（水蒸気爆砕）にはCa(OH)₂が無いため、CaCO₃・炭酸化CO₂は**草本系サブラインの規模に比例**する（上表は草本系30%の値。シェアが変われば概ね線形に増減）。
>
> **重要な注意（ライムのLCAと「固定」の意味）**：炭酸化で捕捉する約270 t-CO₂は発酵由来＝バイオ起源であり、これを鉱物化すること自体は生物起源炭素の永続化に当たる。ただし、消石灰Ca(OH)₂を新たに石灰石の焼成（CaCO₃→CaO＋CO₂）で製造すると、その焼成時に放出される地質由来CO₂が捕捉量とほぼ同量になるため、**新規焼成ライムを使う限り正味の除去（removal）はほぼ相殺されてゼロに近い**（窯の燃料分でむしろ正味プラスになりうる）。正味除去として主張するには (a) 低炭素・回収・廃アルカリ由来のCa源を使う、(b) 焼成時CO₂を回収する、のいずれかが必要。一方、**CaCO₃そのものは採掘石灰石を代替する確定的な「製品」**（土壌pH改良材・収益・カルシウム循環）であり、この価値はライムLCAに関わらず成立する。以上より本仕様はCaCO₃を炭素除去に計上せず、製品ないし再生ループの循環キャリア（4-7）として扱う。

**質量収支：**

```
発酵CO₂発生量（1,380 t・全ライン）＞ 炭酸化で捕捉（270 t・草本系30%）→ 余剰 約1,110 t-CO₂/年
余剰分：ドライアイス製造・施設園芸CO₂施用への転用候補（炭素固定効果なし）
生成CaCO₃：約613 t/年 → 圧搾後の残渣に含めて回収。フェーズ1〜2は田畑へ還元（土壌pH改良材・採掘石灰石の代替）、フェーズ3は搾りかす炉でシリカ（ケイ酸）回収の可能性を探りつつCaO自家再生に回す（炭素除去には計上しない・4-7）
地中貯留：理論上可能だが余剰CO₂（約1,110t）規模では圧縮・注入設備の固定費が不釣り合い
　　　　　規模拡大（フェーズ3以降）で改めて検討
```

### 4-7. 補足：ライム（石灰）とは——3態変換と再生ループ

本仕様で頻出する「消石灰」「炭酸化」「ライムのLCA」を補足する。**ライム（lime）＝石灰＝カルシウム化合物の総称**であり、本システムは次の3態を用途に応じて使い分ける。

| 呼び名 | 化学式 | 役割 |
|--------|--------|------|
| 生石灰 | CaO | 焼成で再生される中間体。水を加えると消石灰になる |
| 消石灰 | Ca(OH)₂ | RT-CaCCOのアルカリ前処理剤（草本系をほぐす）。強アルカリ |
| 石灰石／炭酸カルシウム | CaCO₃ | 炭酸化で生成する製品・キャリア。採掘石灰石の代替 |

3態は焼成・消化・炭酸化で相互変換する：

```
CaCO₃ ──[約900℃で焼成]──→ CaO ＋ CO₂↑
CaO  ──[加水・消化]──→ Ca(OH)₂
Ca(OH)₂ ──[CO₂吹込み・炭酸化]──→ CaCO₃ ＋ H₂O
```

**ライムのLCA**：消石灰を新規に石灰石焼成で製造すると、焼成時に地質由来CO₂を放出する（CaCO₃→CaO＋CO₂）。このため新規焼成ライムを使う限り、炭酸化で捕捉するCO₂と製造時の放出CO₂がほぼ相殺し、正味除去はゼロ近辺になる。4-6でCaCO₃の正味除去を「低炭素ライム使用時のみ」と条件付けているのはこのためである。

**再生ループ（フェーズ3・完成形）**：完成形では、収集拠点（カントリーエレベーター）でバイオ炭製造の熱分解ガスを**二次燃焼**させて約900〜1000℃の高温をつくり、中央プラントから返送されたCaCO₃を焼成してCaOを自家再生する（水を加えて消石灰に戻し、CaPPAの前処理剤として再投入）。これにより新規焼成ライムの購入が不要になり、上記のLCA問題が構造的に解消する。カルシウムは CaO⇄Ca(OH)₂⇄CaCO₃ で閉じて循環し、焼成後の加水（消化）は低下した反応性を回復する水和再活性化を兼ねる（焼結・不純物蓄積のため、実際は大半再生＋少量の補給・パージ）。炭酸化で捕捉した発酵CO₂は焼成で再放出されるが、バイオ起源＝炭素中立のため、この経路のCaCO₃は炭素固定物ではなく**CO₂・pHの循環媒体**となる。焼成で出るCO₂を回収すれば炭酸化・SSF中和に再利用でき、CO₂側も閉じられる。　熱収支の見立てでは、焼成に要る熱（CaCO₃ 約5〜6 GJ/t・草本系30%で約613 t/年→概算3,000〜3,700 GJ/年）に対し、もみ殻1万t級のバイオ炭ライン由来の熱分解ガス（年間数万GJオーダー）は、炭化の自己消費と乾燥分を差し引いても桁として足りる見込み。ただし①炭化自己消費控除後の余剰ガス、②二次燃焼での約900℃確保、③ガス発生（収穫期集中）と焼成需要（通年）の季節ズレの備蓄吸収、が条件で、拠点ごとに実数で要試算。

**カルシウムの二股利用**：Caは (a) 再生ループで回す本流（購入ライム不要）と、(b) 劣化パージ分・余剰を製品として外部に出す分に分ける。(b) は精製度に応じて土壌改良材・セメント／地盤改良材・製紙／プラスチックのフィラー（自社バイオプラへの自家消費を含む）等。会計上は (a) は循環キャリア（会計外）、(b) は採掘石灰石の代替（素材代替の便益）として整理する。再生ループの炉設計・シリカ分離・到達純度は要実証（温度窓550〜800℃でのシリカ非晶質保持・ケイ酸カルシウム固着回避・シリカ溶出にはアルカリが要る点が核心）。

**スケール時の展望（横展開・余剰Ca）**：横展開で規模が積み上がった場合、二股(b)の余剰Caは2層で用途が広がる。**製品層（近い出口・現実性高）**＝貝・水産用カルシウム、養殖池の水質・底質改良（CaO／消石灰）、フィラー・製紙・セメント・土壌改良。**研究的展望層（長期）**＝海洋アルカリ度強化（OAE）による海洋酸性化緩和・CO₂除去。ただしOAE等の海洋投入はロンドン議定書等の国際規制対象であり、表層では炭カルが溶けないため深海投入や溶解性CaO化を要し、CaO化の焼成CO₂を回収しなければ正味除去は相殺される。よって研究的展望は主用途ではなく長期研究テーマとし、近い出口は製品層（水産・養殖場水質、フィラー・土壌改良）を優先する。

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## 5. アウトプットと物質収支

### 5-1. 分流設計（3,550kWプラント・140t/日参照）

発電出力を維持しながらエタノール製造を行うには、原料の一部をエタノールラインに分流し、リグニン残渣をボイラーへ還流させる設計が必要。

```
原料 140t/日
　├ エタノールライン：約60〜70t/日（43〜50%）
　│    ↓ 糖化・発酵・蒸留
　│    └ リグニン排出：約15〜18t/日 → ボイラーへ
　└ 直接燃焼ライン：約70〜80t/日 → ボイラーへ
　　ボイラー燃料合計：約85〜98t/日
　　→ 発電を維持（実装段階で燃料LHV・含水率に基づき要検証）
```

最適分流比率（43〜50%のどこが最も採算が良いか）は詳細試算が必要。**なお、原料を分流しても発電プラントの所要燃料を満たせるか（85〜98t/日で投入熱量17,750kW相当を確保できるか）は、燃料の低位発熱量・含水率に依存するため要検証。**

### 5-2. エタノール生産量の試算

| 項目 | 値 | 備考 |
|------|----|----- |
| 糖化対象セルロース | 約29.25t/日 | 65t × 45% |
| 実効収率 | 約72% | 糖化率80% × 発酵転換率90% |
| エタノール収率 | 280L/t-dry | 日鉄エンジニアリング実証値（2019年）|
| エタノール生産量 | 約5.9kL/日 | — |
| 年間生産量 | 約1,830kL | 310日稼働 |

> **要精査**：280L/t-dryは通常「乾燥バイオマス1トンあたり」の実証収率であり、糖化・発酵ロスを織り込んだ実効値である可能性が高い。これをセルロース質量に適用し、さらに実効収率72%を重ねると効率を二重計上する恐れがある。収率の基準（乾燥原料あたりかセルロースあたりか）を確定し、生産量を引き直すこと。

### 5-3. 主要アウトプット

本システムのアウトプットは単なるエネルギー回収ではなく、炭素を製品として固定することを主眼とする。バイオエタノールをバイオプラスチック原料とすることで、大気中のCO₂を長期間製品中に封じ込める炭素固定の経済的実装を目指す。

| アウトプット | 用途 | 参照値 |
|------------|------|------|
| バイオエタノール | バイオプラスチック原料（Revolefin™等） | 年間約1,830kL |
| リグニン素材 | ボイラー燃料（即時）→ 将来的に素材化 | — |
| CaCO₃（炭酸カルシウム） | 圧搾残渣に含めて回収→農地還元（土壌pH改良材・採掘石灰石の代替）＝製品／再生ループの循環キャリア（炭素除去には計上しない） | 約613 t/年 |
| 余剰CO₂ | ドライアイス製造・CO₂施用（施設園芸・収量向上）。炭素固定効果なし | 約1,110 t-CO₂/年 |
| （参考）CaCO₃中のCO₂ | 生物起源CO₂の鉱物化分。**炭素除去には計上しない**（製品／循環キャリア・4-6/4-7参照） | 約270 t-CO₂/年 |
| 可溶性シリカ（ケイ酸・フェーズ3） | 搾りかす炉で回収し、水稲のケイ酸資材として地域内循環（購入代替）できるかを探る | 要実証（可能性検証） |

### 5-4. 収益試算（3,550kWプラント参照）

エタノール併産の純便益は、**得られるエタノール収益から、改造版（2B）で減少する売電収益を差し引いて**評価する必要がある。

**エタノール側（2A・2B共通）**

| 項目 | 金額（万円/年） | 備考 |
|------|--------------|------|
| エタノール売却収益 | 約16,470 | 90円/L × 1,830kL |
| 酵素コスト（低位） | ▲3,660 | 20円/L × 1,830kL |
| 酵素コスト（高位） | ▲7,320 | 40円/L × 1,830kL |
| エタノール純増（低位） | 約12,810 | 工程熱コストゼロ前提 |
| エタノール純増（高位） | 約9,150 | 工程熱コストゼロ前提 |

**売電側の影響（改造版 2B：発電 ▲約520 kW＝年間約3.9 GWh）**

| 電力単価の前提 | 失う売電収益（万円/年） | エタノール併産の純便益 |
|--------------|--------------------:|---------------------|
| FIT期間中（約24円/kWh） | 約▲9,285 | ほぼ相殺（▲135〜+3,525） |
| FIT終了後・卸（約12円/kWh） | 約▲4,643 | 約 +4,508〜+8,168 のプラス |

→ **改造版（2B）は、FIT終了後（または卒FIT移行時）にこそ経済的に成立する。** FIT期間中は失う売電収益が重く、併産メリットが相殺されやすい。

**売電側の影響（新設版 2A：抽気復水タービン）**

新設プラントでは、比較の基準が「同じ燃料で発電に全振りした電力専用機（純復水 約4,440 kW）」になる。エタノールを併産すると発電は約3,920 kW。すなわち **併産の機会費用（失電）は ▲約520 kW で 2B と同じ**であり、エタノール純増（9,150〜12,810万円）も同じである。2A の違いは、発電量の絶対水準が高く、最初から併産最適化で設計できる点にある。「改造前基準」が無いだけで、エタノールを取るか電力を取るかのトレードオフ自体は 2B と同様に存在する。

失電（電力専用機との差・▲約520 kW＝年間約3.9 GWh）は次の通り。

| 電力単価の前提 | 失う売電収益（万円/年） |
|--------------|--------------------:|
| FIT/FIP中（約24円/kWh） | 約▲9,285 |
| FIT終了後・卸（約12円/kWh） | 約▲4,643 |

総収益（粗利・capex除く）を電力専用機と比較すると：

| 電力単価の前提 | ① 電力専用（4,440 kW） | ② エタノール併産（3,920 kW＋エタノール純増） | 併産②の優位（②−①） |
|--------------|----------------------:|------------------------------------:|--------------------:|
| FIT/FIP中（約24円/kWh） | 約79,281万円（7.93億） | 約79,146〜82,806万円（7.91〜8.28億） | ▲135〜+3,525万円（ほぼ拮抗） |
| FIT終了後・卸（約12円/kWh） | 約39,640万円（3.96億） | 約44,148〜47,808万円（4.41〜4.78億） | +4,508〜+8,168万円（明確に優位） |

→ **新設版（2A）も経済ロジックは 2B と同じ**：売電単価が高い（FIT/FIP中）ほど失電520 kWの逸失が重く、エタノール併産はほぼ拮抗する。電力が安価（卒FIT・卸・市場）になるほど併産が明確に優位になる。**近年の新設バイオマスは FIP・市場売電（＝低めの電力単価）が基本**のため、2A はむしろ最初から「併産前提で設計する」ことが合理的である。

*前提：稼働7,440 h/年（310日稼働）、エタノール1,830 kL・90円/L、酵素20〜40円/L、電力単価24円／12円は代表値（実際のFIT・FIP・卸価格で変動）。設備投資・酵素リサイクルコストは別途試算が必要。なお酵素コスト20〜40円/Lは公開価格に基づかない仮定レンジであり、本試算における唯一最大の未検証変数である（4-4節参照）。工程熱コストはゼロ前提（カスケード設計により追加燃料を要しないため）であり、酵素コストとは別の変数として扱っている。特に新設版 2A は発電プラント本体を含む全設備のcapexを要する（改造版 2B は既存機への let-downタービン＋工程設備の付設のみ）ため、2A の投資回収可否はこの粗利だけでは判断できない。*

> **設計ガイドライン（草本系シェアと電力単価）**：エタノール併産の最適シェアは「電力単価」と「capexの重さ」で決まる。原則として、**電力単価が低く、capexが既に重いほど、エタノールを大きく取る（草本系シェアを上げる）方が有利**。
>
> - **改造（2B）＝草本系サブライン（30%・据置）が合理的**：capexが軽いのが最大の武器。総量を増やすと下流設備・蒸留塔・P2タービンの増設でその軽さを失う。卒FIT後の低単価局面でエタノールが効く。本仕様の主筋。
> - **新設（2A）＝1:1まで拡大可（参考）**：どのみちプラント本体のcapexが重く、近年の新設は **FIP・市場売電（低めの単価）が前提** のため、エタノールを大きく取る方が単位採算で有利。草本系を木質系と同量（約20,147 t/年）まで上げる「1:1」では、エタノール総量が倍増し、CaCO₃は約2,041 t/年級（30%基準=約613 t/年の約3.3倍）に増える一方、下流設備・P2抽気/let-down容量の増設と失電増を伴う。新設は他地域展開・大規模化向けの参考構成。

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## 6. 既存プラントへの適用（改造版 2B）

### 6-1. 追加設備の想定

既存の発電主機（復水タービン）・ボイラー・復水器には手を加えない。追加する設備：

- **背圧let-downタービン発電機（1.0 MPa抽気付き・0.2 MPa排気）** ← 2Bの中核。主蒸気スリップを発電しながら工程圧へ降圧
- 蒸気ヘッダーからの分岐配管・調節弁（コントロールバルブ）
- 水蒸気爆砕装置（専用圧力容器・急速開放弁）
- フィルタープレス等（固液分離）
- ジャケット付き攪拌槽（酵素糖化・発酵）＋温水ループ・冷却水／チラー設備
- 蒸留塔（必要に応じ無水化用の脱水工程）
- ロータリードライヤー（リグニン乾燥・排ガス熱風活用）
- リグニンバッファーホッパー
- 異物除去装置（磁選機・渦電流選別機）
- 炭酸化タンク（Ca(OH)₂スラリー式・CO₂吹き込み配管）

> 新設版（2A）の場合は、上記のうちlet-downタービンに代えて **抽気復水タービンを主機として設計** する。

### 6-2. FIT終了後の転用シナリオ（導入時機）

FIT期間終了が近づく発電所にとって、バイオエタノール製造ラインの付設は新たな収益源となる。**導入時機はFIT終了後（または卒FIT移行時）を基本**とする。これは、改造版（2B）が発電を約520 kW減らすため、その電力の売電単価が高いFIT期間中は併産メリットが相殺されやすく、電力が安価になる卒FIT後にエタノール収益が明確に上回るためである（5-4参照）。発電事業を継続しながらエタノール製造を行う複合運用が基本形。

### 6-3. 規制対応

エタノール製造には以下の許認可対応が必要。

| 規制 | 所管 | 対応時期 |
|------|------|---------|
| 燃料用アルコール製造免許（酒税法） | 税務署 | 事業開始前 |
| FIT認定への影響確認 | 経済産業省 | 設計段階 |
| 大気汚染防止法（VOC排出） | 環境省 | 設備設計段階 |
| 電気事業法（let-downタービン発電機の追加） | 経済産業省 | 設備設計段階 |

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## 7. 概念図

添付（いずれも CC BY-SA 4.0）：
- `biomass-cascade-concept-v2a.svg`（新設版 2A：抽気復水タービンを主役にした図）
- `biomass-cascade-concept-v2b.svg`（改造版 2B：既存復水機＋後付けlet-downタービンを主役にした図）

2トラック構成（2A抽気復水／2B既存復水機＋let-downタービン）、2圧力帯（P1/P2）＋温水ループ、各蒸気ラインのCV（調節弁）・温度・圧力、廃熱カスケード利用、SSF発酵CO₂炭酸化ループ、CaCO₃農地還元（製品・採掘石灰石の代替）、余剰CO₂の転用先を視覚化。

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## 8. 実装パートナーを求めています

この仕様書はCC BY-SA 4.0で公開するオープンな設計概念です。誰でも自由に実装できます。

実装を検討するメーカー・事業者に特に取り組んでいただきたい領域：

- **背圧let-downタービン発電機の選定・既存主蒸気系への後付け設計（2B）**
- 各工程設備（水蒸気爆砕装置・フィルタープレス・攪拌槽・蒸留塔）の既存プラントへの適用設計
- 蒸気ヘッダー・調節弁システムの設計と施工
- SSF温水ループ・冷却（チラー要否）の設計
- 各工程の温度・圧力・処理時間の最適化試験／エタノール収率の基準確定（5-2）
- 分流比率の最適解詳細試算・燃料収支の検証（5-1）
- 炭酸化タンクの設計と施工（Ca(OH)₂スラリー循環・CO₂吹き込み・CaCO₃回収）
- 余剰CO₂の液化・貯蔵・出荷設備の設計

問い合わせはこちら：info@librefoodsystem.org

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*本仕様書はCC BY-SA 4.0ライセンスのもとで公開します。出典を明記すれば自由に使用・改変・再配布できます。改変した場合は同一ライセンスで公開してください。*

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**参照資料**
- 日鉄エンジニアリング セルロースエタノール実証試験（2019年完了）：エタノール収率 280L/t-dry
- 農研機構 RT-CaCCO法（草本系バイオマス向けアルカリ前処理技術）

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**前提条件の注記（v3.0試算）**
本仕様書v3.0の発電・熱収支は、主蒸気6 MPa/450℃・ボイラー効率85%・タービン段効率0.78・復水器0.008 MPa（41℃）を想定した設計概念値である。実機の主蒸気条件・タービン効率は施設ごとに異なるため、すべての数値は実装メーカーによる精査前の「参照値」とする。
