# 琵琶湖システム2.0
## 〜都道府県規模・循環型社会モデルの設計図（Libre Food System — Shiga Model）〜
**買い手・売り手・世間・地球・未来の五方よし**

*v3.0（CaPPAプロセス版・2026年7月）*

**v2.0→v3.0の主な変更**：草本系前処理を **CaPPAプロセス**（石灰前処理＋高密度ペレット化）に更新し、稲藁を収集拠点でペレット化して中央へ搬送する **分散前処理・中央集約** アーキテクチャを採用。工程フローを **炭酸化タンクでの再スラリー化＋発酵CO₂によるpH調整 → SSF → プレス圧搾 → 残渣** に再構成。**バイオ炭熱分解ガスの二次燃焼でライム（消石灰）を自家再生** し、ライムのLCA問題を構造的に解消。これに伴い **CaCO₃を炭素除去から外し、製品／循環キャリアとして整理**。フェーズ3で **シリカ（ケイ酸）の地域内循環の可能性**（搾りかす炉での回収を探る）を追加。付録Q（ライム）・付録R（地熱）を増補。**熱・タービン設計（2A抽気復水／2B改造）はv2.0から不変**。

*（前版 v2.0改訂版 2026年6月：廃熱設計〔抽気復水／後付けlet-downタービン〕・CO₂会計〔除去と排出回避の分離〕・政策提言の緩和策/適応策二正面化・三社LLP等の外部事実確認）*

**提案者：村方　純（滋賀県在住・洋菓子店経営）**
**専門：機械工学（熱エネルギーシステム・LCA）**
**提案日：2026年5月**
**アーキテクチャ：Libre Food System（LFS）— Shiga Model（滋賀県版リファレンス実装）**
**プロジェクトサイト：https://librefoodsystem.org**

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## 目次

- [はじめに——起点となる思い](#はじめに起点となる思い)
- [第1章　なぜ今か——危機の現状](#第1章なぜ今か危機の現状)
  - [1-1　温暖化は既に臨界点を超えつつある](#1-1温暖化は既に臨界点を超えつつある)
  - [1-2　次の危機が迫っている](#1-2次の危機が迫っている)
  - [1-3　日米政府間合意と四重リスク](#1-3日米政府間合意と四重リスク)
  - [1-4　都道府県規模マイクログリッドという構想](#1-4都道府県規模マイクログリッドという構想)
- [第2章　琵琶湖システム2.0の全体像](#第2章琵琶湖システム20の全体像)
  - [2-0　本提案の位置づけ](#2-0本提案の位置づけアーキテクチャと参照実装)
  - [2-1　既存の文脈を継承・発展させる](#2-1既存の文脈を継承発展させる)
  - [2-2　三段階技術戦略](#2-2三段階技術戦略バイオ炭先行エタノール実証並行商用化)
  - [2-3　統合物質・エネルギーフロー](#2-3統合物質エネルギーフロー)
  - [2-4　稼働率の平準化](#2-4稼働率の平準化)
  - [2-5　野焼き代替とバイオ炭製造プラントの統合](#2-5野焼き代替とバイオ炭製造プラントの統合)
  - [2-6　炭素循環型食糧生産システムへの拡張](#2-6炭素循環型食糧生産システムへの拡張)
- [第3章　経済性と優位性](#第3章経済性と優位性)
  - [3-1　収益の多層構造](#3-1収益の多層構造)
  - [3-2　FIT依存からの脱却](#3-2fit依存からの脱却)
  - [3-3　廃熱活用によるコスト優位](#3-3廃熱活用によるコスト優位)
  - [3-4　CO2固定・排出回避ポテンシャルと比較優位](#3-4co2固定排出回避ポテンシャルと比較優位)
- [第4章　政策提言：緩和策と適応策の二正面支援制度](#第4章政策提言緩和策と適応策の二正面支援制度)
  - [4-1　緩和策：DAC相当CO2固定支援制度](#4-1緩和策dac相当co2固定支援制度)
  - [4-2　適応策：県域自給インフラとしての位置づけ](#4-2適応策県域自給インフラとしての位置づけ)
  - [4-3　関連制度との接続](#4-3関連制度との接続)
- [第5章　推進体制](#第5章推進体制)
  - [5-1　コンソーシアム構成](#5-1コンソーシアム構成)
  - [5-2　各ステークホルダーへの訴求ポイント](#5-2各ステークホルダーへの訴求ポイント)
  - [5-3　デンマークモデルとの比較と日本型移行戦略](#5-3デンマークモデルとの比較と日本型移行戦略)
- [第6章　法規制対応ロードマップ](#第6章法規制対応ロードマップ)
- [第7章　フェーズ別ロードマップ](#第7章フェーズ別ロードマップ)
- [第8章　まとめ——五方よし（三方よしの現代版）](#第8章まとめ五方よし三方よしの現代版)
- [付録J　廃熱カスケード利用の熱収支設計](#付録j廃熱カスケード利用の熱収支設計nedo実証フィールド向け)
- [付録K　CO2固定手段のスケール感——排出回避が最優先である数値的根拠](#付録kco2固定手段のスケール感排出回避が最優先である数値的根拠)
- [付録L　主要CO2固定・排出回避技術の比較と本提案の位置づけ](#付録l主要co2固定排出回避技術の比較と本提案の位置づけ)
- [付録M　大気エネルギーの変化——温度計に見えない気候変動の本質](#付録m大気エネルギーの変化温度計に見えない気候変動の本質)
- [付録N　溶融塩炉（MSR）——使用済み核燃料を資源に変える次世代炉](#付録n溶融塩炉msr使用済み核燃料を資源に変える次世代炉)
- [付録O　堆肥需給バランス試算——滋賀県の畜産堆肥は農地面積を十分に賄える](#付録o堆肥需給バランス試算滋賀県の畜産堆肥は農地面積を十分に賄える)
- [付録P　バイオプラスチック需給バランス試算——農業資材・食品パッケージへの充足率](#付録pバイオプラスチック需給バランス試算農業資材食品パッケージへの充足率)
- [付録Q　ライム（石灰）とは——カルシウムの3態変換と再生ループ](#付録qライム石灰とはカルシウムの3態変換と再生ループ)
- [付録R　地熱発電——純国産ベースロードのポテンシャルと日本の技術的優位](#付録r地熱発電純国産ベースロードのポテンシャルと日本の技術的優位)

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## はじめに——起点となる思い

環境への関心の原点は、滋賀の小学生なら誰もが経験する環境学習船「うみのこ」と、中学時代の環境教育にあります。琵琶湖という身近な自然が、環境問題を自分ごととして考える出発点になりました。高専・大学では機械工学を専攻し、伝熱・熱エネルギーシステム・LCA（ライフサイクルアセスメント）を学びました。気候変動問題の核心が炭素サイクルにあると分かるほどに強くなっていったのが「食を中心に経済活動の炭素サイクルを最適化したい」という思いです。

その思いを実現する手段として選んだのがパティシエという職業でした。食への危機感を伝えやすい媒体であること、農業大国フランスへの渡仏がしやすいこと、6次産業化・地方創生への接続があること、そして炭素サイクルの末端である食卓に立てること——複数の理由が重なった選択でした。

洋菓子店の経営が安定したら気候変動の情報発信を始めようと考えていた矢先、2025年の異常な暑さに強い違和感を覚えました。気候変動の実態を調べると、看過できない状況になっていました。このままでは食文化の維持が難しくなる——その危機感が、行動を早める決断につながりました。

毎日、素材の味と向き合う中で感じることがあります。果物の糖度や香りの変化、乳製品の風味のばらつき、小麦の製菓適性の低下——素材の高温障害による弊害を、菓子職人として現場で感じ始めています。同じことは農家の田んぼでも起きています。パティシエと農家は同じ問題の被害者であり、同じ解決者になれます。

熱エネルギーシステムとLCAを学んだ専門的背景から見れば、廃熱のカスケード利用・稲藁バイオマスのライフサイクルCO2固定・四段階リサイクルヒエラルキー・SSF発酵CO₂のCaCO₃化（土壌改良材ないし循環キャリア）という本提案の核心は、炭素サイクルを経済活動に組み込むための必然的な設計です。また、農業大国フランスが地方で農業を維持する仕組みを社会システムとして実装していたこともヒントにしています。本提案は都道府県規模での循環型社会システムの設計モデルであり、琵琶湖システム2.0はその滋賀県における実装例です。稲藁と廃材という誰も欲しがらない廃棄物を起点に、持続可能な食糧生産圏を実現する循環システムを、世界農業遺産の地・滋賀から提案します。近江商人が三方よしと説いた哲学を現代に拡張し、売り手・買い手・世間・地球・未来の五方よしを体現する構想です。

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## 第1章　なぜ今か——危機の現状

> **本章の科学的記述について**：地球温暖化が進行し、農業・食料システムへの影響が深刻化していることは観測事実として確立しています。一方、本章で引用する近年の「加速」に関する一部の数値（フィードバックの寄与率、昇温加速率、2040年代の+2.0℃到達時期など）は、IPCCの中央推計より高い気候感度を採る研究者（James Hansenら）や個別の最新研究に依拠しており、学界で合意された数字ではありません。該当箇所には立場を明示します。本提案が早期着手を求める論拠は、これら高感度の見立てが外れた場合——すなわちIPCCの中央推計に立った場合——でも成立します。

### 1-1　温暖化は既に臨界点を超えつつある

2024年の世界平均気温は産業革命以前比で約1.55℃（世界気象機関WMOによる6データセット統合値・不確実性±0.13℃。Copernicus等の個別データセットでは約1.6℃）上昇し、暦年として初めてパリ協定の1.5℃水準を超えました。過去10年間が観測史上最も気温の高い10年間となっており、2024年の日本の平均気温も観測史上最高を記録しています。なお、この単年値はエルニーニョ等の自然変動を含んでおり、人為的な長期温暖化トレンド自体はWMO推計で1.34〜1.41℃とされます（本章後段の『基盤気温 約+1.38℃』はこの長期トレンドに対応します）。

さらに懸念されるのがフィードバック増幅です。MDPI Climate誌（2026年2月）の査読論文は、フィードバックプロセスが2025年時点で温暖化全体の約54%を占める可能性を推計しています。ただしこれは単一の研究による推計であり、フィードバックの寄与をこの水準とする評価はまだ学界の合意ではありません。一方で、水蒸気増加・海氷融解・永久凍土融解などの正のフィードバックが温暖化を増幅させること自体は、IPCCを含め広く認められています。寄与率の数字に幅があっても、排出削減に加えて大気中CO2の積極的固定が重要であるという方向性は変わりません。

### 1-2　次の危機が迫っている

気象庁の最新予測（2026年4月）では、2026年夏にエルニーニョ現象が発生する可能性が70%と評価されており、スーパーエルニーニョに発達する可能性を示す予測モデルも複数存在します。エルニーニョによる気温上昇の影響は約3ヶ月後に現れるため、2027年は観測史上最高気温を再び更新する可能性が高く、産業革命前比で1.7℃超の可能性も指摘されています。

わずか3年サイクルで気温記録が更新され続けているという事実は、これが遠い未来の話ではないことを明確に示しています。

**見えていない問題：海洋熱量（OHC）の加速**

気温の数字だけでは温暖化の実態は見えません。地球が受け取る過剰な熱エネルギーの約90%は海洋に吸収されており、海洋熱量（OHC：Ocean Heat Content）の変化が気候システムの本当の「貯金残高」です。

2025年の全球上層2000mのOHCは前年比で約23ゼタジュール（ZJ）増加し、観測史上最高を記録したと推計されています（IAP/CAS、2026年）。OHCは過去8年連続で記録を更新しており（WMO）、海洋が温暖化の過剰熱の約90%を吸収する「気候の貯金残高」であることを踏まえると、この連続更新は気温の単年変動以上に重い意味を持ちます。23 ZJという増加量は、2023年の全人類の一次エネルギー総生産量（約0.6 ZJ）の約39倍に相当します（規模感を直感的に示すための対比。比較対象を発電量のみとすれば倍率はさらに大きくなる）。さらに海洋の熱吸収率は1960〜2025年平均の0.14 W/m²/10年から、2005〜2025年には0.32 W/m²/10年へと倍以上に加速しています。

この加速にはもう一つの要因があります。2020年のIMO（国際海事機関）船舶燃料規制により、船舶から排出される硫黄酸化物（硫酸塩エアロゾル）が大幅に削減されました。硫酸塩エアロゾルは太陽光を反射して地球を冷やす効果があり、これまで温暖化を部分的に相殺する「意図せざる冷却剤」として機能していました。その消失が温暖化の加速に拍車をかけている可能性が複数の研究で指摘されています。

**ENSOサイクルの変容——農業撹乱の加速**

OHCの増加はエルニーニョ・南方振動（ENSO）のダイナミクスにも影響を与えています。ENSOの年々変動はOHCと深く連動しており、海洋に蓄積された過剰な熱エネルギーがENSOの振幅を増大させ、発生頻度にも変化をもたらす可能性があります。

気候モデルはENSOの強度が今世紀末にかけて増大することを一貫して予測しています。強いエルニーニョはアメリカのコーンベルトに干ばつ・高温をもたらし、日本には記録的猛暑・豪雨・夜温高温障害を引き起こします（付録M参照）。ENSOサイクルが強化・変容すれば、農業への撹乱は気温上昇の数字が示すよりはるかに速く、はるかに激しく現れることになります。

**すでに起きている変化——二季化・酷暑日・食卓への影響**

これらは将来の予測だけではありません。日本では春・秋が短縮し夏・冬だけが長く続く「二季化」が既に観測されており、三重大学の研究では42年間で夏の期間が3週間延伸しています（2025年新語・流行語大賞ノミネート）。2025年の夏は1898年の統計開始以来最高の暑さとなり、群馬県伊勢崎では国内歴代最高の41.8℃を記録しました。気象庁は既存の「夏日（25℃以上）」「真夏日（30℃以上）」「猛暑日（35℃以上）」に続き、40℃以上の日に「酷暑日」という新区分を設ける検討を始めています。

この高夜温は水稲の品質も直撃します。光合成で作った糖をデンプンとして穂に蓄積する過程が、高夜温下では二重に妨げられることが農研機構の研究で分かっています。デンプンを分解する酵素（α-アミラーゼ）が高温で活性化し、せっかく合成したデンプンを自ら溶かしてしまう経路と、夜間の呼吸量増大が穂に届くはずの糖を消費してしまう経路です（メカニズムの詳細は付録M）。これが白未熟粒という品質劣化として、農家の収量・収益を直撃します。

影響は田畑だけではありません。気象庁データによれば日本近海の海面水温上昇率は100年あたり+1.36℃で、世界平均（+0.63℃）の2倍を超えています。この海水温上昇は漁場を北・沖合へ押し上げ、秋の味覚サンマの2025年漁獲枠は9.56万トンと、漁獲枠導入の1997年以来初めて10万トンを割り込みました。海苔も有明海の不作が2022〜2024海苔年度の3年連続で年産50億枚を下回り、単価は2021年比で約2倍に上昇しています。米と海苔という日本の食卓の基盤が、同じ温暖化メカニズムによって同時に揺らいでいます。

**出典**：三重大学「日本の夏42年で3週間長く、春秋は短く『二季化』進む」日本経済新聞（2025年10月）／気象庁「40℃以上の日」区分検討報道（ダイヤモンド・Yahoo!ニュース、2025年11月）／農研機構「α-アミラーゼの抑制によって登熟期高温で発生する水稲の白未熟粒を低減できる」（Hakata et al. 2012, Plant Biotechnology Journal）／農林水産省「水稲の高温障害の克服に向けて」（2006年）／気象庁「海洋の健康診断表：海面水温の長期変化傾向（日本近海）」／日本経済新聞「サンマ漁獲枠、25年は1割減の9.6万トン」（2025年4月）／食品新聞「有明海苔、今年も不作　3年連続50億枚以下か」（2025年2月）

これらの非線形的・加速的な変化について、IPCCの中央推計が保守的すぎる可能性を指摘する研究者（Hansenら）がいます。OHCの加速・エアロゾル冷却の消失・ENSOの強化が、実際の温暖化を従来想定より速めているという見方です。ただしこれはIPCCの合意見解ではなく、加速の度合いや各要因の寄与には研究者間で相当の幅があります（特に、IMO2020によるエアロゾル冷却消失がどれだけ温暖化を押し上げたかは、現在も活発に議論されている論点です）。本提案は「加速が想定より速い可能性」を早期着手の根拠の一つとしますが、より保守的なIPCC中央推計に立っても、対策の方向性と緊急性は揺らぎません。

**2040年代に産業革命前比+2.0℃超——単年での到達シナリオ（高感度ケース）**

IPCCの標準的な高排出シナリオでは+2.0℃到達は2050〜2060年代の想定です。しかし以下の三つの要因が重なれば、2040年代に単年で+2.0℃を超える可能性は非現実的ではありません。

一つ目は基盤気温の上昇です。Hansenらは現在の温暖化加速率を0.31℃/10年と推計しており（IPCC系の評価では近年の昇温率はおおむね0.2〜0.27℃/10年であり、Hansenの0.31℃/10年はその上端〜やや上回る高感度の見立てである点に留意）、2025年の基盤気温（ENSO効果除去後）約+1.38℃に15年分の上昇を加えると2040年の基盤気温は約+1.85℃に達します。二つ目はENSOイベントの上乗せです。2024年のスーパーエルニーニョは基盤気温に約+0.12〜0.2℃を上乗せしました。2040年頃に同規模以上のエルニーニョが発生すれば、その年の単年気温は+2.0℃を容易に超えます。三つ目はエアロゾル冷却の消失継続です。IMO2020規制以降の船舶硫黄規制によるエアロゾル減少が基盤気温を押し上げ続ける効果が2040年まで継続します。

+2.0℃という水準は農業・水文・食料システムへの影響が1.5℃と比べて質的に異なる臨界点です。単年での超過であっても、水稲の高温障害・豪雨・干ばつの極端化は数年単位で農業を直撃します。琵琶湖システム2.0が「今すぐ」動き始める必要があるのは、この時間軸の現実を直視した上での判断です。なお、上記の「2040年代に単年+2.0℃」はHansenらの高い加速率を採った高感度ケースであり、IPCCの標準的な高排出シナリオでは+2.0℃（複数年平均）の到達は2050〜2060年代とされる（本節冒頭に既述）。本提案が早期着手を求める論拠は、この高感度ケースが外れた場合——すなわちIPCC中央推計の時間軸——でも変わらない。高温障害・豪雨・干ばつの極端化は、+2.0℃到達を待たずに既に農業を直撃し始めているからである。

**出典**：James Hansen et al. "2026 On Track for Warmest Year", Columbia Climate School（2026年）／The Climate Brink "My 2026 and 2027 global temperature forecasts"（2025年12月）

**出典**：IAP/CAS "Ocean Heat Content Sets Another Record in 2025", Advances in Atmospheric Sciences（2026年）／Nature Reviews Earth & Environment "Ocean heat content in 2025"（2026年）／Carbon Brief "State of the climate: 2025 in top-three hottest years on record as ocean heat surges"（2026年1月）／NOAA Climate.gov "Climate Change: Ocean Heat Content"

### 1-3　日米政府間合意と四重リスク

旭化成・三井化学・三菱ケミカルの三社は、西日本エチレン生産体制のグリーン化に向けた有限責任事業組合（LLP）を2025年に設立し、2026年1月27日には経済産業省のHtA支援事業（排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業）の採択を受けて基本契約を締結しました。基本契約では、2030年度を目途に三菱ケミカル旭化成エチレン（AMEC）水島工場（岡山県倉敷市）のエチレン製造設備を停止して大阪石油化学（OPC・大阪府高石市）へ集約すること、旭化成が開発中のRevolefin™技術（バイオエタノール→エチレン・プロピレン）の初期生産設備を旭化成水島製造所に設置し、2034年度に3社共同でグリーン基礎化学品の商用生産を開始することを目指す、としています（統合体の出資比率は三井化学45％・三菱ケミカル45％・旭化成10％）。この三社にとってバイオエタノールの国産安定調達源の確保は急務です。

**日米政府間合意という構造的圧力**

ここで見落とせない政治的背景があります。2025年2月の日米首脳会談でトランプ大統領が米国産バイオエタノールの対日輸出拡大への期待に言及し、同年7月の日米関税交渉合意では、米側のホワイトハウス・ファクトシート（および9月4日の日米共同声明）に、日本がとうもろこし・大豆・肥料・バイオエタノール・SAFを含む米国農産品等を年間80億ドル（約1兆2000億円）規模で追加購入する旨が記されました（この80億ドルは米側文書の数字で、日本政府配布の「概要」には金額の記載がなく、対象範囲や『追加か単年か』には日米間で解釈の幅がある点に留意）。さらに、日本は米国産バイオエタノールの輸入上限を年間利用目標（原油換算50万kL）の66%から100%へ引き上げ（USTRの2024年外国貿易障壁報告書がこれを評価）、米国はさらなる拡大を求め続けています。

この政府間合意は、三社LLPのRevolefin™向けエタノール原料がアメリカ産とうもろこし由来に傾斜する構造的な圧力を意味します。しかし以下に示す四重リスクを考えれば、この合意への全依存は日本の化学産業のサプライチェーンに重大な脆弱性を埋め込む危険があります。三社LLPとしても「政府の方針通り全量アメリカ産」では経営リスクになりかねず、国産代替調達先の確保は独自の戦略的課題です。

**リスク①　高温による受粉不良**
とうもろこしは受粉期の高温に極めて弱く、熱波により花粉の活性が急激に低下し結実不良が起きます。スーパーエルニーニョはアメリカのコーンベルトに干ばつと高温をもたらす傾向があり、受粉不良と干ばつが重なる最悪のシナリオが現実味を帯びています。

**リスク②　食料・飼料との競合**
日本のとうもろこし輸入量は年間約1600万トン以上で、その65%は飼料として消費されています。バイオエタノール用途はこれと直接競合します。温暖化で世界的な収量が低下すれば、食料・飼料が優先されエタノール原料の調達が最初に犠牲になるリスクがあります。

**リスク③　水の奪い合い**
AIデータセンターの年間水使用量は米国で660億リットルと9年で3倍に増加しており、建設地では住民が地下水枯渇と干ばつを恐れています。さらにデューク大学の研究によると2011年から2016年の間にフラッキング（水圧破砕法）による水消費量は最大770%増加しており、農業灌漑・データセンター・フラッキング・生活用水の四者が限られた水資源を奪い合う構図が深刻化しています。農業は政治力が最も弱く最初に割を食います。

**リスク④　地政学リスク**
アメリカ産とうもろこしへの依存は、貿易政策・気候災害・港湾問題など一点集中型のサプライチェーンリスクを内包しています。政府間合意は政権交代や外交情勢により一夜で変わり得るものでもあります。

琵琶湖の水は誰にも奪われません。稲藁は水を奪わない。琵琶湖システム2.0は政府間合意の脆弱性を分散する国産調達源として機能します。

### 1-4　都道府県規模マイクログリッドという構想

琵琶湖システム2.0はバイオエタノール・炭素固定・農業循環の提案にとどまりません。エネルギー・食料・物質の三つの流れを県域で閉じるという、都道府県規模のマイクログリッド構想です。

**マイクログリッドの三層構造**

- **エネルギー層** — バイオマス発電（電力）・バイオメタン（熱・農機具燃料）・グリーンアンモニア（余剰エネルギー貯蔵・輸送）が県内で循環する。化石燃料・輸入電力への依存を段階的に低下させる。なおバイオマス・水力には量的上限があり、県域の完全エネルギー自給は小型溶融塩炉（MSR）の商用化後の導入（2040年代〜）を最終到達点として見据える（詳細は第8章・付録N）
- **食料層** — 肥料三成分（N・P・K）の地域自給・地産地消型畜産・低コスト有機農業への遷移により、輸入依存の食料サプライチェーンリスクを県域で分散するとともに、より安全な農畜産物へのシフトを図る
- **物質層** — バイオプラスチック（農業資材・食品パッケージ）を稲藁・廃材由来のエタノールから製造し、マテリアルおよびケミカルリサイクルで長期にわたり炭素を固定するとともに、バイオプラスチックの割合を増加させ化石炭素からの脱却を目指す

**輸送部門の移行期間と農業圏の役割**

乗用車・緊急車両・重輸送という輸送部門のカーボンニュートラル化には、MSR等の次世代電源あるいは地熱発電の本格開発が実現するまで移行期間が不可避である。乗用車のEV化は安定した大規模電力供給を前提とし、緊急車両や重輸送の内燃機関を代替燃料で完全に置き換えることは現段階では非現実的である。

地熱はベースロード電源として日本の地形的ポテンシャルが高く、国立公園規制の緩和と温泉事業者との合意形成が進めば輸送部門の電化を前倒しできる可能性を持つ。地熱の開発速度はMSR商用化とともに、この移行期間の長さを左右する重要変数である（日本の地熱ポテンシャルと技術的優位は付録R参照）。

この移行期間に農業圏が果たす役割がある。琵琶湖システム2.0が農業圏で年間 約2.5〜3.1万 t-CO₂e を固定・回避（うち永続除去 約1.1万t〔バイオ炭〕、野焼き中止による非CO₂回避 約1.4〜2万t。CaCO₃（約613t）は炭素除去には計上せず、製品ないし再生ループの循環キャリアとして扱う（付録C-2・付録Q））することは、輸送部門が次世代電源を待つ間の炭素対策の一翼を担う。単独で輸送部門排出を相殺する規模ではないが、排出回避を最優先（付録K）としつつ、製品・雇用・農村維持を同時に生む炭素循環型OSとして、社会全体のカーボンニュートラルに向けた時間を稼ぐ——これが琵琶湖システム2.0の戦略的役割である。

**なぜ都道府県規模か**

市町村単位では農業廃棄物・バイオマス資源の量が足りません。国単位では政策合意に時間がかかりすぎます。都道府県は農政・エネルギー政策・廃棄物行政・農業試験場・土地利用計画のすべてを一つの意思決定圏に収められる、実行可能な最小単位です。滋賀県は琵琶湖という全国区の資産・稲作面積・バイオマス発電施設・農研機構との連携基盤が揃っており、全国で最初にこのモデルを実証できる条件を持っています。

**災害レジリエンスとエネルギー安全保障**

ホルムズ海峡封鎖・大規模自然災害・地政学的サプライチェーン断絶——これらのシナリオで最初に機能しなくなるのは輸入依存の中央集権型インフラです。県域マイクログリッドは電力・熱・燃料・食料・農業資材を域内で賄える分散型構造を持ち、外部からの遮断に対して本質的に強靭です。これは脱炭素の話であると同時に、国土強靭化・エネルギー安全保障の話でもあります。

**横展開の設計思想**

琵琶湖システム2.0はバイオマス発電所を持つ他の都道府県であれば同様に展開できる設計になっています。滋賀県での実証が成立すれば、プラントメーカー経由で全国47都道府県への横展開が視野に入ります。一県での実証が、日本全体の食料・エネルギー安全保障の分散化モデルになり得ます。

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## 第2章　琵琶湖システム2.0の全体像

### 2-0　本提案の位置づけ——アーキテクチャと参照実装

本提案は、食・エネルギー・物質循環を一体として扱う持続可能な食糧生産システムの設計思想＝**Libre Food System（LFS）** の、滋賀県における実装例です。LFSはシステムが満たすべき原則とモジュール間のインターフェースを定義する共通基盤であり、地域ごとに置き換え可能なモジュールの組み合わせとして実装されます。琵琶湖システム2.0は、その参照実装＝**Shiga Model** に相当します。

| 階層 | 名称 | 役割 |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | Libre Food System（LFS） | 設計思想・原則・モジュール間インターフェース |
| 参照実装 | 琵琶湖システム2.0（Shiga Model） | 滋賀県における実装例（本提案書） |
| モジュール実装 | バイオマスカスケード発電プラント | 単一プラントの実装仕様（別冊仕様書・CC BY-SA 4.0） |

この階層をとる理由は二つあります。第一に、**地域が変われば原料構成と既存インフラは変わるが、循環の設計要件は共通である**こと。滋賀県では稲藁と既存バイオマス発電所が起点ですが、他地域では別の未利用バイオマスと別の熱源が起点になります。第二に、**新たな技術を受け入れられること**。メタン発酵やリン回収など新技術が登場しても、インターフェースを満たす限り「LFS準拠モジュール」として差し替え・追加が可能です。

本提案はこの意味で、単一の技術提案ではなく、多様な技術を受け入れる共通基盤の最初の実装として位置づけられます。LFSをCC BY-SA 4.0で公開しているのも、各地域の実情に応じた再設計・実装を可能にするためです（プロジェクトサイト：https://librefoodsystem.org）。

### 2-1　既存の文脈を継承・発展させる

**琵琶湖システム（原型）**
2022年に世界農業遺産として認定された琵琶湖システムは、水田農業と琵琶湖生態系の持続的共存モデルとして国際的評価を得ています。

**ダイハツ×竜王町モデル（先行実績）**
竜王町は2023年1月に滋賀県の市町村として初めてバイオマス産業都市に認定されました。NEDOが2021年から助成したダイハツのバイオメタン・液肥製造事業は、食品廃棄物・農業残渣からバイオメタンと液肥を製造し地域に還元する先進モデルとして全国的注目を集めています。

**J&T環境×仙台・小牧モデル（参照先進事例）**

JFEエンジニアリンググループのJ&T環境株式会社は、仙台市において国内初のプラ新法再商品化計画第1号認定を取得し、中間処理施設（選別・圧縮・梱包）とマテリアルリサイクル施設（パレット等製造）を隣接設置することで年間約1万3,000トンを処理するワンストップリサイクルを実現しています。また小牧市（愛知県）では食品廃棄物から1日最大120トンを受け入れ、バイオガス発電（1,100kW）・発酵残渣の肥料化・容器プラのサーマルリサイクルを一体で行う食品リサイクルモデルを展開しています。容器付きのまま受け入れ可能な点が従来の食品リサイクルと異なる革新的な特徴です。

**琵琶湖システム2.0（本提案）**
上記三つを上位概念として包含し、稲藁・廃材という未活用バイオマスと食品廃棄物を全量カスケード利用する統合システムを提案します。各モデルとは原料が競合せず完全に補完関係にあります。

```
ダイハツ竜王モデル：近江牛糞等畜産系　→　メタン・液肥
J&T環境型モデル　：食品廃棄物系　　　→　バイオガス発電・肥料・マテリアルリサイクル
琵琶湖システム2.0：稲藁・木質廃材系　→　エタノール・グリーン基礎化学品
```

三者が組み合わさることで、**琵琶湖流域の有機廃棄物と農業廃棄物をほぼ全量バイオ化する**という大きな絵が描けます。J&T環境はすでに愛知県小牧市に食品リサイクル拠点を持ち、滋賀県への展開を検討する地理的素地があります。

**三社LLPとの戦略的接続（最重要）**

旭化成・三井化学・三菱ケミカルの三社は、西日本エチレン生産体制のグリーン化に向けたLLPを2025年9月に設立し、2026年1月27日に基本契約を締結しました（経済産業省のHtA支援事業に採択、投資規模212億円・補助上限104億円）。化石原料ルートでは、2030年度を目途に三菱ケミカル旭化成エチレン（AMEC）水島工場（岡山県倉敷市）のエチレン製造設備を停止し、大阪石油化学（OPC）泉北工業所（大阪府高石市）へ集約します。バイオ由来ルートでは、旭化成が開発中のRevolefin™技術（バイオエタノール→エチレン・プロピレン等）の初期生産設備を旭化成の水島製造所（岡山県倉敷市）に設置し、2034年度に3社共同で商用生産開始を目指しています。

```
滋賀県（稲藁バイオエタノール製造）
　↓ 西日本域内・国産（陸送圏内）
西日本のグリーン化学拠点群（三社共同事業）
　・バイオ由来：Revolefin™初期設備＝旭化成水島製造所（岡山県倉敷市）
　　　　　　　　← バイオエタノールの需要地（滋賀から陸送 約200km）
　・化石エチレン集約先：OPC泉北工業所（大阪府高石市・滋賀から約60km）
　2034年〜 3社共同でグリーン基礎化学品 商用生産
```

バイオエタノールを必要とするRevolefin™初期設備は岡山県・水島に置かれ、滋賀県からは陸送約200kmの西日本域内に立地します。これは、米国産とうもろこし由来エタノール（太平洋を越える輸入・前章の四重リスクを内包）と比べれば格段に近い国産・域内調達源です。琵琶湖システム2.0は、三社のグリーン化学事業が必要とするバイオエタノールの国産調達先として戦略的に位置づけられます。（補足：「約60km」は大阪・高石のOPC＝化石エチレンの集約先までの距離であり、バイオエタノールの需要地はRevolefin初期設備のある水島側である。）

### 2-2　三段階技術戦略：バイオ炭先行・エタノール実証並行・商用化

本システムは技術リスク・採算性・事業立ち上げ速度を最適化するため、三段階の技術戦略を採用します。

**フェーズ1メイン：バイオ炭製造による農家収益化（実証済み技術・即着手）**

もみ殻バイオ炭製造はJAカントリーエレベーターへの設置が現実的な出発点です。ヤンマーエネルギーシステムがNEDOグリーンイノベーション基金のもとで開発した高効率もみ殻バイオ炭製造装置はJAぎふでの実証済みであり、酵素コスト等の技術課題がなく即着手できます。もみ殻は収穫と同時にカントリーエレベーターに集まる動線が既にあり、輸送コストを最小化できます。バイオ炭のJクレジット化・農地還元・農家収益化を最初に実現することで、農協・農家との信頼関係を先に構築します。

**フェーズ1サブ：NEDO実証フィールドへの名乗り（種蒔き）**

セルロースエタノール製造は現状、酵素コストが商用採算の最大のボトルネックです。この課題は世界共通であり、解決には酵素の量産化進展またはオンサイト酵素生産技術の確立（2030年代見込み）が必要です。地域バイオマス発電事業者（廃熱・土地・廃材チップを保有）をNEDO実証フィールドとして位置づけ、農研機構主体の実証事業に場所を提供する形で関与します。設備費は国が負担し、発電事業者の自己リスクを最小化しながら技術ノウハウを先行取得します。廃材系統・稲藁系統（RT-CaCCO／CaPPAペレット）の両技術を実証期間中に並行して育てます。

農研機構が開発したCaCCO法（Calcium Capturing by Carbonation法）は、水酸化カルシウム（消石灰）を用いた常温のアルカリ前処理技術で、稲藁・麦わら・ホールクロップなど草本系バイオマスのセルロースを効率的に糖化可能にします。改良型RT-CaCCO法（室温・湿潤条件処理）は論文レベルで有効性が確認されており、スケールアップ実証が次のステップです。さらに2025年に農研機構・足立石灰工業が発表したCaPPAプロセスは、この石灰前処理と高密度ペレット化を一体化したもので、見かけ密度を約2.3倍（0.1→0.23 g/cm³）に高めた「直接糖化可能ペレット」を作れます。これにより、**稲藁の前処理・ペレット化をカントリーエレベーター側で行い（バイオ炭製造の廃熱を乾燥に活用）、密なペレットとして発電事業者へ搬送し、SSF・蒸留は中央に集約する**——という分散前処理・中央集約の役割分担が成立します（詳細は2-5・付録Q）。発電事業者側では、搬入したペレットを炭酸化タンクで再スラリー化し、SSF発酵CO₂を吹き込んで消石灰を中和（pH調整）してからSSFへ投入します。この中和で生成する炭酸カルシウム（CaCO3）は圧搾後の残渣に含めて農地へ還元でき、土壌改良材（採掘石灰石の代替）として農家の石灰コスト相殺を実現する、琵琶湖システム2.0固有の価値です（CaCO3は炭素除去には計上せず、製品ないし再生ループの循環キャリアとして扱う・付録C-2／付録Q）。

**フェーズ2：酵素コスト低下後のエタノール商用化（廃材・稲藁を並行稼働）**

酵素コストの低下見通しが立った段階で、実証期間中に蓄積したノウハウを活かし廃材系統・稲藁系統（RT-CaCCO／CaPPAペレット）を並行して商用稼働させます。フェーズ1の実証フィールド関与により、他の事業者より早く商用化に移行できるポジションを確保します。三社LLP Revolefin™の商用生産開始（2034年）に間に合わせる設計です。

```
フェーズ1メイン（即着手・採算確保）
　もみ殻 → バイオ炭製造（JA×ヤンマー）
　→ Jクレジット・農地還元・農家収益化
　→ 農協・農家との信頼関係を先に構築

フェーズ1サブ（種蒔き・リスクなし）
　発電事業者の廃熱・土地 → NEDO実証フィールド提供
　→ 設備費国負担・自己リスクなし
　→ 廃材・稲藁（RT-CaCCO）両技術のノウハウを並行蓄積

フェーズ2（酵素コスト低下後・商用化）
　廃材系統＋稲藁系統を並行商用稼働
　→ 三社LLPへエタノール供給開始
　→ Revolefin™商用生産（2034年）に間に合う
```

### 2-3　統合物質・エネルギーフロー

本システムはフェーズ1（バイオ炭先行＋NEDO実証種蒔き）とフェーズ2（エタノール商用化）の三段階で構築します。

**【フェーズ1メイン：バイオ炭系統（JAカントリーエレベーター）】**
```
もみ殻（収穫と同時にカントリーエレベーターに集積）
　↓ ヤンマー高効率バイオ炭製造装置（100kg/h→バイオ炭30kg/h）
バイオ炭
　├─ 農地還元（土壌炭素固定・ケイ酸・カリウム補給）
　├─ Jクレジット認証（IPCCガイドライン準拠）
　├─ （サブ用ライン）熱分解廃熱（400〜600℃）→ 収穫期の穀物乾燥燃料を置換／稲藁のCaPPAペレット乾燥（サブ系統へ）
　└─ （サブ用ライン）熱分解ガスを二次燃焼（900〜1000℃）→ 中央から返送のCaCO₃を焼成→CaO→消石灰に再生→CaPPAへ再投入（ライム循環）
　↓
農家収益化・野焼きゼロ化の入口確立
```

**【フェーズ1サブ：NEDO実証フィールド（発電事業者・農研機構主体）】**
```
地域バイオマス発電事業者
　廃熱（80〜150℃）・土地・廃材チップを提供
　↓ 農研機構主体でNEDO実証申請
　設備費→NEDO負担　酵素費→NEDO負担（消耗品費計上）
　発電事業者の自己リスク：最小化

【廃材系統実証】
木質廃材 → チップ化 → 酵素糖化・発酵 → エタノール試験製造
　リグニン残渣 → ボイラー燃料還流

【稲藁系統実証（RT-CaCCO／CaPPAペレット）】
＜カントリーエレベーター側（分散・バイオ炭系統と同拠点）＞
稲藁・麦わら → RT-CaCCO前処理（消石灰・常温）＋CaPPA高密度ペレット化
　　　バイオ炭製造の廃熱で乾燥（見かけ密度2.3倍・直接糖化可能ペレット・通年備蓄）
　↓ 既存バルク搬送設備でCaPPAペレットを発電事業者へ搬送
＜発電事業者側（中央・NEDO実証フィールド）＞
CaPPAペレット受入 → 炭酸化タンクで再スラリー化＋pH調整
　　　SSF発酵CO₂を吹込み消石灰を中和（CaCO₃はスラリー中に生成・SSF適pHへ）
　↓
糖化・発酵（SSF）→ プレス圧搾
　├─ 溶液 → 蒸留 → エタノール試験製造
　└─ 残渣（リグニン＋CaCO₃＋稲わらシリカ）→ 発電廃熱で乾燥 → 農地還元試験

→ 両系統のノウハウを実証期間中に並行蓄積
```

**【フェーズ2：エタノール商用化（酵素コスト低下後・廃材＋稲藁並行稼働）】**
```
廃材系統＋稲藁系統（RT-CaCCO／CaPPAペレット）を並行商用稼働
　↓ 蒸留精製（廃熱活用で省エネ化）
　↓ エタノール供給量を拡大
```

**【共通工程・三社LLP接続】**
```
両系統のエタノール合流
　↓ 蒸留精製（廃熱活用で省エネ化）
　↓
旭化成・三井化学・三菱ケミカル 三社（共同事業体）
　バイオ由来：Revolefin™初期設備＝旭化成水島製造所（岡山県倉敷市）← エタノール需要地
　化石エチレン集約先：OPC泉北工業所（大阪府高石市）／2030年集約
　Revolefin™技術：バイオエタノール→エチレン・プロピレン
　2034年：3社共同でグリーン基礎化学品 商用生産開始
　↓
バイオプラスチック・各種樹脂製品
（ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレン・PET等）
　↓
自治体一括回収
　↓ 品質・状態で三段階ヒエラルキー振り分け
```

**【廃バイオプラ四段階リサイクルヒエラルキー】**

> バイオ由来プラスチックは光合成で固定した炭素を含む。炭素を材料循環に留め続けることが設計の核心。

```
第一優先：マテリアルリサイクル（J&T環境）
　分別済み・品質良好な廃バイオプラ
　→ パレット等プラ製品に再生
　→ 炭素をプラスチックとして固定継続・CO2排出ゼロ

第二優先：油化型ケミカルリサイクル（三菱ケミカル×ENEOS・Revolefin™還流）
　混合廃プラ（洗浄前処理が必要）
　→ 超臨界水油化（HydroPRS™）でナフサ相当油に分解
　→ ナフサクラッカー→新たなプラスチックへ
　→ バイオ由来炭素を材料循環に維持（炭素固定継続）
　※レゾナック×マイクロ波化学（GI基金採択・直接オレフィン化）も同等評価

第三優先：ガス化型ケミカルリサイクル（レゾナック KPR）
　化石由来プラ、または分別困難な混合廃プラ（バイオ由来混在含む）
　→ 高温ガス化でグリーン水素・アンモニア・CO2に転換
　※分別可能なバイオ由来プラへの単独適用は不適：
　　CO2がドライアイス・炭酸飲料に転用され数日〜数週間で大気に戻るため
　　光合成固定炭素の価値が消滅する。
　　ただし分別困難な混合廃プラにバイオ由来が混在する場合は、
　　サーマルリサイクルより水素回収のあるガス化を優先する。

最終手段：サーマルリサイクル（バイオマス発電）
　上記三者で処理できなかった残余のみ
　→ 燃料として活用・発電
　（三者の活用でサーマルリサイクルの大幅縮小が目標）
```

**【エネルギー循環】**
```
バイオマス発電（既存設備）
　← 稲藁リグニン＋廃材リグニン残渣（燃料）
　→ 売電収益
　→ 廃熱（80〜150℃）→ CaCCO加熱・乾燥・蒸留に還流
```

### 2-4　稼働率の平準化

稲藁だけでは収穫期（9〜10月）に原料が集中します。複数原料を組み合わせることで年間80〜85%の稼働率を確保します。

```
【通年ベース】
　間伐材・林地残材（滋賀県森林率約50%・長浜市等で事業化調査済み）
　竹（放置竹林・年間通じて伐採可能・端境期の主力）
　木質廃材（既存調達ルート）
　道路・河川敷刈り草（自治体連携・処分コスト削減提案・通年補完）

【季節原料】
　1〜3月　：琵琶湖ヨシ（ヨシ刈り時期・冬季端境期の主力候補・約300〜500t乾重）
　5〜7月　：麦わら収穫ピーク（滋賀県の二毛作地帯・メイン季節原料）
　8〜9月　：端境期（竹・間伐材・麦わら貯蔵分で補完）
　9〜10月　：稲藁収穫ピーク（最大量・メイン原料）
　11〜4月　：貯蔵稲藁の取り崩し＋通年原料
```

**稼働率の現実的な見通し**

繁忙期（5〜7月・9〜10月）はフル稼働、端境期（7〜9月）は竹・間伐材・麦わら貯蔵分で70%程度を維持し、年間トータル75〜80%の稼働率を目標とします。琵琶湖ヨシ（1〜3月）と道路・河川敷刈り草（通年）の追加により、稲藁収穫期との季節的な補完関係が完成し、冬季端境期の稼働率向上が期待できます。

### 2-5　野焼き代替とバイオ炭製造プラントの統合

**野焼きとCO2・高温障害の連鎖**

稲藁を農家から調達するにあたり、野焼きが現在果たしている土壌改良機能を代替することが農家合意の前提条件となります。しかしここで重要なのは、土壌改良の代替手段を提示するだけでなく、野焼き自体が農家自身の農業を脅かしているという事実を共有することです。

稲藁1トンを野焼きすると約1.5トンのCO2が大気に放出されます。そのCO2が気温上昇を加速させ、翌年の田んぼで米の白未熟粒や品質低下を引き起こします。つまり野焼きは、農家が自らの首を絞めるサイクルに加担していることになります。滋賀県の農家はすでに記録的猛暑による高温障害を毎年体感しており、これは遠い話ではなく収入に直結する現実です。

稲藁を燃やさずにCaCCO法で処理すれば、炭素はバイオプラスチックという製品の中に閉じ込められ大気に戻りません。バイオ炭として農地に還元された炭素も土壌に永続固定されます。野焼きをやめることは環境への貢献であると同時に、高温障害の悪化を少しでも抑え、自らの農業と食文化を次世代に残すための行動です。

**野焼き代替の三段階戦略**

第一にCaCCO法の副産物CaCO3を農地還元することでpH調整・カルシウム補給は代替できます。ただしカリウム・ケイ酸は不足するため、第二の対策としてバイオ炭の製造・農地施用が必要です。第三に稲藁の一定割合を農家のすき込み用として残置することで、農家の土壌管理の自由度を保障します。

**バイオ炭製造プラントの必要性と現実**

バイオ炭はIPCCガイドラインで認められた土壌炭素貯留手段であり、Jクレジット制度の対象でもあります。もみ殻は稲藁収穫と同時期に大量発生し、ケイ酸含量が高く稲作土壌への施用に最適な原料です。

**プラントの設置場所と設備**

ヤンマーエネルギーシステムがNEDOグリーンイノベーション基金のもとで開発した高効率もみ殻バイオ炭製造装置は、1時間あたりもみ殻100kgからバイオ炭30kgを製造可能で、製造コスト目標はバイオ炭1トンあたり3万円です。既にJAぎふとカントリーエレベーターへの設置実証が進んでいます。

滋賀県での展開は農協カントリーエレベーターへの設置が現実的です。もみ殻が集まる場所に近く敷地の確保がしやすい上、カントリーエレベーターを管理する農協が主体となることで農家の合意形成が格段にスムーズになります。農協がコンソーシアムに加わる具体的な接点にもなります。

**バイオ炭廃熱の活用とCaPPAペレット化（分散前処理・中央集約）**

カントリーエレベーターに設置するバイオ炭製造装置の熱分解廃熱（400〜600℃級）は、その場の低温熱需要に活用できます。第一に、収穫期の穀物乾燥に使う灯油・LPGを置換できます（カントリーエレベーターは既に乾燥燃料を大量消費しており、直接的なコスト削減になります）。第二に、稲藁をRT-CaCCO／CaPPAプロセスで前処理・高密度ペレット化する際の乾燥熱に使えます。

収集拠点で作った「前処理済み・直接糖化可能ペレット」は、見かけ密度が約2.3倍（0.1→0.23 g/cm³）で穀物同様に流動するため、カントリーエレベーターが既に持つバルク搬送・貯蔵設備をそのまま使って中央プラントへ運べます。嵩張る生稲藁ではなく密なペレットを運ぶことで搬送効率が上がり、貯蔵性も高まって通年供給が可能になります。前処理を経ても搬送性は落ちません——CaPPAでは前処理と高密度化が一体だからです。ペレットに含まれる消石灰（乾物の約7.5%）は死荷重ではなく、中央プラントで発酵CO₂と反応してCaCO₃になる原料として一緒に運ばれます。

一方、SSF・蒸留・脱水は規模の経済と安全・許認可の観点から中央プラント（発電所）に集約します。エタノール（可燃物）の蒸留を集荷施設に分散させると防爆・消防・危険物許可の負担が拠点数だけ増えるため、分散するのは「バイオ炭製造・原料乾燥・CaPPAペレット化」まで、SSF・蒸留は中央、という役割分担が合理的です。

**ライム再生ループ——バイオ炭の発生ガスで消石灰を自家再生**

完成形では、消石灰を購入せずカントリーエレベーターで自家再生します。バイオ炭製造の熱分解で発生する可燃ガス（CO・H₂・CH₄等）を**二次燃焼**させると約900〜1000℃の高温が得られます。これで中央プラントから返送された炭酸カルシウム（CaCO₃）を焼成してCaO（生石灰）に戻し、水を加えて消石灰（Ca(OH)₂）に再生し、この再生消石灰を**CaPPAプロセスの前処理剤として再投入**します。カルシウムがCaCO₃⇄CaO⇄Ca(OH)₂で地域内を循環し、**消石灰の購入が不要**になります。乾燥に使う低温の廃熱に対し、この焼成には二次燃焼の高温を充てる——同じバイオ炭ラインの熱を温度帯で使い分ける設計です。中央プラント側では、圧搾残渣（搾りかす）を専用炉で低温ガス化してリグニンを可燃ガス化（乾燥熱源）し、水分離で可溶性ケイ酸（シリカ）を回収できるかの可能性を探り、高純度化した炭酸カルシウムをカントリーエレベーターへ返送します。これにより、新規焼成の消石灰を買い続けることに伴うCO₂放出（ライムのLCA問題・付録Q）が構造的に解消します。焼成で出るCO₂（元は発酵由来＝バイオ起源）は回収して炭酸化・pH調整に再利用でき、CO₂側も閉じられます。炉設計・シリカ分離・到達純度・焼成CO₂回収は要実証（ラボ→ベンチ）です。　なお熱収支の見立てとしては、CaCO₃焼成に要する熱は約5〜6 GJ/t（草本系30%基準のCaCO₃ 約613 t/年で概算3,000〜3,700 GJ/年）で、もみ殻1万t級のバイオ炭ラインが出す熱分解ガス（年間数万GJオーダー）に対し、炭化（熱分解の維持）の自己消費と乾燥分を差し引いても桁としては焼成分を取り出せる見込みです。ただし成立には、①炭化の自己消費を引いた余剰ガスで足りること、②二次燃焼で約900℃の高温を作れること、③収穫期に集中するガス発生と通年の焼成需要の季節ズレを備蓄で吸収すること、が条件で、拠点ごとの熱収支を実数で確定する必要があります（要試算）。

**農家への提案メッセージ**

「野焼きで燃やした稲藁1トンから約1.5トンのCO2が大気に放出されます。そのCO2が気温を上げ、翌年のあなたの田んぼの米を白未熟粒にします。稲藁を燃やさずに渡していただければ、炭素は製品の中に閉じ込められ大気に戻りません。高温障害の悪化を少しでも抑え、あなたの農業を守るために一緒にCO2を固定しましょう。そのお返しとして、野焼き灰より優れた土壌改良材をお返しし、稲藁・もみ殻の買取収入とJクレジット収益もお届けします。」

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### 2-6　炭素循環型食糧生産システムへの拡張

琵琶湖システム2.0は、バイオマスから燃料・素材を生み出すエネルギーシステムであると同時に、地域の食糧生産を炭素循環の輪に組み込む農業システムでもあります。稲藁・麦藁・大豆・飼料用米を地域の畜産飼料として活用することで、輸入トウモロコシ・大豆に依存する現在の畜産構造を部分的に代替し、地産地消型の食糧生産循環を実現します。

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**設計思想：化石炭素を生物圏に引き込む循環**

現在の畜産飼料の大半は輸入トウモロコシ・大豆粕です。これは海外の農地で生産された炭素を日本の食卓に運ぶ一方通行の流れです。地域作物を飼料に転換することで、炭素が地域の土壌→作物→家畜→食卓→堆肥→土壌という循環の中に留まります。野焼きゼロ化・バイオ炭土壌固定と組み合わせることで、炭素循環の輪がさらに強固になります。

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**作物別・畜種別の適用可能性**

| 飼料原料 | 牛 | 豚 | 鶏 | 備考 |
|---------|----|----|-----|------|
| 稲藁・麦藁 | ◎粗飼料 | ✕ | ✕ | 反芻動物のみ消化可能。和牛粗飼料として前例あり |
| 飼料用米 | ○エネルギー源 | ○エネルギー源 | ○エネルギー源 | 配合比率に上限あり（鶏30〜40%目安）。国の直接支払交付金対象 |
| 飼料用大豆 | ○タンパク源 | ◎タンパク源 | ◎タンパク源 | 輸入大豆粕の代替として最も有望。規格外品・飼料専用品種の活用が現実的 |

※強制的な転換ではなく、地産地消を希望する農家・畜産農家への選択肢として提供するオプション設計。

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**循環ループの全体像**

```
水田・畑
　稲藁・麦藁 ──→ 牛の粗飼料
　飼料用米   ──→ 牛・豚・鶏のエネルギー源
　飼料用大豆 ──→ 豚・鶏のタンパク源
　　　　　　　　　　　↓
　　　　　畜産（牛・豚・鶏）
　　　　　　　　　　　↓
　　　　　糞尿 ──→ 堆肥
　　　　　　　　　　　↓
　　　　　水田・畑への還元（化学肥料削減）
　　　　　　　　　　　↓
　　　　　残った稲藁 ──→ バイオ炭・エタノールライン
```

畜産糞尿を堆肥化して水田・畑に還元することで、化学肥料の使用量を削減しながら土壌有機炭素を増加させます。バイオ炭との組み合わせにより、土壌の炭素貯留能力がさらに高まります。

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**輸入依存からの脱却という訴求点**

現在の日本の飼料自給率はカロリーベースで約25%（2023年度）にとどまり、トウモロコシ・大豆の大半を米国・ブラジルからの輸入に依存しています。円安・国際情勢・気候変動による穀物価格変動は畜産農家の経営リスクを直撃しており、地域飼料への部分転換は経営安定化の観点からも合理的な選択です。

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**ステークホルダーへの訴求**

畜産農家に対しては、輸入飼料コストの削減と地域ブランド化という二つの経済的メリットを訴求します。農家（稲作・畑作）に対しては、飼料用作物という新たな販路と畜産堆肥の還元という土壌改良メリットを提示します。消費者・流通に対しては、滋賀県産飼料で育てた地産地消型畜産物というブランド価値を訴求できます。行政に対しては、飼料自給率向上・フードマイレージ削減・農業所得向上という政策目標との整合を示します。

**出典**：農林水産省「飼料をめぐる情勢」（2024年）／農研機構「飼料用米の給与技術マニュアル」／日本草地畜産種子協会「稲藁の飼料利用実態調査」

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**拡張オプション：農機具燃料のバイオメタン化（フェーズ3）**

農機具（トラクター・コンバイン・田植機）の燃料を地域産バイオメタンで部分代替することで、炭素循環の輪をさらに閉じることができます。ただし廃材・稲藁はプラスチック原料として最大限活用するという本提案の基本方針を優先し、農機具燃料の原料は**プラスチックラインと競合しない未利用バイオマス**から調達します。

```
原料の優先順位（プラスチックラインと競合しない）

①畜産糞尿（牛・豚・鶏）
　→ 燃料にも素材にもならない最良のメタン発酵原料
　→ 畜産連携（2-6節）の副産物として安定供給可能
　→ 糞尿はメタン収率が高くコファーメンテーションで向上

②ヨシ・道路刈り草（付録I）
　→ セルロース含量が廃材・稲藁より低く
　　 プラスチック原料としての優先度が劣る
　→ メタン発酵か直接燃焼に向いている
　→ 琵琶湖岸のヨシ刈り・道路管理と連携して調達

③エタノール製造後のリグニン残渣（将来）
　→ 現状はボイラー燃料として活用
　→ 余剰分のメタン発酵化は将来的に検討可能
```

バイオメタンはメタン発酵後に精製（CO2除去）し、農協拠点に圧縮充填ステーションを設置することで農機具に供給します。ディーゼルエンジンとのデュアルフューエル化（軽油70%＋バイオメタン30%程度）により農機具の大規模改造なく導入でき、軽油使用量の削減と農業由来CO2排出の低減を両立します。型式認定問題など制度上の課題はフェーズ2〜3での解決を想定し、現段階では固定拠点（農協・カントリーエレベーター）への充填ステーション設置から着手します。

**原料の優先順位と試算**

草・ヨシ（年間約18,000t）だけでバイオメタンに換算すると、滋賀県全農地の農機具燃料30%置換需要の約10倍（1,028%）を生産できます。農機具燃料は草・ヨシと牛豚糞尿で完全に賄えるため、稲藁はバイオメタン原料の最後の選択肢となります。余剰バイオメタンは三社LLP経由でアンモニア専焼発電・燃料船に供給します。

| 原料 | メタン収率 | 優先順位 | 本提案との関係 |
|------|-----------|---------|-------------|
| 草・ヨシ（年間約18,000t） | 中（約200〜250 m³/t-VS） | **最優先** | RT-CaCCOラインの季節補完が第一。余剰分をエタノール→バイオメタンの順で活用 |
| 牛糞尿・豚糞尿 | 高（牛糞：約200〜300 m³/t-VS） | **優先** | 含水率高くメタン発酵に最適。草ヨシとのコファーメンテーションで収率向上 |
| リグニン残渣 | 中（約250〜300 m³/t-VS） | 将来 | 将来的な余剰分・競合なし |
| 稲藁 | 中 | **③最後** | ①牛の粗飼料→②エタノール→③余剰分のみバイオメタン |
| 廃材 | 中 | — | **プラスチック優先・農機具燃料には回さない** |
| 鶏糞 | — | — | **含水率低くメタン発酵不向き・発酵堆肥として圃場還元（付録O）** |

**稲藁・草ヨシの用途優先順位**

```
稲藁の配分優先順位
　①牛の粗飼料（反芻動物向け・地産地消型畜産の基盤）
　②エタノール（セルロース糖化→バイオプラスチック）
　③バイオメタン（①②で余った分のみ）

草・ヨシの配分優先順位
　①RT-CaCCOラインの季節補完（稲藁端境期・2-4節参照）
　②エタノール（季節補完後の余剰分）
　③バイオメタン（①②で余った分→農機具燃料＋三社LLP）
　※飼料には使わない（栄養価・消化性が低い）
```

**出典**：農林水産省「バイオガス利用推進のための手引き」／農研機構「農業用バイオガスプラント設計・運営マニュアル」／クボタ株式会社「燃料電池トラクター開発動向」（2023年）

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## 第3章　経済性と優位性

### 3-1　収益の多層構造

単一の収益源に依存しないことがリスクヘッジになります。

| 収益源 | 主体 | 備考 |
|--------|------|------|
| エタノール売却 | バイオマス発電事業者 | 三社LLP・OPC泉北工業所（Revolefin™）への供給 |
| グリーン基礎化学品販売 | 三社LLP | ポリエチレン・PP・PET等幅広い製品展開。プロピレンは酸化・加水分解でプロピレングリコール（医薬品錠剤コーティング・溶剤等の添加剤、現行は化石プロピレン由来）にも展開可能で、化石燃料由来の製薬原料の代替先となりうる |
| 売電収益 | バイオマス発電事業者 | 既存FIT＋新規 |
| CaCO3農地還元 | バイオマス発電事業者 | 農家との関係構築 |
| バイオ炭販売・農地施用 | 農協 | 野焼き代替・土壌改良 |
| Jクレジット（エタノール等） | 各主体按分 | CO2固定の経済価値化 |
| DAC相当支援制度（提言） | 農家・製造事業者 | 後述 |

なお、グリーン基礎化学品（ポリエチレン・PP・PET・プロピレングリコール等）の原料となるバイオエタノールは、ブラジル産サトウキビ由来等、糖からの直接発酵で製造効率の高い産地からの調達がコスト面では優位です。しかし化石由来プラスチック・製薬原料からの世界的な転換需要は今後急拡大が見込まれ、高効率産地だけでは供給が追いつかない可能性があります。稲藁・木質廃材由来のセルロース系エタノールは、こうした供給不足を補う国産の追加供給源として位置づけられます。

**バイオエタノール由来炭素の配分優先順位**

世界のバイオエタノール生産量は石油需要全体の1%にも満たず、燃料・化学品原料・製薬添加剤・食品・飲料のあらゆる用途が同じ有限な資源を奪い合っています。化石資源の全代替は物理的に不可能であるため、限られたバイオエタノール由来の炭素は、単純に燃焼させる用途（燃料混合等）より、少量で高い社会的価値を持ち代替が困難な用途から優先的に配分すべきです。本提案が三社LLPを通じてグリーン基礎化学品（医薬品添加剤を含む）を主要な出口とし、エタノールを単純な燃料としては使わない設計にしているのは、この配分原則によるものです。同じ思想は原料段階の配分（稲藁：①飼料②エタノール③バイオメタン、3-2節）にも一貫しています。

### 3-2　FIT依存からの脱却

バイオマス発電事業者はFIT価格への依存が高く、制度変更リスクを抱えています。エタノール製造という新たな収益柱の追加は、この構造的脆弱性への対策として刺さります。

### 3-3　廃熱活用によるコスト優位

蒸留工程は従来エタノール製造コストの最大のボトルネックでした。既存発電の廃熱を蒸留・乾燥・CaCCO加熱に還流することで、エネルギーコストが大幅に削減され事業採算性が改善します。

### 3-4　CO2固定・排出回避ポテンシャルと比較優位

本システムの気候効果を、永続除去（removal）と排出回避（avoidance）に分けて定量化します（保守的条件・稲藁回収率50%）。標準的なGHG会計（IPCC・Jクレジット）では、稲藁燃焼のCO₂はバイオ起源＝炭素中立として扱われ「回避」に計上できないため、野焼き中止の効果は非CO₂（CH₄・N₂O）として計上します。

**前提条件**
- 滋賀県水田面積：46,200ha（令和6年・水田率93%）
- 水稲1haあたり稲藁発生量：約6トン（乾重・農水省標準値）
- 年間稲藁発生総量：約27.7万トン／現実的回収量（回収率50%）：約13.8万トン

**気候効果の積み上げ（除去と回避を分離）**

| カテゴリ | 区分 | 量（t-CO₂e/年） | 算出根拠 |
|---------|------|---------------|---------|
| バイオ炭土壌固定 | 永続除去 | 約11,000 | もみ殻等1万t処理・IPCCガイドライン準拠（付録D） |
| SSF発酵CO₂→CaCO₃化 | 製品／循環キャリア（会計外） | — | CaCO₃は採掘石灰石を代替する**製品**、または再生ループでは**CO₂・pHを運ぶ循環キャリア**。いずれも炭素除去には計上しない（付録C-2・付録Q） |
| 野焼き中止のCH₄・N₂O回避 | 排出回避（非CO₂） | 約14,000〜20,000 | IPCC排出係数 約0.1〜0.15 t-CO₂e/t × 回収稲藁13.8万t（付録A・C） |
| **小計（監査に耐える中核）** |  | **約2.5〜3.1万** | バイオ炭1.1万＋非CO₂回避1.4〜2万。CaCO₃は会計外（製品／循環キャリア） |
| （参考）バイオプラ封入炭素 | 除去（方法論議論中） | 約2,800 | エタノール炭素→エチレン→プラスチック |
| （参考）化石プラ代替 | 排出回避 | 約1,900 | 化石エチレンの代替（バイオPE約750t・付録P） |
| （要方法論）すき込み水田のCH₄削減 | 排出回避 | 別途試算 | 稲藁搬出による水田メタン抑制（付録C-3） |

> **会計上の注意**：稲藁燃焼のCO₂本体（約1.36 t-CO₂/t）は炭素中立のため計上しない。永続除去（バイオ炭・CaCO₃・バイオプラ）と二重計上しないよう、稲藁の炭素は「固定先に入った分」を除去、「燃焼の非CO₂」を回避として別々に積む。

**直感的な比較：森林換算（除去分のみ）**

森林吸収は大気からの「除去」なので、本システムの永続除去分（バイオ炭 約1.1万t）と比較します。約1.1万 t-CO₂/年 ÷ 4 t-CO₂/ha/年（日本の森林平均吸収量）＝ **約2,750 haの森林が吸収する量に相当**（CaCO₃は会計外のため森林換算にも含めない。バイオプラ封入を加えれば約3,700 ha相当）。排出回避（非CO₂・約1.4〜2万t）は森林吸収（除去）とは別カテゴリのため森林面積には換算しません。

**手段別コスト比較**

| 手段 | CO₂ 1トンあたりコスト | 副次的便益 |
|------|---------------------|-----------|
| DAC（直接空気回収） | 4.5〜9万円/t-CO₂ | なし（除去のみ） |
| 日本の森林 | 管理費のみ（新植は高コスト） | 木材・生態系サービス |
| **琵琶湖システム2.0** | **DAC以下を目標** | **製品・雇用・農村維持・食文化継承・食料/エネルギー安全保障** |

※本試算は永続除去（バイオ炭）と非CO₂排出回避（野焼き中止）を中核に計上した保守値です。CaCO₃は炭素除去に計上しません——入口（改造2B）では採掘石灰石を代替する製品、完成形（再生ループ）では消石灰を自家再生しながらCO₂・pHを運ぶ循環キャリアとなるためです（付録C-2・付録Q）。この完成形では副産物として可溶性ケイ酸（シリカ）の回収・地域内循環の可能性も探ります。バイオプラ封入は方法論確立で除去算入可。SSF発酵CO₂の余剰分（約1,110 t-CO₂/年）はドライアイス・施設園芸CO₂施用への転用候補ですが、炭素固定効果がないため計上しません。

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## 第4章　政策提言：緩和策と適応策の二正面支援制度

本章の提言は二つの異なる政策論理から成ります。4-1は気候変動の**緩和策**（CO2固定・排出回避）としての予算論理、4-2は温暖化加速（1-2節）を前提とした**適応策**（県域自給インフラ）としての予算論理です。両者は同じ物理インフラ（バイオマス発電所＋エタノール製造ライン＋バイオ炭製造設備）への投資を、異なる所管・異なる財源から正当化する構造になっており、一方の政策的優先順位が下がっても他方が支援の根拠として残ります。

### 4-1　緩和策：DAC相当CO2固定支援制度

直接空気回収（DAC）のCO2固定コストは現状$300〜600/t-CO2（約4.5〜9万円/t-CO2）です。本システムは同等以下のコストでCO2を固定しながら、製品・エネルギー・雇用・農村維持を同時に生み出します。同じ国費支出で波及効果が圧倒的に大きい。

**第3章の試算を予算に換算すると**

滋賀県単独の保守試算で、永続除去 約1.1万t-CO₂/年（バイオ炭）、固定・回避の中核 約2.5〜3.1万t-CO₂e/年の効果があります。DACは大気中CO₂の「除去」手段なので、本システムの永続除去分を基準に換算します。

| CO2固定手段 | 本システムの除去分（約1.1万t）をDACで代替/年 | 得られるもの |
|------------|------------------------------------------|------------|
| DAC | **約50〜99億円**（4.5〜9万円/t × 1.1万t） | CO₂除去のみ |
| **琵琶湖システム2.0** | **DAC以下の支援で実現** | CO₂除去＋排出回避＋製品＋雇用＋農村維持＋食文化継承 |

中核の固定・回避（約2.5〜3.1万t）まで広く取れば、同等のDAC除去委託コストは概算100〜280億円規模に相当します。

DACに数十〜数百億円規模の国費を投じるより、同額を本システムへの支援に振り向ければ、CO2固定に加えてグリーン基礎化学品の国産化・農業廃棄物の全量活用・農村雇用の創出・琵琶湖保全という多層の政策目標を同時達成できます。**予算効率は比較にならない。**

この論理に基づき、国がDACに支出するコストと同等の補助を本システムの農家・エタノール精製事業者に支払う制度の創設を提言します。

**支援対象と根拠**
- 農家：稲藁供給対価として。野焼きゼロ・新収入源・農村維持に貢献。
- エタノール精製事業者：CO2固定認証料として。初期投資回収・事業継続性確保。

**DACとの本質的な違い**
DACは大気中のCO2を固定するだけで経済価値を生みません。本システムはバイオプラスチックという製品の中に炭素を閉じ込め、リサイクルによってその固定期間を延長し、農地還元によって土壌にも固定します。同額の国費支出で社会的便益が多層的かつ持続的です。

### 4-2　適応策：県域自給インフラとしての位置づけ

1-2節で示した通り、温暖化の進行は従来想定より速いペースで進む可能性があり、1-4節で述べた都道府県規模マイクログリッドという構想自体に、緩和策とは独立した適応策としての価値があります。気温上昇そのものを止める前に、気温上昇が農業・エネルギー・サプライチェーンに及ぼす撹乱に地域単位で耐える体制を整える必要があるという考え方です。

**何に適応するのか**

- 農業：ENSOの強化・水稲の高温障害・極端豪雨（1-2節）により、特定地域の収量が単年で大きく変動するリスクが増している。県内で肥料三成分（N・P・K）と稲藁由来資材を自給する仕組みは、輸入肥料・輸入飼料の供給ショックに対する緩衝材になる。
- エネルギー：バイオマス発電・バイオメタン・将来の小型MSRによる県域自給は、ホルムズ海峡封鎖や大規模災害による輸入燃料・広域系統電力の途絶に対する代替供給源になる（1-4節既述）。
- 物質：バイオプラスチックの域内製造は、化石原料の輸入制約・地政学リスクに対する国産代替供給源になる。

**財源として想定しうる予算の論理**

緩和策（4-1）の財源は環境省・経産省のCO2固定・脱炭素関連予算が中心であり、その規模は国際交渉・政権の優先順位に応じて変動しやすい。一方、適応策としての本システムは、防災・国土強靱化、食料安全保障という、政権の方向性に関わらず継続的に存在する別の予算系列に接続できます。

| 財源 | 所管 | 計画の規模感 | 本システムとの接続点 |
|------|------|------------|------------------|
| 第1次国土強靱化実施中期計画（2026〜2030年度） | 内閣官房 | 5年間で事業規模約20兆円強 | 分散型エネルギー・食料供給インフラとしての県域マイクログリッド |
| 食料安全保障強化政策大綱 | 農林水産省 | 大綱に基づく各種施策・予算 | 輸入依存原料（米国産とうもろこし等・1-3節）への代替・国内資源活用 |

※規模感は国全体の予算枠を示す参考値であり、本システムへの具体的な配分額を示すものではない。接続点となる政策文脈が既に存在することを示す目的。

第1次国土強靱化実施中期計画は2025年6月に閣議決定され、能登半島地震・豪雨等の災害教訓とインフラ老朽化対応を踏まえた2026〜2030年度の5年間計画で、推進が特に必要な施策に約20兆円強の事業規模を見込んでいます。食料安全保障強化政策大綱（農水省）は、気候変動や世界的な食料情勢の変化を踏まえ、海外依存の高い資材・原料の国内代替を政策目標に掲げています。いずれも本システムが提供する「県域での食料・エネルギー・資材の自給」と直接的に整合します。

**緩和策と適応策の二正面提言である意義**

CO2固定支援制度（4-1）が政治的に通らない、あるいは規模が縮小した場合でも、防災・食料安全保障の文脈で同じ設備投資を正当化できます。逆に防災予算の競争が激しい場合は、CO2固定の文脈で訴求できます。一つの政策ロジックへの依存を避けることが、本システムの導入を進める上での交渉力を高めます。

### 4-3　関連制度との接続

- Jクレジット制度（環境省）：各工程のCO2削減量を主体別に計上
- 農山漁村活性化交付金（農水省）：農業廃棄物・農村振興
- グリーンイノベーション基金（NEDO）：技術開発・実証
- HtA支援事業（経済産業省）：三社LLPが採択済・琵琶湖システム2.0との連携軸
- バイオマス産業都市（農水省・経済産業省・環境省）：竜王モデルの横展開
- 第1次国土強靱化実施中期計画（内閣官房）：県域分散型エネルギー・食料供給インフラとしての位置づけ（適応策）
- 食料安全保障強化政策大綱（農水省）：輸入依存原料の国内代替としての位置づけ（適応策）
- みどりの食料システム戦略（農水省）：地産地消型エネルギーシステム・改質リグニン高機能材料・食品残渣からの肥料成分回収・資材エネルギー脱輸入という政策方向性と技術要素レベルで一致
- 地域循環共生圏（環境省・第六次環境基本計画）：地域資源で環境・経済・社会課題を同時解決する自立・分散型社会という理念上の枠組み
- グリーンスチール証明書制度（経済産業省）：バイオ炭の農地施用余剰分を高炉還元剤として供給した場合のCO2削減量をクレジット化する仕組みとして接続可能（J&T環境〔JFEグループ〕との既存の連携軸を鉄鋼本体の脱炭素文脈にも広げる）

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## 第5章　推進体制

### 5-1　コンソーシアム構成

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【技術】農研機構
　　　　CaCCO法・RT-CaCCO法のライセンス提供
　　　　実証事業への技術支援・共同提案者

【製造】旭化成・三井化学・三菱ケミカル（三社LLP）
　　　　Revolefin™技術：バイオエタノール→エチレン・プロピレン等
　　　　OPC泉北工業所（大阪府高石市）に2030年集約・2034年商用生産開始
　　　　リサイクル材の受入・再製品化

【運営】地域バイオマス発電事業者（近所の事業者・起点）
　　　　稲藁・廃材調達、CaCCO前処理、エタノール製造、発電
　　　　バイオ炭製造プラント（発電所併設案）

【循環M】J&T環境株式会社（JFEエンジニアリンググループ）
　　　　食品廃棄物バイオガス発電・肥料化（小牧モデル応用）
　　　　バイオプラマテリアルリサイクル第一優先：分別済み廃バイオプラ→パレット等再生
　　　　容器付き食品廃棄物の一括受け入れ・選別不要

【循環C-1】三菱ケミカル×ENEOS
　　　　超臨界水油化（HydroPRS™）：廃プラ→ナフサ相当油→クラッカー→新たなプラスチック
　　　　第二優先：バイオ由来炭素を材料循環に維持する最適ルート（洗浄前処理要）

【循環C-2】レゾナック株式会社
　　　　CirculaC（KPR）：廃プラ高温ガス化ケミカルリサイクル
　　　　第三優先：化石由来・分別困難プラに限定
　　　　※バイオ由来プラへの適用は不適（CO₂が短命用途で大気に戻るため炭素固定価値が消滅）

【農協・JA】
　　　　もみ殻・稲藁の集荷・供給
　　　　カントリーエレベーター活用バイオ炭製造（設置案B）
　　　　農家とのJクレジット按分・収益還元

【設備】ヤンマーエネルギーシステム
　　　　高効率もみ殻バイオ炭製造装置の供給・技術サポート

【回収】滋賀県内自治体
　　　　バイオプラ・食品廃棄物の一括回収スキーム運営
　　　　Jクレジット管理・収益の地域還元

【調整】滋賀県
　　　　県全体の政策文脈での位置づけ・横断的調整

【資金】NEDO・環境省・農水省・経済産業省
　　　　グリーンイノベーション基金・HtA支援事業・バイオエコノミー関連公募
```

### 5-2　各ステークホルダーへの訴求ポイント

**地域バイオマス発電事業者（実証フィールド・種蒔き）**
本システムにおける発電事業者の役割は、フェーズ1では「NEDO実証フィールドの提供者」に絞ります。現状、セルロースエタノール製造は酵素コストが商用採算の最大のボトルネックであり、即時の収益化は困難です。この現実を正直に伝えた上で、以下の価値を訴求します。

第一層（リスクなし・種蒔き）：NEDO実証フィールドとして名乗りを上げることで、廃熱・土地・廃材チップを提供するだけで設備費・酵素費用は国（NEDO）が負担します。発電事業者の自己リスクはほぼゼロです。「今やっていることの延長に場所を貸すだけ」という低負担な関与として提案できます。

第二層（中期・差別化）：実証期間中に廃材系統・稲藁系統（RT-CaCCO）両技術のノウハウを先行取得できます。酵素コストが低下した段階（2030年代見込み）で商用化に移行する際、実証実績を持つ事業者は後発との差別化が決定的になります。国内で唯一のセルロースエタノール商用ノウハウを持つポジションを最小コストで取れます。

第三層（長期・需要確定）：三社LLPのRevolefin™商用生産開始（2034年）という確実な需要先が存在します。酵素コスト低下と三社LLP需要が重なる2030年代に、実証実績を持って商用稼働できる設計です。FIT期間終了後の収益多様化という中長期の経営課題への布石にもなります。

**NEDO**
バイオエコノミー・グリーンイノベーション基金との整合性が高い。複数技術の統合実証という点で採択可能性が高く、農研機構との共同提案は実績・信頼性の担保になります。

**農研機構**
CaCCO法・RT-CaCCO法の社会実装の場として。技術移転・共同研究として提案できます。

**滋賀県**
本提案は「滋賀県CO2ネットゼロ社会づくりの推進に関する条例」（令和4年4月施行・2050年CO2ネットゼロ・2030年度50%削減〔2013年度比〕を法定目標とする県条例）と、その分野別実施計画である「CO2ネットゼロ実現と気候変動への適応～みらいを創る しがの農林水産業気候変動対策実行計画」（令和4年3月・琵琶湖環境部）に直接接続できます。同実行計画は農林水産業分野の緩和策・適応策を区分し、研究段階の施策を県内での実現性が高まった段階で実行段階へ移行させる仕組みを既に持っており、本提案は知事の附属機関である「CO2ネットゼロ社会づくり審議会」への提示を通じて、研究段階から実行段階への移行候補として位置づけられます。さらに令和8年（2026年）に県議会で審議中の「滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進基金条例案」は、本提案が活用可能な最も具体的かつ時宜を得た県の資金候補です。世界農業遺産のアップグレード、野焼き問題の解決、農村雇用創出、エネルギー地産地消という複数の政策目標に同時貢献し、関係部署は農政水産部・琵琶湖環境部・商工観光労働部と広範にわたります。

**農協・農家**
稲藁・もみ殻の有償買取（現状ほぼゼロ）、CaCO3・バイオ炭による野焼き代替と土壌改良の向上、Jクレジット収益の按分という多層の恩恵があります。カントリーエレベーターへのバイオ炭製造装置設置という具体的な接点で農協を推進体制に組み込めます。段階的にデンマーク型の組合主体への移行（農家が共同出資）を目指すロードマップを示せます。

**ヤンマーエネルギーシステム**
NEDOグリーンイノベーション基金で既に開発中の高効率もみ殻バイオ炭製造装置の滋賀県での実証フィールドとして。JAぎふでの先行事例をモデルに連携を提案できます。

**旭化成・三井化学・三菱ケミカル（三社LLP）**
三社はLLPを2025年に設立し、2026年1月に基本契約を締結（経産省HtA支援事業採択）、Revolefin™技術によるバイオエタノールからのグリーン基礎化学品製造を2034年に商用開始する計画を持ちます。バイオ由来ルートのRevolefin™初期設備は旭化成水島製造所（岡山県倉敷市）に置かれ、この三社にとって国産バイオエタノールの安定調達先の確保は最重要課題です。滋賀県は西日本域内の陸送圏にあり、太平洋を越える米国産とうもろこし由来エタノール（高温・水不足・食料競合・地政学のサプライチェーンリスクを内包）に比べ、格段に近い国産・域内調達源です。NEDOおよびHtA支援事業を介することで初期リスクを国が吸収する形で連携を提案できます。タイムライン面でも琵琶湖システム2.0のフェーズ3（エタノール商用化・2030年代）がRevolefin™商用生産開始（2034年）に間に合う設計になっています。

**J&T環境株式会社**
仙台モデル（国内初プラ新法再商品化計画認定・年間1万3,000トン処理）と小牧モデル（食品廃棄物バイオガス発電・肥料化）の両実績を滋賀県に展開する絶好のタイミングです。J&T環境はすでに愛知県小牧市に食品リサイクル拠点を持ち、滋賀県は地理的に近接しています。バイオプラスチックに特化したマテリアルリサイクル拠点と食品廃棄物バイオガス発電の二本立てで、琵琶湖システム2.0の循環ループの第一優先リサイクルを担います。なお提案者自身がパティシエとして洋菓子店からの食品廃棄物処理に課題を抱えており、容器付き一括受け入れという特長が直接的な解決策になります。

**三菱ケミカル×ENEOS（循環C-1・油化型ケミカルリサイクル）**
2025年7月、三菱ケミカルとENEOSが共同建設した超臨界水油化設備（HydroPRS™）が茨城県神栖市に竣工。廃プラスチックをナフサ相当のリサイクル生成油に転換し、石油精製装置・ナフサクラッカーの原料として循環させる。バイオ由来プラスチックに適用した場合、炭素を材料循環に維持できる点でガス化型より優れる。三社LLP Revolefin™との接続軸としても整合性が高い。

**レゾナック株式会社（循環C-2・ガス化型ケミカルリサイクル）**
2003年から稼働する川崎プラスチックリサイクル（KPR）は世界で唯一のガス化ケミカルリサイクルプラントであり、累計処理量100万トン超の実績を持つ。化石由来・分別困難なプラスチックの処理には有効だが、バイオ由来プラスチックへの適用には注意が必要。KPRはプラスチックをH₂＋CO₂に分解し、CO₂をドライアイス・炭酸飲料・医療用ガスに転換するが、これらは数日〜数週間で大気に戻る。バイオ由来プラに適用すると光合成で固定した炭素の価値が短期間で消滅するため、化石由来・分別困難なプラスチックへの適用に限定する。

**ダイハツ（竜王）**
畜産系（近江牛糞）を扱うダイハツモデル、食品廃棄物系を扱うJ&T環境モデル、廃バイオプラのケミカルリサイクルを担うレゾナックCirculaC、稲藁・木質廃材系を扱う琵琶湖システム2.0の四者が競合せず、滋賀県の有機・農業廃棄物と廃プラをほぼ全量カバーする県全体のカーボンニュートラルシステムとして共同提案化できます。

### 5-3　デンマークモデルとの比較と日本型移行戦略

デンマークでは農家組合が主体のバイオガス事業が成功していますが、日本では農家の零細・分散構造や地域暖房インフラの欠如により直接移植は困難です。滋賀県では農家組合よりも営農法人が点在する形態が実情であり、それを踏まえた段階的移行を描きます。

- フェーズ1：JA・バイオマス発電事業者が実務主体（現実的な出発点）
- フェーズ2：農協・自治体が運営参加（意思決定への農家参画）
- フェーズ3：営農法人・地域主体との連携深化（地域実情に即した分散型モデルへ）

**所有構造の移行を待たない収益分配の仕組み**

デンマークモデルの核心は、農家が事業の共同出資者として利益（エネルギー販売・炭素クレジット双方）を直接受け取る所有構造にあります。日本ではこの所有構造への移行をフェーズ3まで待つ必要がありますが（前述）、Jクレジット・DAC相当支援金という炭素固定サービスの対価は、所有構造の変更を待たずフェーズ1から農家・畜産家に帰属させることができます。

具体的には、Jクレジットの登録主体（プロジェクト実施者）をJA・農家組合とし、バイオマス発電事業者は稲藁・畜産糞尿の原料購入者という別の立場に限定します。これにより、原料売買の対価（コモディティ価格）とは別建てで、炭素固定・輸入代替というサービスの対価がクレジット収益としてJA・農家側に直接入ります。DAC相当支援制度（4-1節）も同様に、トン当たり支援額のうち農地施用を行う農家への分配率を運営契約に明記し、プラント事業者が全額を取る構造を避けます。

畜産（ここでは堆肥・肥料製造を指す）についても同じ論理が成立します。輸入窒素肥料・輸入リン鉱石への依存を堆肥で代替する価値の一部を、堆肥を製造する畜産農家に還元する仕組みを稲藁バイオ炭と並行して整備します。

登録主体・分配ルールを複雑化させてはならない理由は、他分野の前例にも見て取れます。有機JAS認証は登録認証機関が全国に約70機関乱立し、機関ごとに審査基準・手数料がばらつく結果、卸業者が独自に機関をランク付けする一方で消費者にはその差が知らされていません。クレジット制度を複数事業者・複雑な分配ルールで設計すれば、同じように価値判断が中間業者の裁量に委ねられ、現場の生産者に還元されにくくなります。

この仕組みは、Jクレジット・DAC相当費という都市部の資金（環境価値への支払い）を、中抜きを回避して地方の生産現場へ直接流す所得移転メカニズムとして機能します。所有構造の移行（デンマーク型）を最終目標としつつ、それに先行して収益の帰属だけを農家側に動かすという、日本の零細・分散構造に合わせた現実的な移行戦略です。食料自給率100%超・林業も健在という国内有数の一次産業県でありながら平均所得が全国最低水準という地域が現に存在する以上、国内の食を支える地域に対価が還元されない構造の是正は、理念ではなく実務として組み込む必要があります。

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## 第6章　法規制対応ロードマップ

エタノール製造には複数の法規制が関わります。事業開始前に関係省庁との事前調整を組み込むことが不可欠です。

| 法律 | 所管省庁 | 必要な対応 | タイミング |
|------|---------|-----------|-----------|
| アルコール事業法 | 経済産業省 | 製造・販売許可（90度以上が対象） | 事業開始前 |
| 消防法 | 消防署（市町村） | 危険物製造所設置許可・甲種危険物取扱者選任（400L以上） | 設備設置前 |
| 酒税法 | 国税庁 | 変性剤添加による変性アルコール化で課税回避 | 製造設計段階 |
| 大気汚染防止法 | 環境省 | 発酵・蒸留工程のVOC排出管理 | 設備設計段階 |
| 化審法 | 経済産業省 | 製造数量届出 | 製造開始後毎年 |

**NEDO実証事業との連動**
実証段階では産業競争力強化法に基づく規制のサンドボックス制度を活用し、一部規制の特例適用を申請することで初期ハードルを下げられます。NEDOへの申請と規制当局との事前調整をセットで進めることが現実的です。

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## 第7章　フェーズ別ロードマップ

### フェーズ1（1〜2年）：バイオ炭先行立ち上げ＋NEDO実証フィールド名乗り

**バイオ炭製造（メイン・即着手）**
- 滋賀県への打診（全体像の共有）
- JA北びわこ等への打診（カントリーエレベーター設置協議）
- ヤンマーエネルギーシステムとの連携協議（JAぎふ先行事例を参照）
- もみ殻バイオ炭製造装置の設置・稼働
- Jクレジット方法論の整備申請（環境省）・農家収益還元スキーム確立
- 野焼きゼロ化への農家合意形成開始

**NEDO実証フィールド名乗り（並行・種蒔き）**
- バイオマス発電プラント事業者への公開打診
  「酵素コストが課題だが、実証フィールドとして名乗りを上げるだけでも」
- 農研機構との技術連携協議・CaCCOライセンス・共同研究交渉
- NEDOグリーンイノベーション基金・HtA支援事業への申請準備
  （農研機構主体・発電事業者はフィールド提供者として参加）
- 滋賀県・農協との稲藁調達スキーム協議開始

### フェーズ2（3〜5年）：実証進行＋バイオ炭本格展開＋循環スキーム構築

- NEDO実証プラント稼働（廃材系統・稲藁RT-CaCCO系統を並行実証）
- J&T環境仙台・小牧モデルの滋賀版稼働（食品廃棄物リサイクル）
- 三菱ケミカル×ENEOS 油化ラインとの廃バイオプラ処理連携検討（バイオ由来炭素の材料循環維持）
- レゾナックKPRとの連携は化石由来・分別困難プラに限定して接続
- 自治体リサイクルスキーム構築・稼働
- DAC相当支援制度（緩和策）・国土強靱化／食料安全保障関連施策（適応策）への政策提言（環境省・農水省・経産省・内閣官房）
- バイオ炭製造を県内複数JAカントリーエレベーターへ横展開
- バイオ炭余剰分（農地施用後）の製鉄向け供給検討・グリーンスチール証明書制度への接続打診（J&T環境の親会社JFEグループを含む鉄鋼各社への展開）
- 酵素コスト動向の継続モニタリング・商用化判断の準備

### フェーズ3（5年以降）：エタノール商用化＋横展開・国際発信

- 酵素コスト低下の見通しが立った段階でエタノール商用稼働を判断
  廃材系統・稲藁系統（RT-CaCCO）を並行商用稼働
- 三社LLPとの長期供給契約締結・CaCO3農地還元スキーム本格化
- 三社LLP Revolefin™商用生産開始（2034年）への国産エタノール本格供給
- 全国モデルとしての横展開（稲作地帯：新潟・秋田・山形・北海道等）
- 世界農業遺産の新たなショーケースとして国際発信
- 農家組合共同出資によるデンマーク型への移行
- 持続可能な食糧生産圏としての定着（正味カーボンネガティブ圏内へ・詳細は第8章）

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## 第8章　まとめ——五方よし（三方よしの現代版）

**琵琶湖システム2.0の本質は、化石資源への依存を段階的に減らしながら炭素を固定していく、持続可能な食糧生産システムの設計図です。**

炭素固定量そのものは、県域・国レベルで見れば気候変動を止められる規模ではありません（3-4節）。だからこそ本提案は緩和策としての貢献と同時に、県域で食料・エネルギー・肥料を賄える体制を作る適応策としての価値を、正直に両輪として位置づけます（4-2節）。

みどりの食料システム戦略（地産地消型エネルギー・資材脱輸入）や地域循環共生圏（自立・分散型社会）が国としてすでに示している方向性を、滋賀県という具体的な単位で一つの物理システムに統合した実装が本提案です。

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**何を目指しているのか**

現代の食糧生産は三つの化石資源に支えられています。化石燃料（農機具・輸送）、化石由来窒素肥料（ハーバー・ボッシュ法による天然ガス消費）、輸入リン鉱石（可採埋蔵量に限りあり、モロッコに約70%集中）です。この三つが途絶えれば、今の農業は成立しません。

琵琶湖システム2.0はこの依存構造を、地域の生物資源と低炭素エネルギーの組み合わせで段階的に置き換えていく試みです。

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**完成形：カーボンネガティブ食糧生産システムの全体像**

```
【エネルギー基盤】
原子力・再生可能エネルギー
　├─ グリーン水素
　│    ├─ グリーンアンモニア
　│    │    ├─ 農業用窒素肥料（補完的・速効性）
　│    │    │    主役は鶏糞堆肥・牛豚糞尿消化液
　│    │    └─ 余剰分→三社LLP・HtA事業
　│    │              → アンモニア専焼発電・燃料船
　│    │              ※石炭混焼延命には使わない
　│    └─ 燃料電池農機（将来）
　└─ 低炭素電力
　　　├─ リグニン素材化（高温工程）
　　　└─ バイオメタン精製・圧縮

【リン循環】
下水汚泥 ──MAP法等──→ ストルバイト（緩効性リン肥料）
畜産堆肥              → リン還元                      リン（P）
　　　　　　　　　　　　  輸入リン鉱石依存を大幅削減

【カリウム循環】
畜産堆肥・バイオ炭・作物残渣すき込み → カリウム（K）補給

【炭素固定】
廃材・稲藁
　├─ エタノール → バイオプラスチック（中期固定・リサイクル）
　├─ バイオ炭  → 土壌永続固定（100〜1000年）
　└─ リグニン  → 建材・カーボンファイバー（長期固定）※フェーズ3

もみ殻・糞尿・ヨシ
　├─ バイオ炭（もみ殻・JA拠点）
　└─ バイオメタン（糞尿・ヨシ）→ 農機具燃料

【食糧生産循環】
グリーンアンモニア＋ストルバイト＋堆肥＋バイオ炭
　→ 水田・畑（化学肥料依存ゼロへ）
　→ 飼料用米・大豆・稲藁
　→ 畜産（牛・豚・鶏）
　→ 糞尿 → 堆肥・バイオメタン → 水田還元・農機具燃料

【琵琶湖保全との接続】
下水リン回収 → 琵琶湖への富栄養化負荷削減
野焼きゼロ化 → 大気CO2削減 → 気温上昇抑制 → 琵琶湖水温安定
```

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**フェーズごとの到達点**

フェーズ1では野焼きゼロ化とバイオ炭土壌固定により年間約2.5〜3.1万t-CO₂eの排出回避・固定（永続除去〔バイオ炭〕約1.1万t＋野焼き中止による非CO₂回避 約1.4〜2万t）を実現します。今すぐ動ける、最もコストの低い一手です。

フェーズ2ではセルロースエタノール→バイオプラスチックの商用化・地産地消型畜産・農機具バイオメタン化により食糧生産サイクル全体の炭素収支が改善します。三社LLPとの接続により国産エタノールサプライチェーンが確立します。

フェーズ3では原子力・再生可能エネルギーによる低炭素電力・熱が確保された段階で、グリーンアンモニア・下水リン回収・リグニン素材化が加わります。N・P・K三成分の地域循環と炭素の長期固定が揃い、食糧生産に関わる炭素サイクル全体で、排出回避と除去を最大化するシステムに近づきます。

グリーンアンモニアの合成技術としては、単一技術への依存を避けるため（仕様書のタービン2トラック構成・付録NのMSR複数事業者比較と同じ設計思想）、成熟度が異なる2つの国内開発パスを候補として位置づける。

**本命：つばめBHB**（神奈川県横浜市・東京科学大学〔旧東京工業大学〕発スタートアップ）の低温・低圧エレクトライド触媒技術。従来型ハーバー・ボッシュ法が400〜500℃・150〜300気圧を必要とするのに対し、エレクトライド触媒は低温・低圧での合成を可能にし、再生可能エネルギーとの直接接続・小型分散型オンサイト生産が実現できる。JA拠点に設置可能な規模感は本提案の都道府県規模マイクログリッド設計思想と完全に整合する。2025年11月にINPEX柏崎水素パークへ商用設備を納品し試験生産を開始、2025 Global Cleantech 100に日本で唯一選出されており、商用設備納品済みという成熟度の観点で現時点の最有力候補。なお水素は中間生成物としてその場でアンモニアに変換するため、水素脆性・輸送・貯蔵インフラの問題は生じない。

**バックアップ：東京大学・出光興産方式**。西林仁昭教授（東京大学）らが開発したモリブデン触媒により、水素を経由せず空気中の窒素と水から常温・常圧での電解合成を直接行う。出光興産を幹事会社にNEDOグリーンイノベーション基金事業（2021〜2028年度、東京科学大学・大阪大学・京都大学・産総研等が参画）として推進中で、出光徳山事業所（山口県周南市）で2032年度に年産1,000トン規模の商用化を目指す。現状は電解合成速度が電極1cm²あたり毎秒2マイクログラムというラボスケールで商用化はつばめBHBより数年先行きだが、2032年度という時期は本提案フェーズ3（2034〜2040年）の射程に収まる。水素製造工程を経由しない分、設備構成がより単純になる可能性があり、つばめBHBの実証段階で課題が生じた場合の代替候補として留保する。

グリーンアンモニアの役割分担は明確にしておく必要があります。農業用窒素（N）は鶏糞堆肥・牛豚糞尿消化液が主役であり（付録O）、グリーンアンモニアは速効性窒素の補完と届かない農地への供給に限定します。余剰のグリーンアンモニアは三社LLP・HtA事業を通じてアンモニア専焼発電・燃料船への供給に回します。NYKは2024年8月に世界初の商用アンモニア燃料タグボートを竣工・実証航海を完了し90%以上のGHG削減を達成しており、アンモニア燃料船は2026年より実証運航開始・2028年までの商業運航実現を目指しています。なお石炭火力へのアンモニア混焼は石炭燃焼の延命に過ぎず、2040年の+2.0℃という時間軸とは整合しません。グリーンアンモニアは石炭混焼ではなく専焼・燃料船という完全脱炭素用途に限定して活用します。

このフェーズのエネルギー基盤として特に注目すべきは**溶融塩炉（MSR）**です（詳細は付録N）。使用済み核燃料という「核の廃棄物」を燃料として活用できる溶融塩炉の思想は、稲藁・廃材という「農の廃棄物」を資源に変える本提案の設計思想と根底で一致します。700〜800℃の高温熱出力はリグニン素材化・高温水電解（グリーン水素製造）と直接接続でき、フェーズ3の完成形を支える最も整合性の高いエネルギー源です。

**フェーズ4（2040年代〜）：小型溶融塩炉による県域エネルギー完全自給**

バイオマス発電・水力・バイオメタンを積み上げても、都道府県規模のマイクログリッドが電力需要を完全に賄うには量的な上限があります。バイオマスは農業廃棄物の発生量に、水力は河川流量と季節変動に、それぞれ縛られます。

マイクログリッドの「完全自給」という最終到達点は、小型溶融塩炉（MSR）の実証・商用化を待つことになります。フェーズ1〜3はその橋渡しです。

| フェーズ | 主エネルギー源 | 県内自給率（目安） | 時間軸 |
|---------|-------------|----------------|-------|
| フェーズ1 | バイオマス発電（既存）＋系統電力 | 低（FIT依存） | 今すぐ |
| フェーズ2 | バイオマス＋バイオメタン＋水力 | 中（30〜50%） | 2028〜2034年 |
| フェーズ3 | 上記＋グリーンアンモニア＋再エネ拡大 | 高（50〜80%） | 2034〜2040年 |
| フェーズ4 | 上記＋小型MSR | 完全自給圏 | 2040年代〜 |

MSRが担う役割はエネルギー量だけではありません。700〜800℃の高温熱出力により、フェーズ3までは系統電力に頼っていた高温工程（リグニン素材化・高温水電解）を完全にオフグリッド化できます。「廃棄物を資源に」という本提案の設計思想が、農業廃棄物（稲藁）・核廃棄物（使用済み核燃料）・化石炭素（バイオプラスチック）の三層で一貫して完結します。

**輸送部門の移行期間と農業圏カーボンネガティブの社会的役割**

なお輸送部門——乗用車・緊急車両・重輸送——については、MSRあるいは地熱の本格開発が実現するまで化石燃料への依存が続く移行期間が不可避である。乗用車のEV化は大規模な安定電力供給を前提とし、緊急車両や重輸送の内燃機関を代替燃料で完全に置き換えることは現段階では非現実的である。

地熱はベースロード電源として日本の地形的ポテンシャルが高く、国立公園規制の緩和と温泉事業者との合意形成が進めば輸送部門の電化を前倒しできる可能性を持つ。地熱の開発速度はMSR商用化とともに、この移行期間の長さを左右する重要変数である（1-4節参照）。

農業圏が正味カーボンネガティブを達成することは、輸送部門がMSR・地熱を待つ間の炭素排出を相殺する橋渡しとして機能する。フェーズ1〜4を通じた農業圏の段階的カーボンネガティブ化は、農業・食糧圏の課題解決にとどまらず、社会全体のカーボンニュートラルに向けた「時間を買う」戦略的役割を担っている。

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**カーボンネガティブへの条件と現在地**

| 条件 | フェーズ1 | フェーズ2 | フェーズ3 | フェーズ4 |
|------|----------|----------|----------|----------|
| 野焼きゼロ化（排出回避） | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| バイオ炭による永続固定 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| バイオプラスチックによる中期固定 | △種蒔き | ✓ | ✓ | ✓ |
| 畜産糞尿・ヨシのバイオメタン化 | △準備 | ✓ | ✓ | ✓ |
| 地産地消型畜産（飼料循環） | △準備 | ✓ | ✓ | ✓ |
| 低炭素電力によるシステム運用 | △系統依存 | △ | ✓ | ✓ |
| グリーンアンモニア（窒素肥料N） | ✗ | △接続準備 | ✓ | ✓ |
| 下水リン回収（リン肥料P） | ✗ | △協議 | ✓ | ✓ |
| リグニン素材化（長期炭素固定） | ✗ | △検討 | ✓ | ✓ |
| 県域エネルギー完全自給 | ✗ | ✗ | △ | ✓ |
| 高温工程の完全オフグリッド化 | ✗ | ✗ | △ | ✓ |
| **正味カーボンネガティブ** | **近傍** | **達成圏** | **✓** | **✓（完全）** |

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**温度計に見えない危機への答え**

大気エネルギーは気温差の見かけより大きく増加しています（付録M）。温度計は2℃しか上がっていないように見えても、大気が保有する熱エネルギーは11%増えており、豪雨・夜温高温・高温障害という形で農家の収量を直撃しています。野焼きをやめることはその連鎖の入口を断つことであり、農家自身の農業と食文化を守る行動です。

下水からリンを回収して農地に還元することは、琵琶湖への富栄養化負荷を削減しながら輸入資源依存を減らすという、環境保全と農業振興の一石二鳥の手段です。

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**五方よし（三方よしの現代版）**

**売り手よし**：バイオマス発電事業者・化成業者の収益多様化とFIT依存からの脱却。畜産農家の輸入飼料コスト削減と地域ブランド化。稲作農家の稲藁・もみ殻収益化とJクレジット収益。

**買い手よし**：バイオプラスチック利用者・社会のCO2削減とサプライチェーンリスク解消。地産地消型畜産物・地域産飼料で育てた食の消費者価値。

**世間よし**：農村雇用創出・野焼き解消・琵琶湖保全・地域エネルギー自立・飼料自給率向上・下水リン有効活用による水環境改善。

**地球よし**：CO2の積極的固定・カーボンネガティブへの段階的到達・化石炭素を生物圏に引き込む循環の確立・輸入リン鉱石依存の削減。

**未来よし**：リサイクルループの確立・N・P・K三成分の地域循環・次世代への持続可能な農業圏の継承・持続可能な食糧生産システムの国際モデル化。

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**国際展開の可能性——農業国への拡張と資本還流**

本提案の設計思想は、日本国内に留まらない射程を持ちます。世界の稲・麦の作付面積は日本の約230倍に及び、稲藁等の野焼きは気候変動だけでなく、インド・パンジャブ/ハリヤナ州の稲藁野焼みによるデリー首都圏の深刻な大気汚染など、公衆衛生上の問題としても各国で顕在化しています。

こうした国々では既に、小規模農家からもみ殻・農業残渣を買い取ってバイオ炭化し、Puro.earth・Gold Standard等の国際認証を通じてカーボンクレジットとして先進国企業に販売する仕組みが稼働し始めています（マラウイ・ケニア・タイ・カンボジア等）。これは5-3節で設計した「Jクレジット収益を都市部から農家へ還流させる」仕組みの国際版であり、先進国の気候資金が認証機関を介して途上国の小規模農家に直接届く、資本還流のメカニズムとして既に実証段階にあります。

本提案が持つ熱カスケード設計・発電併産・CaPPA前処理といった技術仕様は、現状の途上国プロジェクト（単純な炭化が中心）に対し、同じ残渣からより多くの価値（電力・エタノール・炭素固定）を引き出す次段階の技術として提供できる可能性があります。Libre Food SystemをCC BY-SA 4.0でオープンライセンス公開しているのは、こうした各国の実情に応じた再設計・実装を可能にするためです。

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近江商人が数百年前に説いた哲学は、今まさに地球規模で求められています。複利的成長を前提とした経済システムから、太陽エネルギーの収入の範囲内で循環する単利的システムへの移行は必至です。江戸時代の循環農業がそうであったように、琵琶湖システム2.0はその現代版の設計図です。

理想論ではあります。しかし段階的に積み上げられる設計になっています。今すぐ動けるフェーズ1の一歩——野焼きをやめ、バイオ炭を土に還す——が、持続可能な食糧生産システムへの道筋の最初の一歩です。

世界農業遺産を炭素循環型食糧生産の国際モデルに進化させる——滋賀発、日本発の挑戦を。

**子供たちに、豊かな食文化を。そして持続可能な炭素循環の未来を。**

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*本提案に関するお問い合わせ・連携のご相談は提案者まで*

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## 付録　数値根拠・計算の中身

本文中に示した主要数値の算出根拠を示します。

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### 付録A　稲藁野焼きのCO2排出量（1トンあたり約1.5 t-CO2）

**算出根拠**

稲藁の元素組成と燃焼化学量論から算出します。

- 稲藁の炭素含有率：約40〜45%（乾重ベース・農研機構データ）
- 野焼き時の燃焼効率：約85〜90%（不完全燃焼分を考慮）
- CO2換算係数：炭素1kgが完全燃焼すると44/12 ≒ 3.67 kg-CO2を生成

**計算式**

```
稲藁1t × 炭素含有率0.42 × 燃焼効率0.88 × CO2換算3.67
≒ 1.36 t-CO2
```

加えてCH4・N2Oの温室効果ガス（GWP換算）が約0.1〜0.15 t-CO2相当加算されるため、合計で**約1.5 t-CO2/t**（IPCC農業廃棄物燃焼排出係数と整合）。

**出典**：IPCC 2006 Guidelines for National GHG Inventories, Volume 4 Agriculture, Chapter 2／農林水産省「農業分野の温室効果ガス排出・吸収量」

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### 付録B　滋賀県の稲藁発生量・回収量試算

**前提データ**

| 項目 | 数値 | 出典 |
|------|------|------|
| 滋賀県水田面積 | 46,200 ha | 農林水産省作物統計・令和6年 |
| 水稲1haあたり稲藁発生量 | 約6 t/ha（乾重） | 農水省バイオマス活用推進基本計画 |
| 年間稲藁発生総量 | 46,200 × 6 ＝ **27.7万t** | 上記より算出 |
| 現実的回収率 | 50% | すき込み残置・農家合意必要分を考慮した保守値 |
| 回収量 | 27.7万 × 0.5 ＝ **13.8万t** | 上記より算出 |

**回収率50%の根拠**

農水省の調査では全国の稲藁利用率は約40〜60%（すき込み・飼料・工芸品等）。そのうちすき込みが最大で、農家の土壌管理上の必要性から一定割合を残置することが現実的。フェーズ1では20〜30%から開始し、フェーズ2完了後に50%を目標とする段階設計。

---

### 付録C　野焼き中止による気候効果（非CO₂排出回避 約1.4〜2万 t-CO₂e/年）

稲藁燃焼のCO₂本体（約1.36 t-CO₂/t）はバイオ起源＝炭素中立であり、IPCCインベントリ・Jクレジットでは正味排出として計上しない（回避対象外）。野焼き中止で回避できるのは不完全燃焼由来の非CO₂（CH₄・N₂O）である。

```
回収稲藁 13.8万t × 約0.1〜0.15 t-CO₂e/t（付録Aの非CO₂分・IPCC排出係数）
　＝ 約1.4〜2.0万 t-CO₂e/年
```

稲藁の炭素そのものは、本システムで固定先（バイオ炭・CaCO₃・バイオプラ）に入った分を除去として別途計上する（二重計上を避ける）。

**ベースラインの注意**：日本では稲藁の多くがすでにすき込み等で処理されており、現に野焼きされている割合（ベースライン野焼き実施率）を地域データで確定する必要がある。逆に、湛水田でのすき込みはメタン発生源であり、稲藁を圃場外へ搬出することで水田CH₄を抑制できる（付録C-3）。Jクレジット化にはこのベースライン設定が要となる。

### 付録C-2　SSF発酵CO₂→CaCO₃化（製品／循環キャリア）の質量収支

> SSF発酵工程の排ガスはほぼ純CO₂（95〜99%）。大気中420 ppmから濃縮するDACとは根本的に異なり、追加の分離・濃縮工程なしに炭酸化反応に利用できる。RT-CaCCO前処理で消費したCa(OH)₂を発酵CO₂で炭酸化することでシステム内でCO₂を鉱物化する自己完結ループが成立する（生成するCaCO₃は採掘石灰石を代替する製品ないし再生ループの循環キャリアであり、炭素除去には計上しない＝本付録末の注記参照）。

**反応式**

```
Ca(OH)₂  +  CO₂  →  CaCO₃  +  H₂O
（消石灰）  （発酵CO₂）  （炭酸カルシウム）　常温・常圧で進行
```

**質量収支計算**

```
【SSF発酵CO₂発生量】
　年間エタノール生産量：1,830kL × 0.789 kg/L ＝ 1,444 t/年
　CO₂/エタノール質量比（化学量論）：44/46 ≒ 0.957
　発酵CO₂発生量：1,444 × 0.957 ≒ 約1,380 t-CO₂/年

【RT-CaCCO Ca(OH)₂ 使用量（県内既存プラント1基への改造・草本系30%サブライン）】
　エタノールライン総量：65 t/日 × 310日 ＝ 20,147 t/年（木質本線70%＋草本系30%）
　草本系（RT-CaCCO対象）：20,147 × 0.30 ≒ 6,044 t/年
　Ca(OH)₂添加率：7.5%（RT-CaCCO標準条件）
　Ca(OH)₂使用量：6,044 × 0.075 ≒ 453 t/年

【炭酸化に必要なCO₂量】
　Ca(OH)₂ 74g + CO₂ 44g → CaCO₃ 100g
　必要CO₂：453 × (44/74) ≒ 270 t-CO₂/年

【収支】
　発酵CO₂（1,380t・全ライン）＞ 炭酸化必要量（270t）→ 余剰 約1,110 t-CO₂/年
　余剰分：ドライアイス製造・施設園芸CO₂施用への転用候補
　※炭素固定効果なし（光合成後に大気へ）・CO₂固定量合計には含めない

【生成CaCO₃量】
　270 t-CO₂ × (100/44) ≒ 約613 t-CaCO₃/年 → 農地還元（土壌pH改良材・採掘石灰石の代替＝製品）

【地域スケール注記】上記は県内既存プラント1基への改造（草本系30%）を基準とした単機の値。滋賀全域のポテンシャルは複数基展開で積み上がり、CaCO₃は「1基あたり約613 t × 基数」でスケールする（地域全体の展開規模・基数は別途）。
```

本システムはこのCaCO₃を**炭素除去には計上しない**。理由は消石灰のLCAにある：Ca(OH)₂を新規に石灰石焼成（CaCO₃→CaO＋CO₂）で製造すると、焼成時に放出される地質由来CO₂が炭酸化で捕捉する量とほぼ同量となり、正味除去はほぼ相殺されるためである（窯燃料分でむしろ正味プラスになりうる）。したがってCaCO₃は、入口（改造2B）では**採掘石灰石を代替する製品**、完成形（フェーズ3・再生ループ）では消石灰を自家再生しながら**CO₂・pHを運ぶ循環キャリア**として位置づける（付録Q）。炭素固定の柱はバイオ炭・バイオプラスチック・野焼き回避であり、CaCO₃はそこに含めない。

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### 付録C-3　稲藁搬出による水田メタン抑制（追加の排出回避ポテンシャル）

湛水管理の水田に稲藁をすき込むと、嫌気分解によりメタン（CH₄）が増加することが知られている（IPCC水田メタン排出係数の有機物施用スケーリング係数）。稲藁を圃場外へ搬出して本システムの原料とすれば、この水田メタン増加分を回避できる可能性がある。

これは野焼き（付録C）とは独立した、より方法論的に確立しやすい排出回避経路である（中干し延長等とあわせ、水田メタンのJクレジット方法論が既に存在する）。定量化には対象水田の湛水・有機物管理のベースライン設定が必要であり、農研機構・滋賀県農業技術振興センターとの実証で確定する。本付録は回避ポテンシャルの存在を指摘するにとどめ、数値は実証後に確定する（要試算）。

**出典**：IPCC 2019 Refinement, Vol.4 Ch.5（Rice Cultivation・有機物施用のスケーリング係数）／農林水産省・環境省Jクレジット方法論「水稲栽培における中干し期間の延長」

### 付録D　バイオ炭土壌固定によるCO2固定量（約1.1万 t-CO2/年）

**算出方法**

IPCCガイドラインおよびJクレジット方法論「農地におけるバイオ炭施用によるCO2固定」に準拠。

**計算式**

```
固定量 ＝ バイオ炭投入量(t) × Fc × Fperm × (44/12)
```

| パラメータ | 値 | 内容 |
|-----------|-----|------|
| バイオ炭投入量 | 1万t（乾重） | もみ殻・リグニン残渣等からの製造量（保守値） |
| Fc（有機炭素含有率） | 0.38 | もみ殻バイオ炭の標準値 |
| Fperm（100年後炭素残存率） | 0.80 | IPCCデフォルト値 |
| CO2換算係数（44/12） | 3.67 | 炭素→CO2換算 |

**計算結果**

```
1万t × 0.38 × 0.80 × 3.67 ≒ 1.12万 t-CO2/年
→ 約1.1万 t-CO2/年
```

**出典**：IPCC 2019 Refinement to the 2006 IPCC Guidelines／環境省Jクレジット方法論「バイオ炭の農地施用」

**農地受入容量（もみ殻バイオ炭ベース・要確認）**

バイオ炭はもみ殻を原料とし、稲藁はバイオ炭化せず飼料・エタノール・メタン等に配分する前提である。もみ殻バイオ炭の製造量は約1万t/年（乾重）。バイオ炭の農地施用量の目安を保守的に20 t/haとすると、滋賀県の水田 約46,200 ha が一巡で受け止められる量は 46,200 × 20 ＝ **約92万t** となり、もみ殻バイオ炭 約1万t/年の**約90年分**に相当する。施用は複数年に分散するため、**農地面積がバイオ炭受入の律速になることはない**（受入容量 ≫ 発生量）。実務上の律速はむしろ、各圃場への運搬・散布の物流コストと、Jクレジット要件（施用量・混和・モニタリングの記録）である。

**土壌pH管理（アルカリ資材の重ね掛けへの注意）**

本システムは農地に、バイオ炭（アルカリ性・pH 8〜10前後）に加え、フェーズ1〜2ではCaCO₃残渣（石灰質・pHを上げる）やCa分を還元し得る。日本の水田・畑の多くは弱酸性（適正pH 6.0〜6.5）であり、複数のアルカリ資材を同一圃場に重ね掛けすると局所的にpHが上がりすぎ、鉄・マンガン・亜鉛・リン等の微量要素が効きにくくなる（水稲では特に注意）。ただし県内の広い面積に薄く分散すれば1haあたりの負荷は小さく（例：CaCO₃ 約613 t/年を4.6万haに撒けば約13 kg/ha/年で、一般的な石灰施用100〜200 kg/haより少ない）、直ちに過剰にはならない。運用は、(1) 施用前後の土壌pHモニタリング、(2) 中和したい酸性圃場を優先配分（アルカリ資材を「酸性改良」として活かす）、(3) バイオ炭とCaCO₃の同一圃場への重ね掛け回避、(4) 農地がpH上限に近い場合はCaCO₃を農地でなく**再生ループ（焼成でCaO再生）または工業用途へ逃がす**——で管理する。すなわち「農地／工業製品／再生ループ」の三方向の出口があることが、土壌のアルカリ過剰を避ける安全弁となる。

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### 付録E　森林換算（除去分・約3,000ha相当）

```
永続除去 約1.1万 t-CO₂/年（バイオ炭）
　÷ 日本の森林平均吸収量 4 t-CO₂/ha/年
　＝ 約2,750 ha 相当
（CaCO₃は会計外〔製品／循環キャリア〕のため森林換算に含めない。バイオプラ封入 約0.28万t を加えれば約3,700 ha 相当）
```

排出回避（非CO₂）は森林吸収（除去）とは別カテゴリのため、森林面積換算には含めない。旧版の5.5万haは、回避を除去と同一視していたための過大値であった。

### 付録F　DACコスト換算（除去分・約50〜99億円/年）

```
DAC＝大気中CO₂の除去手段。本システムの除去分と比較する。
　永続除去 約1.1万 t-CO₂/年（バイオ炭） × DACコスト 4.5〜9万円/t-CO₂
　＝ 約50〜99億円/年

（参考）固定・回避の中核 約2.5〜3.1万t まで広く取った場合：約100〜280億円/年
```

旧版の980〜1,960億円は、排出回避（非CO₂が本体）をDAC除去と1:1換算していたための過大値。除去と回避を分けた本換算が審査に耐える。

### 付録G　稲藁1tあたり野焼きCO2と稲作面積あたりCO2固定ポテンシャル

**1haあたりの野焼きゼロ化ポテンシャル**

```
稲藁発生量 6 t/ha × 野焼き排出係数 1.5 t-CO2/t ＝ 9 t-CO2/ha/年（野焼きゼロ化最大値）
回収率50%適用後：9 × 0.5 ＝ 4.5 t-CO2/ha/年
```

**比較：日本の森林平均吸収量 4 t-CO2/ha/年とほぼ同等**

つまり野焼きをゼロにするだけで、水田1haは森林1haとほぼ同じCO2吸収効果を持つことになります。新たな植林不要で、すでにある農地が森林と同等の気候緩和機能を発揮できるという強力なメッセージです。

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### 付録H　ヤンマーバイオ炭装置の転換効率

**もみ殻→バイオ炭の転換率（重量ベース）**

```
もみ殻投入 100 kg/h → バイオ炭 30 kg/h
転換率 ＝ 30 / 100 ＝ 30%
```

**炭素質量収支**

もみ殻の炭素含有率は約38%（乾重）。バイオ炭の有機炭素含有率（Fc）は約38〜42%。転換率30%は一般的な低温熱分解（500〜600℃）の収率として妥当な値。残り70%はガス・液体成分として熱回収されます。

**製造コスト目標3万円/tの意味**

現状のバイオ炭市場価格は10〜30万円/t（用途・品質により幅大）。3万円/tはこれを大幅に下回る目標値であり、Jクレジット収益（現状2,000〜3,000円/t-CO2程度）と合算して採算が成立する水準を目指したものです。

**出典**：ヤンマーエネルギーシステム社資料（NEDO成果報告）／JAぎふ実証報告

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*付録の数値は2026年5月時点の公開データに基づきます。CaCCO法・RT-CaCCO法のスケールアップ実証データは農研機構との連携により順次更新します。*

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### 付録I　琵琶湖ヨシ・道路刈り草のバイオマス量試算

**琵琶湖ヨシ**

滋賀県は「滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例」（平成4年制定）のもとでヨシの刈取・植栽等の管理を行っています。現在の管理対象ヨシ原は約100〜115haと推定されます。

| 項目 | 数値 | 根拠 |
|------|------|------|
| ヨシ原面積（現在） | 約100ha | 淡海環境保全財団・滋賀県資料 |
| 地上部バイオマス | 約3〜5 t/ha（乾重） | 滋賀県・琵琶湖博物館によるバイオマス調査 |
| 年間発生量 | **約300〜500トン（乾重）** | 上記より算出 |
| ヨシ刈り時期 | 1〜3月 | 稲藁収穫期（9〜10月）と完全に外れる |

**CaCCO／CaPPA適性**：ヨシはイネ科草本系バイオマスであり、稲藁と同じく**CaPPA（石灰・常温前処理＋高密度ペレット化）が第一候補**です。高含水（水辺植物）ですが、CaPPAの石灰処理＋バイオ炭廃熱乾燥はむしろ好都合で、乾燥・備蓄・搬送性をまとめて解決できます。ただし稲藁よりリグニンが多め・木質化が進む傾向があり、消石灰添加量・処理時間を強める**条件調整が要る**（糖化率は稲藁より落ちる可能性・要実証）。またシリカ含量は稲藁／もみ殻ほど多くないため、**シリカ回収の妙味は限定的**で、ヨシは主に「エタノール＋野焼き回避」の価値で見るのが適切です。現状は刈り取り後に火入れ（焼却）されており、資源化によりその分のCO2排出を回避できます。

**現状の火入れによるCO2排出（回避可能量）**

```
ヨシ発生量 400t（中央値） × 排出係数 1.5 t-CO2/t
≒ 約600 t-CO2/年（火入れゼロ化による排出回避ポテンシャル）
```

稲藁と比べると規模は小さいですが、冬季端境期（1〜3月）を埋める原料として稼働率向上に直接貢献します。また県が保全条例のもとで管理主体となっているため、調達スキームの構築が他の原料より容易です。

**滋賀県向け提案における意義**

ヨシ刈り→CaCCO資源化は「火入れをやめることでCO2排出を回避しながら、エタノール製造原料として経済価値を生む」という提案であり、県の琵琶湖保全政策と完全に接続します。県の既存予算・担当部署・管理体制がすでに存在するところに新しい出口を提供する提案となります。

**道路・河川敷刈り草**

滋賀県の道路延長は約6,800kmで、法面の年間刈取量は保守的に見ても数千トン規模と推定されます。草本系のため**CaPPA前処理は原理的に適用可能**で、高含水にも石灰処理＋乾燥で対応できます。ただし道路刈り草には稲藁・ヨシより深刻な原料品質の課題があり、位置づけは**補助原料**とします：(1) 土砂・小石・空き缶・プラスチック等の**異物混入**が避けられず、選別・洗浄工程が前提（設備摩耗・詰まり・灰分増の要因）、(2) 草種・季節・場所で水分・リグニン・灰分が**ばらつき**、糖化率が読みにくい、(3) 自動車由来の**重金属（鉛・亜鉛等）・凍結防止剤の塩分・除草剤**の汚染懸念があり、汚染がある場合は**残渣（搾りかす）の農地還元ができない**（＝炭素・シリカを農地へ循環する本システムの旨味が減り、残渣は燃料／産廃側へ）。したがって道路刈り草は「**要選別・要成分分析・要実証**」を前提とした量の足し（補助原料）と位置づけます。現状は自治体が処分コストを負担しており、「処分費ゼロ＋買取収入」という提案は行政側の経済的インセンティブになります。自治体がコンソーシアムに加わる具体的な接点にもなります。

**出典**：公益財団法人淡海環境保全財団「ヨシ原自慢」／滋賀県ホームページ「ヨシ刈り活動によるCO2回収量の算定について」

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### 付録J　廃熱カスケード利用の熱収支設計（NEDO実証フィールド向け・熱設計v2.0系／v3.0でも不変）

本付録は、地域バイオマス発電事業者（3,550kW規模）をNEDO実証フィールドとして活用する際の、エタノール工程の必要熱と、それを発電プラントから供給する方式の収支試算です。本v2.0では、タービン構成を熱力学的に精査し、**新設版（2A：抽気復水）／改造版（2B：既存復水機＋後付けlet-downタービン）** の2トラックに整理しました。実証フィールド＝既存発電所の活用が前提のため、**改造版（2B）を主役**とします。

> **v1.0からの修正点（要点）**
> - 「背圧タービンで排気10,100 kW（57%）をプロセスへ／93%以上が余剰」という枠組みを取り下げた。FIT売電型プラントの大半は**復水タービン**であり、排気は約40℃で復水器へ捨てられ、そのままでは工程に使える廃熱は無い。工程蒸気は抽気で取り出す必要があり、その分の発電は減る。
> - 蒸気を2圧力帯（P1・P2）に集約し、低温帯（旧P3/P4）は**P2凝縮水を熱源とした温水ループ＋冷却**に変更（発酵は発熱反応のため冷却が主役）。
> - P2（蒸留・固液分離補助）を、塔底（ほぼ水・約100℃）の沸騰に必要な伝熱温度差を確保するため**0.2 MPa／110〜120℃**へ引き上げ。

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**1. エタノール工程の必要熱（積み上げ）**

| 用途 | 必要熱量 | 温度／圧力 | 熱源 |
|------|---------|-----------|------|
| ①リグニン乾燥（ロータリードライヤー） | 約836 kW | 120〜150℃ | ボイラー排ガス（独立系統・タービン外） |
| ②水蒸気爆砕 | 約200〜400 kW | 160〜180℃／1.0 MPa | P1抽気／let-down排気 |
| ③蒸留塔リボイラー | 約400〜700 kW | 110〜120℃／0.2 MPa | P2抽気／let-down排気 |
| ④SSF糖化・保温 | 約150〜250 kW | 50〜55℃（温水ループ） | P2凝縮水＋冷却水制御 |
| **タービン供給の工程熱（②＋③＋④）** | **約1,000〜1,400 kW** | | |

> v1.0付録Jは蒸留を3.5 MJ/L（約100〜150 kW）としていたが、セルロース系SSF醪は希薄（エタノール濃度4〜5%）で水の蒸発負荷が大きく、実際は400〜700 kW程度になりやすい。上表はこれを反映した。なお別途作成のプラント仕様書v3.0は設計余裕を見て工程熱を約2,800 kW（蒸留2,000 kW想定）と置いており、本付録の積み上げ（約1,000〜1,400 kW）はその下限側にあたる。最終値は醪濃度・熱統合度の実測で確定する（要試験）。

以下では代表値として **タービン供給の工程熱 ≈ 1,250 kW（P1 約400 ＋ P2 約850）** で試算する。

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**2. 改造版（2B・主役）：既存復水機（無改造）＋後付けlet-downタービン**

既存の復水タービンは無改造のまま、主蒸気のスリップストリームを後付けの小型背圧タービン発電機（let-downタービン）で工程圧（P1 1.0 MPa／P2 0.2 MPa）まで**発電しながら降圧**し、その排気を工程熱源とする。単純な減圧弁（PRV）で絞ると圧力エネルギーを捨てるが、let-downタービンならその分を電気として回収できる。

| 項目 | 値 |
|------|----|
| 主蒸気スリップ流量 | 約2,100 kg/h |
| 既存復水機の発電（スリップ分が抜ける） | 約3,024 kW（▲約526 kW） |
| 後付けlet-downタービンの発電（約290 kWを回収） | ＋約287 kW |
| **2B 合計発電** | **約3,310 kW（元3,550比 ▲約240 kW）** |
| エタノール工程熱（②③④） | 約1,250 kW を **追加燃料ゼロで100%自給** |
| リグニン乾燥（①） | 約836 kW（ボイラー排ガス・独立系統） |

→ 工程熱を自給するために減る発電は **約240 kW のみ**。専用ボイラーを建てずにエタノール工程熱を丸ごと得られるため、コージェネとして十分に割が合う。既存の発電主機・ボイラー・復水器には一切手を加えない（後付けはlet-downタービンと工程設備のみ）。

> 前提：主蒸気6 MPa/450℃・ボイラー効率85%・タービン段効率0.78・復水器0.008 MPa。実機の主蒸気条件・タービン効率により値は変動する。工程熱が上振れ（希薄醪で蒸留が大きい）すれば失電も増え、仕様書v3.0の上限ケース（工程熱2,800 kW・失電約520 kW・発電約3,030 kW）に近づく。実証で醪濃度・熱統合度を測り確定する。

---

**3. 新設版（2A・参考）：抽気復水タービン**

ゼロから建設する場合は、抽気復水タービン1台でP1・P2を必要量だけ抽気し、残りの蒸気をすべて復水器（約0.008 MPa／41℃）まで膨張させて発電を最大化する。同じ工程熱を供給しても失電は純復水運転との差（数百kW）にとどまり、発電は約3,900 kW級。実証フィールド（既存改造）の文脈では2Bが基本だが、商用新設時の選択肢として併記する。

---

**4. 結論：熱はボトルネックにならない（ただし理由はv1.0と逆）**

v1.0は「排気10,100 kWの93%が余剰だから熱に余裕がある」とした。v2.0の正しい理解は次の通り——**エタノール工程の必要熱（約1,000〜1,400 kW）はそもそも小さく、抽気／let-downで容易に賄える。供給しきれない大量の熱は"使える余剰"ではなく、復水器から冷却塔へ捨てられる熱である。** したがって「熱量がボトルネックになる心配はない」という結論自体は維持されるが、その根拠は「余剰が多いから」ではなく「**工程の熱需要が小さく、わずかな失電（約240 kW）で自給できるから**」である。設備規模・稼働台数の拡張に対する熱的余裕も、この観点から十分にある。

---

**5. 工程フロー（v2.0）**

```
原料投入（木質系：パレット廃材・間伐材 ／ 草本系：稲藁・麦わら）
　　↓ 異物除去・粉砕（木質系）／ RT-CaCCO前処理（草本系）
【水蒸気爆砕装置】P1 高圧蒸気 160〜180℃（1.0 MPa）
　高温高圧加熱 → 急速圧力開放 → セルロース解繊・リグニン軟化
　　↓
【フィルタープレス等】固液分離（P2 補助 110〜120℃）
　　├─ リグニン → ロータリードライヤー（ボイラー排ガス 120〜150℃）
　　│　　→ 含水率15%以下 → バッファーホッパー → ボイラー燃料（連続供給）
　　└─ セルロース液 → SSFへ
　　↓
【ジャケット付き攪拌槽（SSF）】
　糖化 50〜55℃（P2凝縮水の温水ループ）→ 冷却水で降温 → 発酵 30〜40℃（冷却主体・チラー併用）
　処理時間：72〜96時間
　　├─ 発酵排ガス（CO₂ 95〜99%・ほぼ純CO₂）→ 炭酸化タンクへ
　　↓
【蒸留塔】P2 中圧蒸気 110〜120℃
　エタノール蒸留・精製 → バイオエタノール（製品）

【炭酸化タンク】常温・常圧（追加熱源不要）
　Ca(OH)₂（RT-CaCCO前処理後の回収品）＋ CO₂ → CaCO₃ ＋ H₂O
　├─ CaCO₃ → 農地還元（土壌pH改良材・採掘石灰石の代替＝製品 約613 t/年）
　└─ 余剰CO₂（約1,110 t-CO₂/年）→ ドライアイス製造・施設園芸CO₂施用 ※炭素固定効果なし
```

蒸気の取り出し：let-downタービン（2B）／抽気復水タービン（2A）から、1.0 MPa（P1）と0.2 MPa（P2）をそれぞれ独立した蒸気ヘッダーへ送り、各ヘッダーの調節弁（CV）で該当設備（P1＝水蒸気爆砕／P2＝蒸留・固液分離補助）へ供給する。温水ループはP2凝縮水を熱源とする。

---

**NEDO実証申請における本設計の位置づけ**

本設計は「廃熱カスケード利用による省エネ型バイオリファイナリーの実証」として、NEDOグリーンイノベーション基金への申請技術提案の核心に据えられます。**既存の発電主機・ボイラーを改造せず、後付けのlet-downタービンと工程設備のみで廃熱を多段活用する**設計は、小規模分散型バイオリファイナリーとして全国展開可能なモデルケースとなります。

---

**補足：バイオ炭製造が発電所廃熱で賄えない理由と立地分担の必然性**

バイオ炭製造（熱分解）に必要な温度は300〜700℃であり、ヤンマーのもみ殻バイオ炭製造装置は500〜600℃での熱分解を前提とした設計です。これに対して発電所廃熱の温度帯はタービン蒸気180℃以下・ボイラー排ガス200℃前後であり、バイオ炭製造の熱源として根本的に温度が不足します。

ヤンマー装置はもみ殻自身の発熱量（約15MJ/kg）を利用した自燃式の設計であり、外部熱源を必要とせず独立稼働できます。この自立性がカントリーエレベーターへの設置を可能にしています。

```
温度帯による用途の棲み分け（物理的必然）

発電所廃熱（〜200℃）
　→ 水蒸気爆砕・SSF・リグニン乾燥・エタノール蒸留
　→ すべてこの温度帯で対応可能

バイオ炭製造（500〜600℃必要）
　→ 発電所廃熱では温度が根本的に足りない
　→ ヤンマー装置（自燃式）で自立稼働
　→ JAカントリーエレベーターに設置が合理的

結論：発電所とJAカントリーエレベーターへの
　　　役割分担は温度帯の物理的必然から導かれる
```

この分担により、発電所廃熱は水蒸気爆砕・SSF・エタノール蒸留工程に集中的に活用され、バイオ炭製造はJAが主体となって独立稼働するという明確な役割分担が成立します。二拠点の設計は恣意的なものではなく、熱力学的な合理性に基づいています。

**出典**：大気テクノ株式会社バイオマスロータリードライヤー技術資料／NEDO「セルロース系エタノール生産システム総合開発実証事業」事後評価報告（2020年）／産業技術総合研究所 酵素糖化リグニン残渣利活用技術開発報告／ヤンマーエネルギーシステム「もみ殻バイオ炭製造装置」技術資料／プラント仕様書v3.0（熱・動力計算：IAPWS-IF97スチームテーブルに基づく）

> **前提条件の注記（v2.0試算）**：本付録の発電・熱収支は、主蒸気6 MPa/450℃・ボイラー効率85%・タービン段効率0.78・復水器0.008 MPaを想定した設計概念値である。すべて実装メーカー精査前の「参照値」とし、工程熱は実証での醪濃度・熱統合度の実測で確定する。

### 付録K　CO2固定手段のスケール感——排出回避が最優先である数値的根拠

本付録は、バイオプラスチックへの炭素固定だけでは気候変動対策の主役になれないことを定量的に示し、野焼きゼロ化による排出回避を最優先とする設計方針の根拠を記します。

---

**前提：20年前のCO2水準に戻すために必要な除去量**

| 項目 | 数値 | 根拠 |
|------|------|------|
| 大気中CO2濃度（2005年頃） | 約380 ppm | NOAA観測データ |
| 大気中CO2濃度（2026年現在） | 約424 ppm | NOAA観測データ |
| 差分 | 44 ppm | 上記より |
| 大気1 ppm相当のCO2質量 | 約7.8 Gt-CO2 | 大気総質量・分子量比から算出 |
| **除去すべきCO2総量** | **約343 Gt-CO2** | 44 ppm × 7.8 Gt/ppm |

---

**バイオプラスチックへの炭素固定で賄うとしたら**

プラスチックの炭素含有率は約67%（ポリエチレン・ポリプロピレン等の平均）。343 Gt-CO2を炭素に換算（× 12/44）すると約93 Gt-C。これをプラスチック重量に換算すると：

```
93 Gt-C ÷ 0.67（炭素含有率）≒ 約140 Gt のプラスチックが必要
```

現在の世界プラスチック生産量は約4億トン（0.4 Gt）/年。

```
140 Gt ÷ 0.4 Gt/年 ≒ 約350年分
```

**結論：プラスチックへの炭素固定だけで20年前の水準に戻すには350年かかる。現実的な主役にはなれない。**

---

**参考：世界の年間CO2排出量との比較**

| 指標 | 数値 |
|------|------|
| 世界年間CO2排出量 | 約37 Gt-CO2/年 |
| 343 Gt ÷ 37 Gt/年 | **約9年分の排出量に相当** |

過去20年間で蓄積した超過分は、現在の世界排出量の約9年分に相当します。これを除去するには、排出をゼロにしながら同時に積極的な固定・回避を組み合わせるしかありません。

---

**琵琶湖システム2.0の設計方針への含意**

| 固定手段 | 特性 | 本システムでの位置づけ |
|---------|------|------------------|
| 野焼きゼロ化（排出回避） | 即効・大量・低コスト | **最優先・主役** |
| バイオ炭土壌固定 | 永続固定・農業便益あり | 重要な補完手段 |
| SSF発酵CO₂→CaCO₃化 | CaCO₃は製品（石灰石代替）／再生ループの循環キャリア・追加エネルギー不要。炭素除去には計上しない | 循環キャリア・新規追加 |
| バイオプラスチック炭素固定 | リサイクルで固定期間延長 | 「やらないよりマシ」の上乗せ |

四手段の複合効果が唯一の現実解です。バイオプラスチックへの固定を「意味がない」と切り捨てるのではなく、排出回避という主役に対する補完として位置づけることで、本システムの全工程に意義が生まれます。

**出典**：NOAA Global Monitoring Laboratory, Trends in Atmospheric Carbon Dioxide／IEA "CO2 Emissions in 2023"／Plastics Europe "Plastics – the Facts 2023"

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### 付録L　主要CO2固定・排出回避技術の比較と本提案の位置づけ

本付録は、DAC以外の主要なCO2固定・排出回避技術を整理し、琵琶湖システム2.0との関係を示します。特にリグニン素材化という将来的な上位活用の可能性と、そのエネルギー条件についても記します。

---

**技術別比較表**

| 技術 | 永続性 | コスト目安 | 副次便益 | 本提案との関係 |
|------|--------|-----------|---------|-------------|
| 植林・再植林 | 低〜中（火災・病害リスク） | $5〜50/t-CO2 | 生態系・景観 | なし |
| バイオ炭土壌固定 | 高（100〜1000年） | $30〜200/t-CO2 | 農業・土壌改良 | **含む（もみ殻・リグニン）** |
| BECCS | 高（地中貯留） | $100〜300/t-CO2 | 発電 | 部分的に近い・地質制約あり |
| 強化風化 | 高（炭酸塩化） | $50〜200/t-CO2 | 農地pH調整・ミネラル | CaCO3農地還元が類似 |
| CO2コンクリート | 高（建物寿命） | $20〜100/t-CO2 | 建設材料 | 接続可能性あり |
| カーボンファイバー | 高（製品寿命） | 素材価値で回収 | 軽量高強度素材 | リグニン由来で接続可能（後述）|
| リグニン建材・素材 | 高（建物・製品寿命） | 素材価値で回収 | 建材・断熱材 | **リグニン残渣の上位活用候補** |
| CLT・木材建築 | 中〜高（数十〜百年） | 建材価格に内包 | 建設・林業振興 | なし |
| 海洋アルカリ化・鉄散布 | 不明 | 不明 | 不明 | なし（生態系リスク・条約制約）|

---

**リグニン素材化の可能性と現段階での位置づけ**

セルロースエタノール製造の副産物リグニンは、現在の設計ではボイラー燃料（サーマルリサイクル）として処理します。しかしリグニンは炭素含有率が約60〜65%と高く、燃やさずに素材化できれば炭素固定期間を大幅に延長できます。

**リグニン素材化の具体的な選択肢**

- リグニン由来カーボンファイバー（東レ・帝人が研究中）：軽量高強度で自動車・航空機・建材への応用
- リグニン系バインダー・接着剤：合板・パーティクルボードへの応用
- リグニン系断熱材・建材パネル：断熱性能と炭素固定を両立

**素材化に必要なエネルギー条件**

リグニンの素材化（熱分解・重合反応・炭素化工程）には200〜1000℃以上の高温工程が含まれ、発電所廃熱（60〜200℃）では温度が根本的に不足します。この工程を低炭素で賄うには、原子力や再生可能エネルギーによる安定した高品質電力・熱が必要条件となります。

```
現段階（フェーズ1〜2）
　リグニン → ボイラー燃料（サーマルリサイクル）
　　理由：廃熱で処理可能・発電維持に必要

将来段階（フェーズ3以降・エネルギー条件が整った場合）
　リグニン → カーボンファイバー・建材素材
　　条件：原子力・自然エネによる高温熱源の確保
　　効果：炭素固定期間を燃焼（即時）→製品寿命（数十年）に延長
```

**リグニン素材化を今すぐ主役にしない理由**

技術成熟度がまだ低く（東レ・帝人の研究は実験室〜パイロットスケール）、商用スケールへの移行には2030年代後半以降が現実的な見通しです。現段階でリグニンをボイラー燃料として使うことは、発電維持と廃熱生成に必要な設計上の必然であり、「将来素材化できるまでの暫定措置」として位置づけます。高温エネルギー源の確保とリグニン素材化技術の商用化が揃った段階で、フェーズ3の拡張として接続する設計です。

**出典**：東レ株式会社「リグニン系炭素繊維の研究開発」／帝人株式会社 サステナビリティレポート／CarbonCure Technologies社技術資料／Plastics Europe "Plastics – the Facts 2023"／IEA "Energy Technology Perspectives 2023"

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### 付録M　大気エネルギーの変化——温度計に見えない気候変動の本質

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**農家・行政の方へ：なぜ気温2℃の差がこれほど深刻なのか**

「今年も猛暑だったね」「最高気温が2〜3℃上がっただけでしょ」——こう感じる方は多いはずです。しかし気温計と湿度計が示す数字の裏に、見えていない現実があります。

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**「気温計は正直だが、不完全だ」**

田んぼに立って感じる暑さは、気温だけで決まりません。同じ33℃でも、カラッと晴れた日と、むわっとした蒸し暑い日では全然違う——これは誰もが経験的に知っています。

この差を生むのが**水蒸気**です。空気の中に水蒸気が多ければ多いほど、大気が保有する熱エネルギーは大きくなります。体感だけでなく、豪雨の激しさや夜間の涼しくならなさも、水蒸気量に左右されます。

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**「相対湿度が同じ」でも水蒸気は増えている**

気象庁の彦根観測データを見ると、夏の相対湿度は1995年も2024年も75〜77%とほぼ変わりません。湿度計は「変化なし」と示しています。

しかしここに落とし穴があります。**相対湿度とは「今の気温で入れる水蒸気の最大量に対して、実際に何%入っているか」を示す数字**です。気温が上がると最大量（飽和水蒸気量）が増えるため、同じ75%でも絶対的な水蒸気の量は増えています。

イメージとしては、同じ「満員電車」でも車両が大きくなれば乗客数は増える、というようなものです。

彦根の実測データで計算すると、**相対湿度が同じ77%でも、2024年の夏は1995年より大気中の水蒸気量が約13%多い**のです。

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**「2℃の差」が「11%のエネルギー差」になる理由**

水蒸気が厄介なのは、その凝結（雨になるとき）に莫大な熱を放出する点です。水蒸気1gが雨粒になるとき放出するエネルギー（潜熱）は約2.5 kJで、同じ1gの乾いた空気が1℃温度上昇する際のエネルギー（約0.001 kJ）と比べると、**2500倍もの差**があります。

このため、水蒸気量が13%増えると、大気全体のエネルギーは気温差が示すよりずっと大きく増加します。

| 指標 | 1995年→2024年の変化 |
|---|---|
| 気温（温度計の数字） | +2.0℃（+8%） |
| 水蒸気量（湿度計には見えない） | **+13%** |
| 大気エネルギー（見えない） | **+11%** |

温度計は2℃しか上がっていない。湿度計も変わっていない。でも大気のエネルギーは11%増えている。これが「見えにくい」構造の正体です。

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**農業と生活への影響**

この見えないエネルギー増加は、三つの形で農家を直撃します。

一つ目は**豪雨の激化**です。大気中の水蒸気が増えれば、積乱雲が発達する際に使えるエネルギーが増え、短時間に激しい雨が降りやすくなります。

二つ目は**夜間の気温が下がらない**ことです。水蒸気は二酸化炭素と同じく温室効果ガスです。夜間に地面から放出される熱を水蒸気が吸収・再放射するため、夜になっても気温が下がりにくくなります。水稲の白未熟粒は登熟期（8月）の夜間気温が26℃を超えると急増しますが、この夜温の高止まりを助長しているのが増えた水蒸気です。

三つ目は**暑さの過小評価**です。農家は気温計を見て判断しますが、実際に身体や作物が受けるストレスは水蒸気を含めたエネルギー量で決まります。「去年と同じ気温だから大丈夫」という判断が外れやすくなっています。

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**【技術的補足：高温がデンプン代謝を阻害する仕組み】**

1-2節で触れた「高夜温が白未熟粒を増やす」という現象には、判明している2つの経路があります。

一つ目は**デンプン分解酵素の活性化**です。農研機構の研究（Hakata et al. 2012, Plant Biotechnology Journal）により、登熟期の高温でデンプン分解酵素「α-アミラーゼ」が活性化し、胚乳内で既に合成されたデンプンの一部を分解してしまうことが分かっています。穂が一生懸命デンプンを蓄積している最中に、高温そのものがそのデンプンを溶かしてしまう、自己破壊的な経路です。

二つ目は**夜間呼吸による糖の消費**です。農林水産省「水稲の高温障害の克服に向けて」（2006年）によれば、高夜温は稲体の呼吸量を増大させ、本来であれば穂のデンプン合成に使われるはずの光合成産物（糖）を、葉や茎の維持呼吸で消費してしまいます。日中の光合成でせっかく作った糖が、夜の高温によって穂に届く前に燃やされてしまう構造です。

登熟初期にはさらに、デンプン合成酵素そのものの活性低下も重なります。高温による細胞肥大とデンプン蓄積のスピードのアンバランスが、白未熟粒（基白粒・乳白粒等）の発生を助長します。光合成（糖の生成）・転流（穂への輸送）・デンプン合成（蓄積）・デンプン分解（呼吸消費）という一連の代謝プロセスの全段階に高温が悪影響を及ぼすため、対策は登熟期を高温期からずらす作期調整や高温耐性品種の導入など複数の方向から進める必要があります。

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**野焼きとの連鎖**

稲藁の野焼きが招く連鎖を整理すると、野焼き→CO2排出（1.5 t-CO2/t）→気温上昇→水蒸気量の増加→大気エネルギー増加→豪雨・夜温高温・高温障害の激化→翌年の収量低下、という流れになります。

農家が自ら野焼きをやめることは、環境への貢献であると同時に、この連鎖を少しでも抑え、自分の田んぼと次世代の農業を守ることにつながります。

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**【技術的補足：比エンタルピーの計算根拠】**

以下に上記の数値を導いた計算の根拠を示します。

**飽和水蒸気圧（Magnus式）**

$$e_s(T) = 6.112 \times \exp\!\left(\frac{17.67 \times T}{T + 243.5}\right) \quad \text{[hPa]}$$

| 気温T | 飽和水蒸気圧 $e_s$ |
|------|----------------|
| 24.6℃（1995年夏平均） | 30.93 hPa |
| 25.1℃（平年値） | 31.86 hPa |
| 26.6℃（2024年夏平均） | 34.83 hPa |

**実際の水蒸気圧と比湿**

実際の水蒸気圧：$e = (\phi/100) \times e_s(T)$　　比湿：$x = 0.622 \times e\,/\,(P - e)$　（$P$ = 1010 hPa）

| 年 | 気温T | 相対湿度φ | 水蒸気圧 e | 比湿 x |
|---|---|---|---|---|
| 1995年夏平均 | 24.6℃ | 77% | 23.81 hPa | 15.02 g/kg' |
| 平年値夏平均 | 25.1℃ | 75% | 23.90 hPa | 15.07 g/kg' |
| 2024年夏平均 | 26.6℃ | 77% | 26.82 hPa | 16.97 g/kg' |

**比エンタルピー**

$$h = c_{pa} \times T + x \times (L_0 + c_{pv} \times T)$$

定数：$c_{pa}$ = 1.006 kJ/(kg·℃)、$c_{pv}$ = 1.86 kJ/(kg·℃)、$L_0$ = 2501 kJ/kg

| 年 | 比エンタルピー h |
|---|---|
| 1995年夏平均 | 63.00 kJ/kg |
| 平年値夏平均 | 63.65 kJ/kg |
| 2024年夏平均 | **70.03 kJ/kg** |

1995年→2024年の増加：**+7.03 kJ/kg（+11.2%）**

**出典**：気象庁「過去の気象データ検索」彦根観測所（1995年・2005年・2015年・2024年）／農研機構「水稲高温障害の発生メカニズムと対策」／ASHRAE Fundamentals Handbook（湿り空気の熱力学）

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### 付録N　溶融塩炉（MSR）——使用済み核燃料を資源に変える次世代炉

本付録は、フェーズ3のエネルギー基盤として溶融塩炉（Molten Salt Reactor：MSR）が琵琶湖システム2.0と整合する理由を技術的・政策的に説明します。

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**溶融塩炉とは何か**

溶融塩炉は、核燃料を固体燃料棒ではなく溶融した塩（フッ化物塩・塩化物塩等）に溶かして液体状態で使用する原子炉です。1950〜60年代に米国オークリッジ国立研究所で実証され、その後冷戦期の政策変更で開発が中断されましたが、2010年代以降にカナダ・中国・米国・欧州で商用化開発が再開されています。

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**使用済み核燃料を燃料にできる理由**

通常の軽水炉は天然ウランのうち約0.7%しか存在しないウラン235を濃縮して使い、使用済み燃料として大量のプルトニウム・マイナーアクチニド（核廃棄物の主要成分）を残します。

溶融塩炉の一形態であるトリウム溶融塩炉や高速中性子型MSRは、この使用済み核燃料に含まれるプルトニウム・マイナーアクチニドを燃料として「燃やし切る」設計が可能です。

```
軽水炉の使用済み核燃料
　├─ 現状：ガラス固化・地層処分（数万年の管理が必要）
　└─ MSR活用後：放射性廃棄物の量と半減期を大幅削減
　　　　（マイナーアクチニドを燃焼→半減期300年以下に短縮）
```

「廃棄物として地中に埋める問題」を「燃料として活用する資源」に転換するという発想は、稲藁・廃材という農業廃棄物を炭素資源として活用する本提案の設計思想と同じ軸にあります。

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**琵琶湖システム2.0との技術的接続**

溶融塩炉が本システムと親和性が高い最大の理由は**高温熱出力**です。

| 原子炉種別 | 冷却材出口温度 | 利用可能な用途 |
|-----------|-------------|-------------|
| 軽水炉（現行PWR/BWR） | 約300℃ | 発電のみ |
| 高温ガス炉 | 約750〜950℃ | 発電＋工業熱利用 |
| **溶融塩炉（MSR）** | **約700〜800℃** | **発電＋工業熱＋水素製造** |

700〜800℃の高温熱は以下の用途に直接接続できます。

**リグニン素材化**：炭素化・重合反応に必要な200〜1000℃の熱を直接供給。電気ヒーターより熱効率が高く、コストを大幅に削減できます。

**高温水電解（SOEC）**：固体酸化物電解セル（SOEC）は700〜800℃の高温で動作し、通常の常温電解より水素製造効率が約30%向上します。グリーン水素→グリーンアンモニアの製造コスト削減に直結します。

**バイオメタン精製**：メタン発酵後の精製（CO2除去・圧縮）工程の熱源として活用できます。

---

**「廃棄物を資源に」という二重の循環**

```
農業廃棄物の循環（琵琶湖システム2.0）
　稲藁・廃材（誰も欲しがらない廃棄物）
　　→ プラスチック・バイオ炭・建材（高付加価値資源）

核廃棄物の循環（溶融塩炉）
　使用済み核燃料（数万年管理が必要な廃棄物）
　　→ 高温熱・電力（高付加価値エネルギー）
　　→ 残渣の放射性廃棄物は半減期300年以下に短縮
```

この二つの循環が組み合わさることで、農業廃棄物と核廃棄物という現代社会が抱える二種類の「厄介者」を同時に資源化するシステムが成立します。

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**現在の開発状況と実現時期**

| 機関・企業 | 炉型 | 状況 | 想定時期 |
|-----------|------|------|---------|
| 中国・TMSR-LF1 | トリウムMSR | 実験炉稼働中（2023年） | 2030年代商用化目標 |
| カナダ・Terrestrial Energy | 溶融塩炉IMSR | NRC審査中 | 2030年代前半 |
| デンマーク・Copenhagen Atomics | トリウム溶融塩・廃棄物燃焼型（コンテナサイズ・量産設計） | 非核分裂プロトタイプ2基完成・3号機建設中。スイスPSIと臨界実験契約締結（2026〜27年実施予定） | 2028年PSIで初臨界実験／2030年代商用化目標 |
| 米国・Kairos Power | フッ化物塩冷却炉 | NRC承認済・建設中 | 2030年前後実証 |
| 欧州・Transmutex | 核廃棄物燃焼型MSR | 概念設計段階 | 2035〜2040年 |
| 日本・京都大学・東北大学 | 溶融塩炉研究 | 基礎研究段階 | 2040年代以降 |

このうちデンマークのCopenhagen Atomicsは、本提案の設計思想との整合度が特に高い事例です。40フィート海上コンテナに収まる量産型・廃棄物燃焼型の溶融塩炉を開発しており、工場生産による量産・低コスト化という方向性は、本提案が想定する「小型MSR」のイメージに最も近い。さらに2023年にはスカンジナビア企業（Topsoe・Alfa Laval・Aalborg CSP）・インドネシア企業（プルタミナ等）と共同で、自社製小型溶融塩炉25基（計1GW）を電源とするグリーンアンモニア製造プラント（インドネシア・ボンタン）の検討覚書を締結しています。「溶融塩炉の高温熱でグリーンアンモニアを作る」という組み合わせを事業化段階で既に追求している点は、本提案がフェーズ3〜4で見据えるMSR・グリーンアンモニア連携（つばめBHB・第8章）の海外先行事例として参照価値が高い。

文部科学省・経産省の次世代炉開発ロードマップ（2023年策定）では溶融塩炉を含む革新炉が明記されており、2040年代の実証・商用化が政策目標とされています。フェーズ3（5年以降）の長期展望として、2035〜2040年代に国内外の溶融塩炉商用機との接続を想定します。

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**本提案における位置づけ**

溶融塩炉はフェーズ1〜2の実施条件ではなく、フェーズ3の完成形を支える理想的なエネルギー基盤です。現段階では既存の再生可能エネルギー・軽水炉リプレースによる低炭素電力でシステムを稼働させながら、溶融塩炉の商用化を待って接続するという段階的シナリオを想定しています。

「稲藁を燃やさない」という農家の一歩と、「核廃棄物を燃やす」という原子力技術の進化が、同じ「廃棄物を資源に」という哲学のもとで出会う——これが本提案の最終形です。

**出典**：文部科学省・経産省「革新炉開発ロードマップ」（2023年）／IAEA Advanced Reactor Information System (ARIS)／Terrestrial Energy IMSR技術資料／京都大学複合原子力科学研究所 溶融塩炉研究グループ／中国科学院「TMSR-LF1実験炉」研究報告（2023年）／World Nuclear News "Copenhagen Atomics enlists PSI to validate reactor technology"／Copenhagen Atomics社公式発表・技術資料

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### 付録O　堆肥需給バランス試算——滋賀県の畜産堆肥は農地面積を十分に賄える

本付録は、2-6節で提案した地産地消型畜産・堆肥還元スキームが量的に成立するかを検証します。結論として、現在の滋賀県の畜産規模でも全農地への施用必要量の約2倍以上の堆肥を生産できることが示されます。

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**前提：滋賀県の農地面積**

滋賀県の農地面積のうち水田は46,200haで水田率は約93%（令和6年）、畑は約3,400haで農地合計は約49,600haです。

**標準的な堆肥施用量**（農研機構・農水省施肥基準）

| 農地種別 | 面積 | 標準施用量 | 必要堆肥量 |
|---------|------|----------|----------|
| 水田 | 46,200 ha | 1.5 t/ha/年 | 69,300 t/年 |
| 畑 | 3,400 ha | 2.5 t/ha/年 | 8,500 t/年 |
| **合計** | **49,600 ha** | — | **77,800 t/年** |

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**滋賀県の畜産からの堆肥生産量（現状推計）**

滋賀県の家畜飼養頭数（農林水産省畜産統計・令和5年）と標準的な糞尿発生量・堆肥化率から年間堆肥生産量を推計します。

| 畜種 | 飼養規模 | 糞尿発生量 | 堆肥化率 | 堆肥生産量 |
|------|---------|----------|---------|----------|
| 肉用牛 | 約2,800頭 | 15 t/頭/年 | 80% | 33,600 t/年 |
| 乳用牛 | 約2,800頭 | 25 t/頭/年 | 80% | 56,000 t/年 |
| 豚 | 約2,000頭 | 2 t/頭/年 | 70% | 2,800 t/年 |
| 鶏 | 約200万羽 | 0.04 t/羽/年 | 90% | 72,000 t/年 |
| **合計** | — | — | — | **164,400 t/年** |

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**需給バランス**

| 指標 | 数値 |
|------|------|
| 全農地への必要堆肥量 | 約77,800 t/年 |
| 現在の畜産からの堆肥生産量 | 約164,400 t/年 |
| **充足率（現状）** | **約211%** |
| バイオ炭施用（0.5 t/ha）による補完 | 約24,800 t/年相当 |
| 充足率（バイオ炭込み） | 約243% |

**現在の畜産規模だけで、全農地への施用必要量の約2倍以上の堆肥を生産できます。** 量的な制約は存在せず、むしろ余剰堆肥の活用先をどう設計するかが課題です。

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**畜産連携拡大後の試算（2-6節のオプション実施後）**

2-6節の地産地消型畜産が進んで飼養規模が拡大した場合（牛2倍・豚鶏1.5倍）、堆肥生産量はさらに増加します。

| 条件 | 堆肥生産量 | 充足率 |
|------|-----------|-------|
| 現状 | 164,400 t/年 | 211% |
| 畜産拡大後（牛2倍・豚鶏1.5倍） | 291,400 t/年 | 374% |
| 畜産拡大後＋バイオ炭 | 316,200 t/年 | 406% |

余剰堆肥は滋賀県外への供給（近隣府県の農地）やバイオメタン発酵原料としての活用が可能であり、システム全体の資源循環がより広域に拡張されます。

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**量的余裕はあるが、実運用には三つの課題がある**

**①空間的ミスマッチ**：畜産農家と水田の場所が必ずしも一致しません。JAが堆肥センターとして集約・再配送する機能を担うことで解決できます。カントリーエレベーターを核とした農協拠点がこの役割に適しています。

**②堆肥の品質調整**：鶏糞は窒素含有率が高く、そのまま大量施用すると過剰になります。バイオ炭との混合（C/N比調整）やコンポスト化による緩効性化が必要です。バイオ炭との混合堆肥は土壌保水性・微生物活性の向上という付加価値も生まれます。

**③農家の受け取り意欲**：化学肥料に慣れた農家が堆肥散布の手間を受け入れるかどうかが普及の鍵です。JAによる代行散布・散布機の共同利用スキーム・Jクレジット収益による費用補填という三点セットで解決を図ります。

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**鶏糞は発酵堆肥として、牛・豚糞尿はメタン発酵として役割分担する**

鶏200万羽からの堆肥生産量（72,000 t/年）は全体の44%を占めます。鶏糞は含水率が低く（50〜60%）乾燥しているため取り扱いが容易で、堆肥化率が高く（90%以上）、堆肥化時に60〜70℃の発熱により雑草種子・病原菌を死滅させる高品質堆肥になりやすいという特性があります。一方でメタン発酵には水分が少なすぎること、窒素含有率が高く（3〜5%）アンモニア発酵阻害リスクがあることから、メタン発酵には不向きです。

これに対して牛糞尿・豚糞尿は含水率が高く（80〜90%）メタン発酵に最適であり、ヨシ・刈り草とのコファーメンテーションでメタン収率がさらに向上します。この物性の違いから役割分担は自然に決まります。

```
鶏糞（含水率50〜60%・窒素高い）
　→ 発酵堆肥 → バイオ炭と混合（緩効性化）→ 圃場還元

牛糞尿・豚糞尿（含水率80〜90%）
　→ メタン発酵（＋ヨシとのコファーメンテーション）
　　→ バイオメタン（農機具燃料）
　　→ 消化液（液肥・補助的利用）
```

窒素過剰リスクへの対処として、下水回収ストルバイト（リン肥料）との配合設計や、バイオ炭との混合によるスロー・リリース化が有効です。

**出典**：農林水産省「畜産統計」（令和5年）／JA滋賀中央会「滋賀の農業」（令和6年）／農研機構「堆肥の施用基準と土壌有機物管理」／農林水産省「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律施行規則」

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### 付録P　バイオプラスチック需給バランス試算——農業資材・食品パッケージへの充足率

本付録は、バイオマス発電1拠点（3,550kW規模）のバイオプラスチック生産量が、滋賀県内の農業資材・食品パッケージのプラスチック需要をどの程度賄えるかを試算します。

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**バイオマス発電1拠点のバイオプラスチック生産能力**

| 項目 | 数値 | 根拠 |
|------|------|------|
| エタノール生産量 | 年間1,830 kL（約1,444 t） | 分流43〜50%・付録Eより |
| バイオPE換算生産量 | 約750 t/年 | エタノール→エチレン→PE・収率85% |

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**滋賀県の農業資材・食品パッケージのプラスチック需要（推計）**

| 需要区分 | 全国需要 | 滋賀県シェア | 滋賀県需要 |
|---------|---------|------------|---------|
| 農業資材プラスチック | 約95,000 t/年 | 農地面積比1.15% | 約1,100 t/年 |
| 食品パッケージ | 約200万 t/年 | 人口比1.13% | 約22,600 t/年 |
| **合計** | — | — | **約23,700 t/年** |

※全国農業用廃プラ発生量：農水省「園芸用施設及び農業用廃プラスチックに関する調査」より。全国食品包装プラスチック：プラスチック循環利用協会「マテリアルフロー図」（2022年）・消費量910万t×包装容器49%×食品関連比率を推計。

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**需給バランス（バイオマス発電点）**

| 対象 | 需要 | 生産量 | 充足率 |
|------|------|-------|-------|
| 農業資材のみ | 約1,100 t/年 | 約750 t/年 | **約68%** |
| 食品パッケージのみ | 約22,600 t/年 | 同上 | **約3%** |
| 合計 | 約23,700 t/年 | 同上 | **約3%** |
| フェーズ3（稲藁ライン追加・2.5倍） | 同上 | 約1,870 t/年 | **約8%** |

---

**読み取れること**

**①農業資材は1拠点でほぼ賄える射程にある**

バイオマス発電1拠点だけで滋賀県の農業資材プラスチック需要の約68%に相当するバイオプラスチックを生産できます。「農業由来のバイオマスが農業資材として還る」という地産地消の循環が、1拠点の実証段階から意味を持ちます。

**②食品パッケージは三社LLPとの接続で初めてスケールする**

食品パッケージは桁が二つ大きく、1拠点では3%程度です。本提案の設計はもともと、滋賀産エタノールを三社LLPに供給し、三社LLPが全国規模でバイオプラスチックを製造するサプライチェーンを想定しています。琵琶湖システム2.0は「原料供給拠点」であり、1拠点でパッケージを完結させる設計ではありません。

**③パッケージ簡素化・軽量化との組み合わせで化石燃料依存ゼロが射程に**

日本のプラスチック消費量は約910万t/年で、うち包装・容器が49%を占めます。しかしここ数年、食品パッケージの軽量化・薄肉化・紙代替が急速に進んでいます。

```
パッケージ簡素化の方向性
　├─ 軽量化・薄肉化（現在進行中・10〜20%削減が一般的）
　├─ 過剰包装の廃止（個包装削減・詰め替え容器普及）
　├─ 紙・植物繊維代替（一部用途）
　└─ リユース容器・詰め替え方式の普及

→ 仮に食品パッケージが現状比50%削減されると：
　滋賀県需要：22,600t → 約11,300t/年
　フェーズ3生産量（2.5倍）：約1,870t/年
　充足率：約17%

```

リデュース（削減）とバイオ化を組み合わせることで、フェーズ3の滋賀県内5拠点展開により県内農業資材プラスチック需要を自給できる水準に達します。段階的に化石燃料由来プラスチック依存からの脱却が現実的な射程に入ります。

---

**フェーズ別生産能力と滋賀県充足率**

| シナリオ | 拠点数 | 生産量 | 滋賀県充足率（簡素化50%後） |
|---------|-------|-------|------------------------|
| フェーズ1（1拠点） | 1 | 750 t/年 | 7% |
| フェーズ2（稲藁追加） | 1 | 1,870 t/年 | 17% |
| フェーズ3（滋賀県内複数拠点） | 5 | 9,350 t/年 | 83% |

**出典**：プラスチック循環利用協会「プラスチックのマテリアルフロー図」（2022年）／農林水産省「園芸用施設及び農業用廃プラスチックに関する調査」／Plastics Europe "Plastics – the Facts 2023"


### 付録Q　ライム（石灰）とは——カルシウムの3態変換と再生ループ

本提案で頻出する「消石灰」「炭酸化」「ライムのLCA」等の用語を補足する。**ライム（lime）とは石灰、すなわちカルシウム化合物の総称**である（柑橘のライムとは無関係）。本システムでは主に次の3態を、用途に応じて使い分ける。

| 呼び名 | 化学式 | 通称（英） | 本システムでの役割 |
|--------|--------|-----------|-------------------|
| 生石灰 | CaO | quicklime | 焼成で再生される中間体。水を加えると消石灰になる |
| 消石灰 | Ca(OH)₂ | slaked / hydrated lime | RT-CaCCOの**アルカリ前処理剤**（稲藁をほぐす）。強アルカリ |
| 石灰石／炭酸カルシウム | CaCO₃ | limestone / calcite | 炭酸化で生成する製品・キャリア。採掘石灰石の代替 |

**3態は「焼く・水を足す・CO₂を足す」で相互に変換する（これが本システムの循環の背骨）：**

```
石灰石 CaCO₃ ──[加熱・約900℃で焼成]──→ 生石灰 CaO ＋ CO₂↑
生石灰 CaO ──[水を加える（消化）]──→ 消石灰 Ca(OH)₂
消石灰 Ca(OH)₂ ──[CO₂を吹き込む（炭酸化）]──→ 石灰石 CaCO₃ ＋ H₂O
```

一周して元に戻る点がポイントである。

**「ライムのLCA問題」とは**：消石灰 Ca(OH)₂ を新規に製造するには天然の石灰石を約900℃で焼成する（CaCO₃→CaO＋CO₂）。このとき石灰石由来（地質由来）のCO₂が放出される。したがって新品の消石灰を買って炭酸化でCO₂を固定しても、**製造時に放出したCO₂と炭酸化で捕まえたCO₂がほぼ相殺**し、正味の除去はゼロ近辺になる（窯の燃料分でむしろ正味プラスになりうる）。本文および付録C-2で「CaCO₃は炭素除去に計上せず、製品ないし再生ループの循環キャリアとして扱う」としているのは、この理由による。

**再生ループ（完成形での解）**：本システムの完成形では、消石灰を購入せず、収集拠点（カントリーエレベーター）で自家再生する。**バイオ炭製造の熱分解で発生する可燃ガスを二次燃焼させて約900〜1000℃の高温をつくり、中央プラントから返送されたCaCO₃を焼成してCaOに戻し、水を加えて消石灰に再生してCaPPAへ再投入**する。これにより——

- 新品の化石焼成ライムを買わない → **「製造時の地質由来CO₂放出」という問題が構造的に消える**。
- カルシウムは CaO ⇄ Ca(OH)₂ ⇄ CaCO₃ で**閉じて循環**する（購入不要）。焼成後のCaOに水を加えて消石灰へ戻す工程は、繰り返しで低下したライムの反応性を回復させる**水和再活性化**にもなる（ただし焼結と不純物蓄積のため、実際は「大半を再生＋少量の補給・パージ」が現実的）。
- 炭酸化で捕まえた発酵CO₂は焼成で再放出されるが、**元がバイオ起源＝炭素中立**なので、この経路のCaCO₃は「炭素固定物」ではなく**CO₂とpHを運ぶ循環媒体（キャリア＋pH調整剤）**として位置づけられる。焼成で出るCO₂を回収すれば炭酸化・SSF中和に再利用でき、CO₂側も閉じられる。
- **熱収支の見立て（要試算）**：焼成に要る熱（CaCO₃ 約5〜6 GJ/t・草本系30%で約613 t/年→概算3,000〜3,700 GJ/年）に対し、もみ殻1万t級のバイオ炭ライン由来の熱分解ガス（年間数万GJオーダー）は、炭化の自己消費と乾燥分を差し引いても桁として足りる見込み。ただし①炭化自己消費控除後の余剰ガスで足りること、②二次燃焼で約900℃を確保できること、③ガス発生（収穫期集中）と焼成需要（通年）の季節ズレを備蓄で吸収すること、が条件で、拠点ごとに実数で要試算。

**カルシウムの二股利用**：以上より、本システムのカルシウムは (a) **再生ループで回す本流**（購入ライムを不要にする）と、(b) **劣化パージ分・余剰を製品として外部に出す分**——の二股で扱う。(b) の用途は精製度に応じて、土壌改良材（石灰質肥料）、セメント・地盤改良材、製紙・プラスチックのフィラー（自社バイオプラスチックへの自家消費を含む）等。(a) に回すCaと (b) に出すCaは別勘定であり、炭素会計上は (a) は循環キャリア（会計外）、(b) は採掘石灰石の代替（除去ではなく素材代替の便益）として整理する。なお炭酸化タンクで生成するCaCO₃は**水スラリー状**で、溶液中でCa(OH)₂にCO₂を吹き込んで沈殿させる**沈降性炭酸カルシウム（PCC）と同原理**のため、製紙填料等にはスラリーのまま乗せやすい。ただし糖・リグニン断片・シリカ・塩等の**不純物を含むため精製・グレーディングが前提**で、無処理では低〜中グレード（精製度に応じて製紙填料→プラフィラー→中和剤→セメントと段階的な出口）。この工業用途は、上記(4) の土壌pH管理上CaCO₃を農地に入れられない場合の**逃がし先（安全弁）**としても機能する。

**スケール時の展望（横展開・余剰カルシウムの追加用途）**：改造1基では余剰Caは限られるが、県内複数基への横展開で規模が積み上がると、二股(b)の用途は次の2層で広がる。

| 層 | 用途 | 現実性 |
|----|------|--------|
| 製品（近い出口） | 貝・真珠養殖や水産の飼料・種苗用カルシウム、養殖池の水質・底質改良（生石灰CaO／消石灰）、製紙・プラスチックのフィラー、セメント・地盤改良材、土壌改良材 | 高い（実需あり・規制の壁が低い） |
| 研究的展望（横展開・長期） | 海洋アルカリ度強化（OAE）による海洋酸性化の緩和・CO₂除去。表層海水は炭酸カルシウムが溶けないため、深海（炭酸塩補償深度以深）への緩効的な炭カル投入や、溶解性の高いCaO／Ca(OH)₂の利用が想定される | 中〜低（規模・物流・検証が課題） |

**共通の留保**：海洋アルカリ度強化・海洋への物質投入は、ロンドン条約／議定書等の国際規制の対象であり、生態系影響評価とモニタリングを要する。またCaCO₃を溶解性のCaOにするには焼成が必要で、その焼成CO₂を回収しない限り、海洋でのCO₂吸収は焼成時の放出分と相殺され正味除去は小さくなる（ライムのLCA問題と同構造）。したがって研究的展望の用途は本システムの主用途ではなく、規模が積み上がった段階での長期研究テーマと位置づける。近い出口としては上表の「製品」層（特に水産・貝・養殖場水質と、フィラー・土壌改良）を優先する。

**注（要実証）**：再生ループ（自家焼成・搾りかす炉でのシリカ分離を含む完成形）の炉設計・分離条件・到達純度は要実証（ラボ→ベンチ）である。特に、有機分を除去する温度でシリカを非晶質（水・アルカリ可溶）のまま保つ温度窓（概ね550〜800℃）と、カルシウム共存下でのケイ酸カルシウム固着の回避、そしてシリカ溶出には水のみでなくアルカリ条件が要る点が、技術的な核心となる。副産物として回収し得る可溶性ケイ酸（シリカ）については、水稲のケイ酸資材として地域内循環（購入代替）できるかの可能性を探る位置づけとする。

**シリカの地域内循環の可能性——搾りかす炉での分離プロセス（フェーズ3・探索段階）**

フェーズ3では、圧搾残渣（搾りかす）からケイ酸を回収して地域内で循環できるかの可能性を探る（あわせてCaCO₃を高純度化してライム再生に回す）。カルシウムとシリカを高温で共存させるとケイ酸カルシウム（不溶）に固着してシリカが回収できなくなるため、「有機分の除去は低温で」「シリカを先に溶かして分離してからCaを焼成する」という順序が要となる。

1. **投入・乾燥**：圧搾残渣（リグニン＋CaCO₃＋シリカ＋発酵残渣）を発電廃熱で乾燥する。
2. **低温ガス化（575〜800℃・無酸素）**：乾燥粉末を無酸素の密閉炉（ロータリーキルン等）で蒸し焼きにし、リグニン等の有機分だけを可燃ガス（CO・H₂・CH₄）として追い出す。このガスは乾燥・焼成の熱源に使う。575℃超で有機分を除去でき、かつ800℃を超えないことが肝心（800℃超ではCaCO₃が分解してCaOとなりシリカと固着する／シリカが結晶化して溶けなくなる）。
3. **炉底残渣**：有機分が抜けると、炉底にはCaCO₃と非晶質シリカの混合粉末が残る。CaはまだCaCO₃のまま（焼成前）なので、ケイ酸カルシウム固着は起きていない。
4. **アルカリ水でシリカを溶出**：ここに水を加える——ただし中性の水だけではシリカはほとんど溶けない。シリカ抽出にはアルカリ条件（残存アルカリを活かす、または少量のNaOH/KOH等を添加）が要る。非晶質シリカはpH9以上でケイ酸塩（水ガラス）として溶け出し、CaCO₃は溶けずに沈殿する。
5. **固液分離**：上澄み（水溶性ケイ酸）と沈殿（CaCO₃）に分ける。
6. **シリカの回収（可能性の検証）**：上澄みのケイ酸塩溶液を中和（pHを下げる）または乾燥させ、可溶性ケイ酸を得る。これを水稲用のケイ酸資材として地域内循環（購入代替）できるかを探る。
7. **CaO再生**：シリカを抜いて高純度化したCaCO₃を、バイオ炭ガスの二次燃焼（約900℃）で焼成してCaOに戻す。シリカを先に除いてあるためケイ酸カルシウム固着を起こさずに焼成できる。焼成CO₂は回収して炭酸化・pH調整へ再利用し、CaOに加水して消石灰に戻してCaPPAへ再投入する。

**留意点（いずれも要実証）**：(a) 温度窓575〜800℃の厳守（有機分除去とシリカ非晶質保持・CaCO₃未分解の両立）、(b) シリカ溶出はアルカリ条件が必須（水のみでは不可・Ca系ではケイ酸Ca固着のリスク）、(c) Si除去→Ca焼成の順序、(d)「純度100%」は理想値で、実際はK・P・Cl等が混じり85〜99%程度・精製前提。


### 付録R　地熱発電——純国産ベースロードのポテンシャルと日本の技術的優位

本付録は、フェーズ3のエネルギー移行で重要な役割を担う地熱発電について、日本のポテンシャルと技術的強みを整理する。滋賀県固有の資源ではないが、輸送部門の電化・低炭素電力供給を前倒しする全国的な選択肢として位置づける。

**資源量と原発換算**

日本の地熱資源量は約2,347万kW（150℃以上の熱水系資源）で、米国（約3,000万kW）、インドネシア（約2,779万kW）に次ぐ**世界第3位**である。これは**原子力発電所 約23基分（1基100万kW換算）に相当する潜在的な発電能力**にあたる。より低温の温泉発電（53〜120℃）の資源量を含めると約3,180万kWに達する。地熱は設備利用率70%強・天候に左右されない**純国産のベースロード電源**であり、エネルギー自給率向上と地政学的リスク低減に直結する。

一方、実際の導入量は約54〜61万kW（総発電量の約0.2%）にとどまり、設備容量では世界第10位。資源量の約8割が国立・国定公園内にあること、開発リスク・コストの高さ、温泉への影響懸念が主な障壁である。政府は2030年に約148万kW（現状の2倍以上）への導入目標を掲げ、国立公園内の規制運用見直し（外縁部からの傾斜掘削の容認）や開発期間の短縮（通常約10年を最大2年程度短縮）を進めている。

**温泉源に影響しない次世代技術**

温泉への影響懸念は、既存の地熱貯留層（温泉と同じ熱水だまり）を利用することに起因する。これを回避する技術として、次世代地熱が実証段階にある。

- **高温岩体発電（HDR）／EGS（涵養地熱）**：地下深部の高温の乾いた岩体に人工的に水を注入して熱を回収する方式。温泉泉源である地熱貯留層の熱水を汲み上げないため、原理的に**温泉と競合しない**。ドイツ等の非火山国でも開発が進む。米Fervo Energy等が実証。
- **クローズドループ地熱**：地中に閉じた配管を通し、地下水・熱水を汲み上げずに**熱だけを回収**する方式（地下水・蒸気を採取しないため温泉源に影響を与えにくい）。この分野は**カナダのEavor社が世界を先導**し、ドイツ・ゲーレッツリートで**世界初の商用プラント**（出力約8.2MW・地下約5,000mのループ・2024年一部運転、2026年完成予定）を建設している。日本勢はEavor社への出資（中部電力 約40%・鹿島）とドイツ案件への金融参画（JBIC等・2024年）という形での関与が中心で、国内では三井物産・シェブロンが北海道ニセコでパイロット実証を進める段階にある。**クローズドループの実装・商用化では日本は後発であり、海外技術への出資・参画と国内パイロットが中心である。**
- **超臨界地熱**：地下3〜5kmの超高温（400〜500℃）を狙う次世代方式。適地を大きく広げ得る。
- **バイナリー発電**：沸点の低い媒体を温泉熱等で気化させてタービンを回す方式。汲み上げた熱水はほぼ全量を地下へ還元するため環境負荷が低く、温泉地の小規模熱源にも展開できる。

次世代技術を含めれば、日本の地熱ポテンシャルは数十GW規模とも試算される。加えて既存プラントでも、湯量・湯質の長期モニタリング（例：30年にわたる経年変化調査）により温泉との共生を図る運用が確立している。

**日本の技術的優位——世界シェア約7割**

地熱発電所の心臓部である地熱タービンでは、**日本メーカー3社（東芝エネルギーシステムズ・三菱重工業・富士電機）が世界シェア約7割**（報道により6割強〜7割弱）を占める。地熱発電はプラントごとに蒸気成分・ガス量が異なる完全オーダーメードであり、腐食・摩耗に強い材料選定と設計、運開後30年を超える運転実績など、**高い耐久性・信頼性**が要求される領域である。地震国・火山国で技術を磨いてきた日本勢の、耐震性を含むエンジニアリング力が競争力の源泉となっている。設備供給に留まらず、設計・調達・建設（EPC）を一括で請け負える点も強み。1980年代には日本企業のシェアは約90%に達しており、近年はバイナリー専業のオーマット（イスラエル系米国企業）等の台頭でシェアは緩やかに低下しているが、フラッシュ式の大型機では依然として世界を主導している。

ただし、この優位はあくまで**従来型（フラッシュ・バイナリー）タービンの領域**でのものである点に注意が必要である。**次世代型地熱では海外勢が先行しており**——クローズドループはカナダのEavor社、EGS（拡張地熱）は米国のFervo社、超臨界地熱の深部掘削は米国のQuaise社（三菱商事が出資）などが実装・商用化を主導している——日本企業は出資・参画・国内パイロットで追随する段階にある。したがって「日本は地熱で強い」は従来型タービンについては正しいが、**次世代型の実装では後発**であり、政府も「次世代型地熱推進官民協議会」（2025年）で開発加速を図っている。日本の強みである従来型タービン技術と、海外先行の次世代型技術をどう組み合わせて国内展開するかが今後の課題である。

**本提案との関係**

地熱は、琵琶湖システム2.0が支える「輸送部門が次世代電源を待つ移行期間」を**短縮する**鍵となる。地熱の開発加速は低炭素電力・熱の確保を前倒しし、フェーズ3（グリーンアンモニア・MSR等）への移行を早める。滋賀県内に大規模地熱の適地は限られるが、純国産ベースロードとしての地熱の全国展開は、本提案が描く炭素循環型社会の電力基盤を補強する。日本製プラントの世界シェアの高さは、この技術が「国産で・輸出産業としても」成立することを示している。

**出典**：産業技術総合研究所（地熱資源量2,347万kW）／資源エネルギー庁「エネルギー基本計画」関連解説／環境省「地熱発電の賦存量および導入ポテンシャル」／JOGMEC「世界の地熱発電」・刊行物／日本地熱協会（タービン世界シェア）／富士電機・東芝・三菱重工業 各社公表資料
